「一番人間に近い魚 、それがブラックバス。カッコいいし、かわいい」アメリカのバスは本能的。日本のバスは理性的。

日米で圧倒的な活躍を見せるバスプロ・藤田京弥。これだけの短期間で、バストーナメントの頂点近くに達したということは、ある意味誰よりもバスのことを知っている人なんだと思う。そんな藤田さんから見たブラックバスという魚は、どんな魚なのでしょう?

●文:ルアマガプラス編集部

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一番人間に近い魚 それがブラックバス?

― 藤田さんにとってブラックバスって、他の魚とはやっぱり違うんでしょうか?

藤田 「よく言っていることですけど、バスって人間に近いのかな? みたいなイメージですね、魚の中で。例えば動物でも、犬と猫は人間に近いじゃないですか。なんとなく通じるところがある。コイの気持ちはまあわかんないけど、バスの気持ちはなんとなく分かる気がしませんか?」

― なんとなくわかります。

藤田 「僕的には理性を持っているというか、何かを考えて動いている魚だと思います」

― 理性を持っている?

藤田 「本能で生きてるタイプの魚と、理性で生きてるみたいな魚がいると思うんです。理性だったらバスが一番なんですかね? それも僕的にはラージマウスバスが一番人間に近いんじゃないかと思います。スモールは本能寄りの魚ですよね。マスに近いですね。どちらかと言ったらマスもちょっと本能寄りの魚の気がします。アメリカにも様々なフィッシュイーターがいるけれど、やっぱバスが一番感情的な気がしますよ。だから愛されているのかな?」

― そういった人間に近い部分が、釣るのに役立つということはありますかね?

藤田 「例えば冷え込んだらボトムでべったりしてたりとか、ウィードの中に入ったりとか、カバーに入ったりとか。なんとなく気持ちわかるじゃないですか。逆に夏だったら、やっぱり水がちょっと動いてるようなところのほうがいますね。でも、ほかの魚って別にどこでもいると思うんですよ、僕的には。わりと関係なく。それに比べると、バスはまあ人間みたいな感じですね。ちょっと寒いから。どこか入ろう的な。暑いからちょっと窓開けるみたいな、風通しいいところにでも行くかみたいな。そんな風に、人間と同じような感覚を持っている気がするんです」

アメリカのバス 日本のバス

― アメリカと日本のバスって、違いますか?

藤田 「アメリカのバスのほうがちょっと本能寄りだと思います。日本のバスは、日常的にルアーをめちゃくちゃ見てるから、より賢くなっているのでしょう。より、理性が働いてるような気がします。アメリカはフィールドがでかいので。割と本能的な動きで襲ってきたりしますよね」

― 日本のバスのほうがちょっと進化系というか。より人間に近いイメージですね。

藤田 「僕はすべての生物が、その周辺の環境に影響されると思ってるので。例えば、日本人がアメリカに住んでいるとアメリカナイズされてきますよね。そういうイメージです。日本のバスは、ある意味日本の生物になっている。日本のバスになっている。気候とか、食べるものとか、気温とかにも影響を受けていると思います。日本でも東北の人と九州の人じゃちょっと違いますもんね。バスだって、津久井湖と相模湖って隣同士だけどまあ違うじゃないですか。例えば河口湖のバスと、西湖のバスでは全然性格違うし」

― 湖ごとに、傾向があるのかもしれませんね。


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