メタニウムSE、ジリオンSVTW、ゼノンMG7の看板3ベイトリールをインプレ徹底比較!



メタニウム(シマノ)、ジリオン(DAIWA)、ゼノン(アブガルシア)。それぞれメーカー3社のベイトリールとして中核を担うモデルであり、スペック、価格もほぼ横ばい。正直、どれを購入すべきか悩んでいるというアングラーも多いはず。でも、ご安心を! そんな読者のためにルアマガズッコケ3人組がマジで忖度無用の徹底比較インプレをしてきました!

メタニウムSE、ジリオンSVTW、ゼノンMG7スペック早見表

リール名画像通販ギア比最大ドラグ自重スプール径/幅糸巻量最大巻上長ハンドル長BB数本体価格(税別)
メタニウムSE HG
【シマノ】
Amazon7.15kg165g34/19mm12lb/65m76cm84mm10/146,300円
ジリオンSVTW 1000H
【DAIWA】
Amazon7.15kg175g34/24mm14lb/90m75cm90mm8/142,800円
ゼノンMG7
【AbuGarcia】
楽天7.54kg135g30/22mm14lb/85m71cm85mm9/145,000円

3社の看板リールを3人組が徹底比較!

メタニウム対ジリオン。性能、価格、人気、どれも両機1歩も譲らぬ、2極化の時代……。その均衡がついに破られようとしている。

両機に割って入らんとするのは、ゼノン。この新機種の登場により、バーサタイル機が3つの勢力に変わろうとする動乱の時代を前に、ユーザーは頭を悩ませるしかないのか……。その答えは、否! 悩めるすべてのアングラーを救うべく、3人の中年が立ち上がる!

ルアマガずっこけ3人組

【Profile】

フルベエ

常に帽子を斜めに被る、色黒やんちゃ中年。友情と正義感には篤く、読者のためにメーカー土下座覚悟で徹底的にリールを深堀りする……予定。

【Profile】

はかせ

らしいのはメガネとメンタルだけの武闘派中年。ショップ店員だったころの膨大な知識量を武器にベストな1台をすすめてくれる……はず!

【Profile】

フクちゃん

どこもかしこもまるまる太った中年。見た目に反して、理系脳を活かした理詰めの解説でそれぞれの特徴を丸裸にする……つもり。

フルベエ「よぉーし、3つのリールを徹底的にインプレすればいいんだな! 任せろい! で、ところで、『インプレ』って何だ?」

はかせ「まったく、フルベエときたら……。『インプレ』とは、インプレッションの略で、『印象』の意味。実際に使ってみた印象を誌面でお伝えするということだよ。ちなみに家電やゲームの雑誌などではインプレの代わりに『レビュー』という言葉を使うことが多いね。フクちゃんもわかったかい?」

フクちゃん「ウ、ウン……!」

フルベエ「ふーん。よし、良い所も悪い所も全部書いてやるぜー! 行くぞ、フクちゃん!」

はかせ「大人には忖度しなきゃいけない場面があってね、特に雑誌ではネガティブ要素をオブラートに包むことも……っておい、フルベエ! 人の話を聞けよ~」

それではズッコケインプレ始まり始まり!

メタニウム シャローエディション HG【シマノ】

このメタニウムは接近戦に強く調整されている、恐れるな……。

リール名通販ギア比最大ドラグ自重スプール径/幅糸巻量最大巻上長ハンドル長BB数本体価格(税別)
メタニウムSE HG
【シマノ】
Amazon7.15kg165g34/19mm12lb/65m76cm84mm10/146,300円

シマノのバーサタイルリールの旗手として名高いメタニウムに、夢屋シャロースプールを標準装備したシャローエディション。浅溝スプールの恩恵で、必要以上のラインを巻かずに済むため、より低慣性でスムースなキャストが可能に。ドライブギアも真鍮からジュラルミン製になり10gの軽量化がされている。近距離戦やテクニカルな釣りにおいて、その恩恵は大きいだろう。

一体成型ボディーにより、全体をコンパクトにしつつも高い剛性を誇る。高負荷時でも歪みを感じない強靭さはシマノならでは。
立ち上がりの良さと伸びに定評があるマグナムライトスプール3。より軽量ルアーへの対応力が広がるシャロースプールが標準装備。

フルベエのキニナルPoint

必要以上のラインを巻かずに済むシャロースプール。その恩恵で得られるレスポンスはどこまで軽いルアーを投げられるのか楽しみだぜ!

