【これからはベイトでも!】リップが短いだけ…じゃない!太めのラインで使いたい新作ルアー!

毎年大量の新製品をリリースするメーカーもあるが、O.S.P.は違う。明らかに少ない。その理由は、絶対の自信を持てる製品に仕上がらない限り、世には出さないからだ。今年の新作はハイカットSR。磨き上げたその能力を深く詳解する。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

折金一樹(おりかね・かずき)
房総半島のダム湖をホームとし、ガイド業を営むプロアングラー。H-1グランプリでは優勝多数、A.O.Y.2回という抜群の結果を出している。驚異的な成績を収める、ユーチューブの「オリキンちゃんねる」も好評だ。

狙うレンジが浅い。でも、それだけではない

10年先でも釣れるルアーを世に出していく…という「10イヤーズスタンダード」を企業哲学とするOSP。
2008年に産み出されたシャッド「ハイカット」は、まさしくその代表格ともいえる存在で、2024年の現在も実力に陰りを見せていない。

そのハイカットに、今春シャローランニングタイプのSRが新たに加わった。既にDRは存在するので、やっとハイカットのラストピースが手に入ると、胸を躍らせている人もいるだろう。では、このSR、単なるレンジ違いなのだろうか?

そのあたりを含めて、プロスタッフの折金さんに根掘り葉掘り話を聞いてみた。

折金「基本はショートリップのハイカットですね。水面下1mくらいが狙えるレンジです。アクションはハイカットらしいきびきびとしたハイピッチアクション。トゥイッチすると、左右にダートもします。使うシチュエーションとしては、今までのハイカットでは潜りすぎてしまうような場所でも、しっかり巻けるシャッドですね。速巻きにも使えます」

つまり、基本的にはやはりレンジ違いのモデルになる。でも、それだけではなかった。

折金「オリジナルのハイカットはスピニングで使わないと遠くに飛ばせなかった。でもDRは重心移動になったので、よく飛んだ。SRは重心移動に加えて、リップが短いこともあり、更に良く飛びます。つまり、ベイトフィネスタックルでもしっかり飛ぶような仕様ですね」

この、ベイトフィネスタックルで使える点が大きなキモなのだ。

ハイカットSR(O.S.P)

●全長:63mm●重さ:5.8g●フックサイズ:8番●カラー:全15色

リップ:リップ形状もオリジナルを踏襲したラウンド型。復元力の早さにつながっている。またリップが小さいので、キャスト精度が高い。
フック:これまでのハイカットは10番だったが、SRはボディも若干大きいのでワンサイズ上の8番が装着されている。フッキング率も高い。
浮力:これまでのハイカットシリーズはフローティングかサスペンドだったが、SRはスローフローティング。浮かせて障害物をかわせる。

3つのハイカットの大きさを比較。実はSRだけボディが3ミリほど長い。そしてウエイトも一番重いのがSRなのだ。リップはかなり小さい。見るからによく飛びそうだ。

カバークランキングに準ずる使い方が強い!

ハイカットSRは、ベイトフィネスタックルでキャスティングできる。それはつまり、太いラインを使えるということだ。

折金「浅いエリアはどうしても根がかりが多い。たとえは霞水系のオカッパリとかはその典型ですよね。でも、太い糸を使えば、ルアーをロストするリスクは減ります。スピニングならせいぜい4~5lbですが、ベイトフィネスなら8~10lbラインを使えます。それなら、多少カバーがきついような場所でも巻けるんです」

このルアーは障害物に当たった際の復元力も早い。スローフローティングなので、障害物との接触を感じたら、止めて浮かせて躱すこともできる。リップが短いので、カバークランキング…とまではいかないが、折金さん的には「それに準じた使い方ができる」そうだ。また太いラインを使えるだけではなく、手返しよく釣りができるとか、静かに着水させられるなど、ベイトタックルで使うメリットは計り知れない。今回の開発目標は、「ベイトでもスピニングでも使えるシャッド」だったようだ。

折金「シャッドって、昔は冬から春にかけて使うルアーというイメージだったと思います。でも最近は一年中使えるハードプラグの筆頭になってます。このSRだったらスポ―ニング明けに浅い場所で使ってもいいんじゃないかな?」。

発売時期は4月下旬。まさにこれを読んでいるこの瞬間に、店員さんがお店に並べている頃だと思う。入手したら、即戦力になること間違いないだろう。ぜひベイトフィネスタックルで!

ハイカットSRまとめ!

レンジを網羅

ハイカットDRの最大潜行水深が3.7メートル、ハイカットのレンジが1.5 ~ 2.5メートル。これに1メートル前後を泳ぐハイカットSRが加わり、約4メートルまでのレンジを網羅。

ベイトOK

重心移動ウエイト内蔵で、なおかつリップが小さいハイカットSRは、非常によく飛ぶし、正確に投げられる。だからベイトフィネスタックルで使用可能。太いラインも使えるのだ。

素早い復元力

低重心のタングステンウエイトを内蔵しているので、水中の障害物に接触しても、すぐに姿勢を元に戻す傾向にある。この復元力が、根がかり率を効果的に低下させてくれる。


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