「常勝男の必釣リグ…」琵琶湖を席巻する サイコロ・リアクション ダウンショットの極意

琵琶湖のトーナメントで好成績を収める林晃大さん。
その高いスコアの原動力になっているのがサイコロラバーのリアクションダウンショットリグだ。
圧倒的釣果を生み出しているこの釣りの使いこなし方を実釣を交えて紹介してもらった。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

profile

林晃大(はやし・こうだい)
1989年生まれ。山口県出身。ハイシーズンは野尻湖、それ以外は琵琶湖という二拠点生活を送る。シャッドキャロとサイコロラバーのリアクションダウンショットを世に広めてきたテクニカル系アングラー。O.S.Pプロスタッフ。

タックルからリギングまで、すべてに釣るための意味がある

野尻湖生まれ琵琶湖育ちのサイコロラバーRDS

サイコロラバーのリアクションダウンショットは、林さんのホームである野尻湖で生まれた。

「サイコロラバーをガイドのゲストさんにイージーに使って欲しくて、ダウンショットにしたのがきっかけです。最初はキャロで使ってて、すごく釣れたんですけど根掛りが多かったんでダウンショットにしたんです。やり始めた当時はものすごく釣れましたよ。もちろん今でもその釣れ具合は健在です。野尻湖ですごく釣れたんで、それを琵琶湖でも試したらやっぱりものすごく釣れました。野尻湖ではシンカーは3.5g、リーダーは40~50cmくらいだったんですが、琵琶湖でやるにあたってシンカーは重く、リーダーは長くなったっていう感じですね」

この釣りはリギングやタックルセッティングも重要だ。

「まず、ジャーク後にルアーを漂わせたいので、フックはあまり太軸にしないように。フックが太いと沈んでしまうんですよ。タックルはややショートめのL+くらいのスピニングロッド。ジャークがしっかり決まるシャキッとしたものを使いましょう。ラインはフロロ7lb。PEの場合は0.6号にリーダー8lbで。広範囲をテンポよく探りたいとき、ウィードが濃いときなどはPEの出番。ロックエリアとかでやる場合は、ベイトフィネスタックルでフロロ12lbでやったりもしますよ」

サイコロラバー・リアクションダウンショット用タックル
ロッド:ワイルドサイド ヴァリアントモデル WSS62L+/TZ(レジットデザイン)
リール:セフィアC3000SHG(シマノ)
ライン:アブソルートAAA 7lb(バリバス)

ルアー

サイコロラバー ノンソルト(O.S.P)

サイトの救世主はダウンショットにしても威力大
サイトフィッシングにおけるノーシンカーリグでの逃がしテクニックで大流行した新感覚ラバー付きワーム。リアクションダウンショットではジャーク後にワームを漂わせたいのでノンソルトモデルを使用する。

フックセッティング

フックは細く、かつ強いものをチョイス
細軸かつでかバスが掛かっても伸びないマスバリを使う。林さんはアンダーショット#1(バリバス)などを使用。
「ステイ中にふわっとさせることが大事。フックが太軸だとそこで沈んでしまうのでNGです。フックはなるべく細く、でもでかいのがきても獲れるようなものを使ってください」

アクションの強弱でフックの刺し方を変える
サイコロラバーは正方形ではなく台形のような立方体になっている。水押しを出したいときは広い面を前に、水を逃がしてクイックに誘いたいときは小さい面を前にする。また、フックポイントはボディのカドから出すのが林さん流だ。

リーダー

琵琶湖では60cmが標準の長さ
いろいろな長さを吟味してたどり着いたちょうどいい長さが60cm。より上目線で誘いたいなら長くするもよし。他のフィールドではもっと短いほうが使いやすい。ケースバイケースで調整していこう。

シンカー

スタックしにくい専用シンカーをバリバスで開発中
林さんがリアクションダウンショット専用として開発中なのがこのシンカー。硬いナイロンラインを長く設置しており、高い障害物回避性能を誇る。岩の隙間に入りにくく、ハードボトムでも引っかかりにくい。重さは5~7gを使い分ける。