ジリオン SVTW 1000H【DAIWA】

伝統のタフボディはそのままに全面刷新し、万能機としてリボーン!

リール名通販ギア比最大ドラグ自重スプール径/幅糸巻量最大巻上長ハンドル長BB数本体価格(税別)
ジリオンSVTW 1000H
【DAIWA】
Amazon7.15kg175g34/24mm14lb/90m75cm90mm8/142,800円

伝統のタフボディはそのまま、ボディーをコンパクトにし、軽量化を実現した『ハイパードライブデザイン』。そして、幅広いルアーへ対応し、トラブルレスで定評のあるSVスプールが『BOOST』へと進化。泣き所でもあったキャスト後半の伸びをサポート。剛性、操作性、回転性能、ベイトリールに必要なすべての要素をネクストステージへと引き上げたDAIWAリール史に名を残す、次世代万能機。

クリックなしの無段階調整が可能で、不意の接触で誤作動することのないゼロアジャスター。ややこしいメカニカル調整がほぼ皆無に。
キャスト時の抵抗を軽減し、飛距離へと繋げる大口径レベルワインド『TWS』。この恩恵による放出感は他では代用不可能だ。

はかせのキニナルPoint

SVブーストになって、ほかのリールとどれくらい飛距離が違うのか気になりますね!

ゼノン MG7【アブガルシア】

『レボ』を超えた新時代のベイトリールNEWスタンダード

リール名通販ギア比最大ドラグ自重スプール径/幅糸巻量最大巻上長ハンドル長BB数本体価格(税別)
ゼノンMG7
【AbuGarcia】
楽天7.54kg135g30/22mm14lb/85m71cm85mm9/145,000円

従来シリーズの『レボ』を超越した究極のハイエンド『ゼノン』。そのベイトモデルでは、スプールに快適さと力強さを兼ね備えたピニオンサポート構造を新たに導入。超コンパクトなボディ設計はロッドとの一体感が高まるばかりか、驚きの自重135gをマークするに至る。レベルワインドのレイアウトで、圧巻のキャストフィールを実現している点も見逃せない!

他のリールと比べ、ズバ抜けて軽いゼノン。その軽量がもたらす、キャスタビリティ、操作性、感度の向上は大きいはず。
アブガルシアのお家芸、超ロープロデザイン。深くグリッピングができ、感度、操作性が向上。リールの自重も相まって、異次元の領域に。

フクちゃんのキニナルPoint

30mmスプールによるレスポンスと使用できるルアーの幅が気になるよぉ~。

インプレで使用したロッド

  • :ロードランナーストラクチャーNXS STN
    6100M【ノリーズ】
  • :グラディエーターアンチ GA-
    610MC ジョーカー【レイドジャパン】
  • :インフィニットブレード IBC-610M【ism】

インプレで使用したライン

  • バス-Xフロロ【DAIWA】

300mの大容量なのにお値段はリーズナブル。3台のリールに巻いてももう1台分余裕があり。完全平行巻きでラインの品質もグッド!

3リールのキャストフィールをインプレ検証!

3機種のキャストフィールを3者がそれぞれインプレッション。数値化しにくい「触った感じ」を3者3様でお届けします。



3リールの飛距離をインプレ検証!

同じロッド、同じルアーを使って3機種の飛距離を実際に投げることで検証してきました。3人それぞれの平均飛距離をさらに平均して出した結果は……?

3リールの参考ブレーキセッティングとブレーキの印象

3人それぞれが感じたブレーキの印象、そして設定などを細かく公開!

