昨シーズンのルアマガ的ビッグニュースを挙げるとしたら、間違いなくトップ3にランクインするのが「金森隆志、陸王で長良川のロクマルをキャッチ」という事件だろう。そんな「岸」というハンディキャップをはねのけてロクマルに近づくための3つの方策を金森隆志に聞いた。
●文:ルアマガプラス編集部
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偶然と必然がもたらすビッグフィッシュとの邂逅
減水傾向の長良川で「あの魚」が岸に寄った理由
昨シーズンのルアマガ的ビッグニュースを挙げるとしたら、間違いなくトップ3にランクインするのが「金森隆志、陸王で長良川のロクマルをキャッチ」という事件だろう。
初日はミスの連鎖でゼロスコア、対する川村光大郎は6kgオーバー。しかし背水の陣で迎えた2日めの朝、前日はスルーしていた下流域のアシ島まわりにエントリーするやいなや、目の前にクルーズしてきた巨大なシルエットと遭遇し、みごと口を使わせることに成功したのだった。
「1日目にやらかしたあと『アフターの魚の可能性を消しすぎたな』と。そう考えると本流のアシ島は無視できない。でもオカッパリで触るには広すぎる場所だし、減水していたので、かろうじて深みがあってブレイクの絡む最下流側なら…と思ったんですよ」
減水時のセオリーを踏まえると、バンクから魚が離れてむしろチャンスが減りそうな状況でもある。しかしこの日は減水で流芯のカレントが強まり、アフターの魚やベイトフィッシュが沖に出づらくなって、水の巻くこのスポットに寄っていたのでは、と金森さんは推測する。
「あのクラスの魚は、理にかなっていないと出現しない。僕があのタイミングであの場所に入ったのは偶然みたいなもんですけど、釣れたあとに振り返ると、やっぱり必然だったんだなと思う」
「岸からロクマルを釣れ」と言われたら?
「シンプルにそのサイズがよく釣れている場所を選ぶ。そのうえで季節との兼ね合いを考えます。たとえば河口湖なら、個人的にチャンスを感じるのは6〜7月ごろ。オイカワなど大きめのベイトフィッシュが産卵する頃合いで、それをスクールで狙うでかバスを幾度も目にしたことがある」
特定のエサを偏食していると「賢いバスもミスを起こしやすい」と金森さん。早春のワカサギパターンしかり、初夏のエビパターンしかり。
「マッチ・ザ・ベイトの釣りは一年を通じていろいろあるけど、特にスポーニングの直後はバスの動体視力が落ちているから騙しやすい。冬も似たような状態になるんですが、アフターの時期のほうがエサを食うモチベーションも旺盛です」
また、別の要素として「イレギュラーなコンディション」も見逃せない。
過去に金森さんがオカッパリで釣ったもう1尾のロクマルは、台風で増水&激濁りになった岡山県の吉井川で、逆ワンド状になったプロテクトエリアで捉えたものだったという。
「普段は手の届かないところにいるバスが、岸に寄ってくれる条件が揃っていた。大減水も好きですね。単純に密度が濃くなるし、沖のスポットにキャストが届いたりもするから、特殊な条件は大歓迎です」
コイケ17mm(ハイドアップ)
ロクマルのためのルアー選び
最後に、ルアーセレクトの視点から「ロクマル」の可能性を考えてもらった。選択肢は3つに絞られると金森さん。ひとつは「デカいルアーで、でかバスを!」の方式だ。
「たしかにビッグクローラーベイトや大型のスイムベイトなどは釣れる平均値が大きくなる。『筋肉系』のスタイルですね(笑)。ただ、僕はこのゲームはあまり好きじゃない。バスとの出会いが減ってしまうから」
もうひとつは先にも挙げた「マッチ・ザ・ベイト」としてのルアー選び。そのときどきで、でかバスが執着するエサに寄り添う。ボリュームが生きることも、マイクロベイトが威力を発揮することもあるので、すべてのルアーに可能性がある。
「そして、すべてをひっくり返すのがワクワクドキドキ『ルアーパワー系』だと思います。昨年ならコイケ17mm、ちょっと前ならブルフラットやカバースキャット、ウチのルアーならダッジやツーウェイ。バスを魅了するファーストインパクトで、目の前にいるエサの存在すら乗り越えてしまうのが、ルアーパワーのおもしろいところですね」
ダッジ(レイドジャパン)
ワンウェイ(ツーウェイ改・レイドジャパン)
ブルフラット4.8in(デプス)
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