“釣れる魚は釣れるときに釣る”がモットーの、DAIWAフィールドテスターの渡邉長士さん。旬のターゲットを追い続ける渡邉さんの、冬のオススメターゲットはズバリ、アジ。「ワームを使い分けて数もサイズも狙いましょう!」。その極意を解説して頂いた。
●文:ルアマガジンソルト編集部
アジの大規模な群れが接岸すれば、外房は最高のフィールド!
渡邉「冬の外房は一年で一番良いシーズンと言っても良いくらい。毎年、年末年始を中心に必ずどこかの漁港で爆ったりしています」
爆る? それは、どういう状況をさしているのだろうか?
渡邉「日中、明るい時間帯でもアジが入れ喰いになる、とかですね。アジが爆る頃に、外房沿岸はアジの適水温に入るというイメージですね」
適水温になると、アジの活性は高くなる、ということでしょうか?
渡邉「そうです。あと、春先に孵化したアジの稚魚が、年を越す頃は15cm以上に成長しています。アジの個体数が多くて適水温だから大規模な群れが接岸しやすいと推察しています」
なるほど、アジの個体数が多いから、適水温になると爆りやすいということですね。
渡邉「そうです。あと元々居る良型アジも、沿岸が適水温になると岸からの釣りの射程圏内に入りやすい。なので、良いサイズのアジも狙えると思います」
【実釣フィールド】
数もサイズも狙える! まさにアジング最盛期といったところですね。
渡邉「なおかつ、アジは大型になるほどフィッシュイーター化するんですけど、冬は小さなベイトフィッシュも岸に寄りやすい。外房だけじゃなく水温17~23℃のアジの適水温の範囲なら全国各地のアジングフィールドでチャンスがあると思います」
外房沿岸は年末年始を中心にアジの適水温域に入り、アジの数もサイズも上昇傾向。
渡邉「デイアジングも楽しめます。漁港でも磯、サーフでも釣れるベストシーズンですよ」
渡邉 長士(わたなべ・たけし)
千葉県房総半島外房エリアの出身・在住で、幼少期から海釣りに親しむ。10代でルアーによるアジ釣りを始めた房総アジングのパイオニアだ。旬の獲物を追ってサオを振るマルチアングラーでもあり、近年はサーフアジングやオオニベにも傾倒する。DAIWAフィールドテスター。
ポイント選びで重要なのは、実際のフィールドを目で見ること
数も型も狙えるという冬の外房エリア。具体的には、渡邉さんはどんな釣り場を選ぶのだろうか?
渡邉「堤防でも磯でもチャンスはあります。尺(30cm)オーバーなど、大型のアジに狙いを絞るなら、サーフ(砂浜)や磯のナイトゲームに分がありますね。というのも、夜になるとシャロー(岸際)にベイトフィッシュ(エサとなる小魚)が寄りやすいんです」
その場合、どのようなルアーやリグを使用するのだろうか?
渡邉「フロートなどを利用した、分離系のリグで狙うことが多いですね」
ジグ単(ジグヘッド単体リグ)を使う一般的なアジングで言うと、釣り場は堤防などになると思いますが、その場合のポイント選びの条件は?
渡邉「手っ取り早いのが釣果情報です。ネットなどでも調べられますが、一番確実なのが現場を見ること。私は、とにかく釣り場を見て判断します」
現場を見る? 具体的には、どのようなことをチェックするのだろうか?
渡邉「まず、良型アジのエサとなるベイトフィッシュの存在や沖の上空を旋回する海鳥の存在などもヒントになります。でも、一番のヒントとなるのは釣り人を探すこと。真っ昼間でもアジ釣りをしている人が何人も居れば、そこはかなり有望と見ます。日中に釣れていれば、夜も釣れるチャンスは十分あります」
外房はアジングも含めてアジ釣り激戦区でもある。先行者が多すぎて釣り場に立てない、という可能性もありますが?
渡邉「そういうときは、近隣エリアとしてポイントを見ます。隣の港は釣り人は居なくても、アジの群れが入っている可能性はあります」
上手く当たればアジの群れを占有。爆れますね!?
渡邉「そう。攻め方によってさらに釣果が伸ばせます」
実釣時の日中も堤防先端に釣り人を発見。釣り場に立つとおびただしい数のトウゴロウイワシと、水面下でそれを追い回す小サバに遭遇。レンジを下げて探るとアジが応えてくれた。
渡邉「ハクっぽいマイクロベイトも見えたので、それを食べているアジだと思います」
磯のナイトゲームは尺アジの期待が持てる
磯のナイトゲームは大型アジが狙えるという渡邉さん。その言葉通り、日中よりもサイズアップ! しかし…。
渡邉「うーん、今日は25cm止まりか。普通なら尺前後の良型アジが釣れるんですけどね…」
冬こそ漁港脇や灯りが絡む磯で尺オーバーのチャンスがある。
渡邉「大型狙いはボリュームのあるワームも有効です」
夜のサーフも、アジングの有望ポイント!
外房のアジングは、堤防や磯だけではない。なんと、一般的には馴染の薄いサーフ(砂浜)でも楽しめると、渡邉さんは解説する。
渡邉「夜になるとシャローエリアにベイトフィッシュが入ってきて、それをサイズの良いアジ追ってきて、活発に捕食します。特に、水深20mを超える深場や岩礁帯が隣接するサーフが有望で、そういった場所はハクや稚アユ、ギンイソイワシなどベイトフィッシュの種類も数も豊富です」
渡邉さんが普段、ホームフィールドとする外房エリアでの実釣解説だが、日本各地のアジングフィールドでも、当てはまる要素は多い。ポイント選びの際のヒントとして活用し、釣果UPに役立ててほしい。