3リールの巻き心地をひとことインプレ

3機種の巻き心地を3者がそれぞれインプレッション。

3リールの巻き上げトルクをインプレ

3機種で抵抗のあるルアーを巻いたときのトルクを調べてみたぞ!

3リールのレスポンスを検証!

3機種で軽量ルアーを投げた際のレスポンスを調べて、投げやすさと実用性をインプレ!

フルベエ:1機だけシャロースプール搭載してるメタニウムはやっぱり頭抜けるキャスト感だな! スモラバが矢のように飛んだぜ! ジリオン、ゼノンはラインマックスでも投げられないことはないけど、快適に投げるなら糸巻量を減らしてスプールを軽くしたいね。

はかせ:メタニウムと比べて、ほかの2機種はラインが1.5倍くらい多く巻いてあるからね。僕はジリオンのどんなルアーも投げやすいバランスが好き。まぁどのリールにせよ、近距離戦のフィネスでは困らない精度が出せるから最近のリールはすごいよ!

フクちゃん:ゼノンは30ミmmスプールなのに、深溝でラインがたくさん巻けるから、ラインキャパで使うルアーを調整できそうだな。少なく巻けばフィネス、パンパンに巻けば重量級もOK!

軽量ルアーだけは、メタニウムSEが1歩リード!
結果から言うと、どのリールも投げられる! ロッド、ラインのバランスで快適性は大きく変わりそう!

全インプレを終えた最終結果‼

メタニウム シャローエディション HG【シマノ】

ベイトフィネス寄りの万能機!

メタニウムシャローエディションは、3.3gのスモラバ〜10g前後のルアーが快適に扱えた。リーリングのトルクは他の機種にやや劣るも、巻き感度とスムースさは特筆モノ。近接カバー撃ちには最高という点も踏まえ、巻きのトルクを重視するならこのリールじゃなくてもいいといえるほど、接近戦に強く調整されている。

フルベエ:必要以上のラインを巻かずに済むシャロースプール。その恩恵で得られるレスポンスはどこまで軽いルアーを投げられるのか楽しみだぜ!超軽量級ルアーでなければ、これまでのベイトフィネスリグは大体扱えるし、カバー撃ちなどの接近戦における汎用性はめっちゃ高い! あと、20メタニウムはラインキャパいっぱいまで巻くと若干ピーキーになるけど、SEはそれがないのもいいね!

ジリオン SVTW 1000H【DAIWA】

隙のない、超ハイバランスなリール

軽さ、強さ、飛距離、トルク、ベイトリールに必要とされる要素をすべて高い水準で備えているだけでなく、TWSのようなオンリーワンな個性を持っており、非の打ち所がない。強いてあげるとすれば、誰が投げてもほぼ同じ飛距離になることと、バックラッシュの不安がないブレーキの効き感が遠投主体のアングラーにはやや不満か? というくらいで、逆にプロと同じ性能を体感できるというメリットともいえる。

はかせ:SVのトラブルレスと汎用性は言わずもがなですが、誰が使っても安定したパフォーマンスを出せるというのは腕に自信がない自分にはものすごくありがたいです! 初心者に安心してオススメできるのはもちろん、上級者も使って納得の八方美人なリールだなと思いました!

ゼノン MG7【アブガルシア】

優等生過ぎてギャルに嫌われるタイプ

自重も軽く、キャスト性能も高い。そして、剛性も高いといった欠点の無い、超優等生リール。しかしながら、きれいにまとまりすぎていてちょっと花がない様な印象を受ける。また、その軽さが故にロッドとのバランスが悪くなる懸念も。それでもハイクオリティなのは間違いないので、このリールを使わずしてアブのリールを語るべからず!

フクちゃん:シャフト付きスプールってアブリール的には退化じゃないの⁉ と思ったけど、実際に使ってみると全くもってそんなことはなくて超快適だったんだな。MG7でこれなので、ベイトフィネスモデルであるLTXの期待感も爆上がりなんだな〜(笑)。

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!

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