どれも機構に大きな差異はなく、シンプルにキャストできるスピニングリールとは異なり、メーカーごとに独自の構造を持つベイトリールはいささか扱うのが難しい…。そうお嘆きの貴方に送る当企画。案ずることなかれ、どんなベイトリールのセッティングも基本は同じ。各メーカー推奨のセッティング方法をご紹介しよう!今回は自転車部品において圧倒的な世界シェアを誇りながら総合釣具メーカーとしてもトップシェアを誇る「シマノ」ベイトリールの超基本を解説していきます。
●文:ルアマガプラス編集部
唯一無二のデジタル・コントロール。安定の遠心、一部にマグネットも!
シマノのベイトリールには現在3つのブレーキシステムが展開されており、特に有名なのが唯一無二のブレーキシステムである「DC(デジタル・コントロール)」。
ブレーキ力の強弱は内蔵マイコンが常に最適値を保つことでライントラブルを防ぎ、飛距離を大幅に向上させるシステムである。
DC(デジタル・コントロール)
まずは使用するラインの種類を選択、ダイヤルMAXから試投!
リール自体が内蔵マイコンによってオートマチックにブレーキ制御するのがDCブレーキ。例えばカルカッタコンクエストDCの場合、サイドプレートを開けると、内部にナイロン・フロロカーボン・PEの3モードダイヤル。使用ラインに合わせてセットして試投。外部ダイヤル4から始め最適値を探す。なおWは強風時に対応するWindモードだ。
そしてシマノといえばお馴染み、バスアングラーを中心に圧倒的な支持を得ている伝統の遠心力ブレーキが「SVS(=Shimano Variable brake System)」。現在は「SVSインフィニティ」へと昇華している。
SVSインフィニティ
気になるのは内部シュー、ON/OFFはどうすべきか
スプールサイドのブレーキシュー4個はすべてONにして、外部ダイヤルでの調整が基本。同じブレーキ力を求めるならシューのONを少なくするほどに、ダイヤルでの微調整が効きやすくなる。ダイヤルはMAXから始め、余力を秘めるなら1段階ずつ弱めにセットを。
さらに近年のバスから渓流、そしてライトソルトゲームと広がりをみせているベイトフィネス。そんなベイトフィネス機には「FTB(=Finesse Tuned Brake)」と呼ぶマグネット方式が採用されている。
FTB
超軽量スプールの有効性はより弱いブレーキで活きる!
スプールにブレーキユニットが存在せず、超軽量スプールによる高回転を実現するシマノ独自のマグネット方式。サイドプレートに接続されたFTBユニットには、片側4個最大8個のマグネットを装着可能。初めての使用であればMAXから、慣れたアングラーなら出荷時のままの3個ずつ計6個で試投。あとは外部ダイヤルでMAXから徐々に下げて最適値を見付け出すだけだ。
ベイトフィネス対応3機種のみに搭載されるFTB。スプールにブレーキユニットが存在しないため、圧倒的な軽量化を実現。遠心特性の伸びを兼ね備えたマグネットブレーキで、軽量ルアーも低弾道で撃ち込める。
メカニカルブレーキは、ガタの出ない“ゼロポジション”が基本
かつてはキャストコントロールブレーキ、略称で『キャスコン』とも呼ばれたシマノのメカニカルブレーキ。調整方法は、すべてに共通してガタなしのゼロポジションが前提だ。
DCマメ知識
田辺哲男さん直伝の㊙調整法「フロロ少なめのNモード」
すべては内蔵マイコン任せでトラブルレスを実現できるDCだが、実は繊細な微調整も可能。現代はFモードを多用するのが通例だが、敢えてフロロカーボンを少なめに巻いてNモードでの調整も可能。ラインの重さを試算済みのマイコンをアングラー側で活用するのだ。かの田辺哲男さんが実践しているスタイルで、より繊細な微調整が可能だという。
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