タックルセッティング

ロッドはショートでシャキッとしたもの、ラインはフロロで
「ロッドはやや短めでシャキッとしたロッドを使ってください。ソリッドティップで柔らかいロッドだと、キレのあるジャークができないんです」。ラインは琵琶湖のビッグバスにも対応可能なフロロの7lb。ウィードが濃いときなどはPEを使う場合も。

4mのフラットから一気に10m以上深くなるディープホール。そのブレイクにいるバスにアプローチすると明確なバイトが出た。「2ジャーク1ポーズで、スコーンと吸い込みました。狙い通りですね!」

エリアに到着して1投目で飛び出した3kgオーバー
57cm
3100g!

サイコロRDSにオフシーズン無し、低水温期も怖くない

ショートバイトも大事なバスからのインフォメーション

この釣りのアクションは2ジャーク1ポーズ、ポーズは4秒間というのが基本のリズムだ。ラインをバシバシ動かし過ぎない、20cmくらいトゥイッチさせるイメージで動かすのがコツだ。ジャーク後にはラインスラックを出してポーズさせるというのも重要なポイント。

「ジャーク後にフワッとワームを漂わせてバイトさせるためですね。ステイ中にラインを張りすぎるとフワッと感が出ないし、バイトを弾きやすいです。バイトは手元にコンときたり、ラインがパンと跳ねるように出ます。アタリがあったらフルフッキング。吐き出される前に即アワセしましょう。ショートバイトで終わっても、バスはまだ近くで見ていたりするんで、回収せずに誘い直していくといいですよ」

狙っているのは4mレンジにあるウィードや、フラットから一気に10m以上深くなるディープホールなど。取材は2月の冷たい雨が降る日。それでもコンスタントにバイトが取れている。

「サイコロラバーのリアクションダウンショットは春夏秋冬、オールシーズン活躍します。誘い方は年中一緒でOKです。真冬などの活性が低い時期は、ややジャークを弱くし、リアクションが効くと感じる時期は強めに叩いたりとか、アクションの強弱を少し変えるくらい。それぐらいの調整で、基本はオールシーズンいけます。ステイ時間はあまり変えたりしませんね」
 
ちなみに、取材の数日前に行われたトーナメントでは、林さんは初日に3本8930g、2日目は5本で11600gを、すべてサイコロラバーのリアクションダウンショットでキャッチしている。近年釣れなくなっていると言われる琵琶湖でのこの釣果、サイコロRDSの威力、恐るべしだ。

アクション

サイトの逃がしを水中でやるイメージで
基本的なアクションは2ジャーク1ポーズ。ステイは4秒くらいが目安。ジャークは20cmくらいルアーを跳ねさせるイメージでアクションさせる。
「サイトフィッシングでやる、サイコロラバーのノーシンカーの逃がしを水中でやる感じですね」

ジャーク後はラインを張らず緩めずでポーズ。張りすぎてもダメだし、たるませ過ぎてもアタリが取れなくなるので、ほどよいたるませ具合が大事だ。

ステイ中はいつでもフッキングができるように、リールのハンドルには常に手をかけておくようにする。

フッキング

バイトがあったら即フルフッキング
バイトは丸呑みで口の中に吸い込まれることが多く、吐き出される前にフルフッキングを入れる。ショートバイトが多い釣りなので、即アワセが重要。
「フロロ7lbを使っているので、アワセ切れを心配せず思い切りフッキングできます」

カンヌキを捉えた理想的なフッキング。正しいタックルセッティングで正しいフッキングが決まれば、バラすことはあまりないという。

カラーローテーション

グリーンパンプキンペッパー

モエビ

スジエビ

常勝シュリンプ
カラーは薄めが基本、いろいろ試すことが大事
バスを飽きさせないようにするためにはカラーローテが重要。変えていかないとバイトが出なかったり、バイトが続かなかったりする。「薄めのカラーをベースにローテしていってください。自分が考案したKDパープルウィニーも開発中ですよ」。

琵琶湖だけでなくどこでも釣れるのがサイコロRDS

この日は50アップ3本を含む計4本をサイコロラバーのリアクションダウンショットでキャッチ。ロングリーダーで特殊な釣りかと思うかもしれないが、使うシチュエーションは問わない。琵琶湖以外でも、全国のフィールドで釣れるので、ぜひ試して欲しいという。

「自分は野尻湖と琵琶湖でこの釣りをやってますが、関東リザーバーとかでも釣れますし、河川やため池などのオカッパリでよく釣れるという情報も耳にします。シンカーの重さやリーダーの長さを調節してもらえればどこでも使えますしね。自分がやる場所にうまくアジャストさせながら使ってみてください。釣り自体は難しくないです。普通のダウンショットを使う感覚で、2ジャーク1ポーズするだけ。フィールドもシチュエーションも関係なく釣れますよ!」

低活性時は弱めのジャークで見せる
魚の追い方やバイトの出方などを見ながら、ジャークの強弱を調節していく。
「魚はいますが、見にきてやめたり、ショートバイトだったり、今日は活性が低いです。ジャークはやや弱めにやるとしっかり食ってきますね」

魚の反応はとてもフレッシュ、今やらなきゃ損!
50アップ2kgオーバーを立て続けにヒット。バスが複数いれば奪い合うように追ってくることも多い。流行中のサイコロラバーだが、まだまだこの釣りの反応はフレッシュだ。

時を捉えて50アップ連発!

シャッドテールに飽きたバスにはHPフィッシュ

サイコロラバーの釣りの合間にはHPフィッシュも試してみた。

「巻き感は軽いんですが、テールにボリュームがあるので巻くとブルブルと手に振動が来て、テールが動いているのが伝わってきます。スローにも巻けるし速くも巻ける。ウィードを抜けたあとのブルっ!ていう緩急のある動きもいいですね。シャッドテールに慣れているバスも、HPフィッシュなら違う波動でアピールすることができますよ」

オススメはウィードライダー1/2~5/8ozのトレーラーにしてスイムジグとして使う方法。

「ウィードライダーはスカートを少しカットすると全体的なシルエットがまとまります。スイムジグは何もないところで引いてもダメ。ウィードをかすめるように引いてくるんですが、当てすぎるとウィードを拾ってしまうから、その調節が大事ですね」

ロクマルクラスをヒットさせるも…
HPフィッシュの2.7gジグヘッドリグで、ウィードにスタックしたままシェイクしていると強烈バイト! ロクマルクラスの魚であったが、残念ながらネットイン寸前でバラし…。

HPフィッシュ3.7in (O.S.P)

パワフルキックアクションの魅惑のフィッシュテール
ただ巻きではリアル波動のウォブルアクションを発生し、ステイ中は水平フォールで食わせの間を与える。トゥイッチやジャークなどでリアクションを仕掛けることもできる、万能なフィッシュテールワーム。

いろいろなリグにマッチするのがHPフィッシュ
ノーシンカーリグをメインに、多彩な使い方ができるのがHPフィッシュ。林さんはウィードライダーのトレーラーやジグヘッドリグ、シンカーウィップを使ったテキサス風リグなどでこのワームを使っている。

ロケ後日にウィードライダー&HPフィッシュが大爆発!
取材の数日後、ウィードライダー&HPフィッシュで5本で18kgという爆発的釣果を叩き出した林さん。そのうちの1本は68cm5900gのスーパービッグだ。ハマったときの破壊力が凄まじいのは、サイコロラバーもHPフィッシュも同様だ。

68cm
5900g!

タックル
HPフィッシュのジグヘッドリグ用
ロッド:ワイルドサイド WSS67L+(レジットデザイン)
リール:ステラ2500S(シマノ)
ライン:アブソルートPE X8 0.6号(バリバス)、フロロリーダー7lb

ウィードライダー&HPフィッシュ用
ロッド:ワイルドサイド ヴァリアントモデル WSC-ST70H/TZ(レジットデザイン)
リール:TD-Zビッグベイトスペシャル(DAIWA)
ライン:アブソルートAAA 16lb(バリバス)


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