シーズン2を迎えたムービー連動の連載『365daysフリースタイル』の第2回目は、奥田学さんがいよいよ琵琶湖に降臨! 日本一広大な流域面積を誇るでかバスの聖地にして、奥田さんの現ホームグラウンド。そして季節は春。一発を期待せずにはいられないお膳立てだが…結果は如何に!
●文:ルアマガプラス編集部
ビッグ&ジャイアントベイトで本領発揮か!
奥田「岸釣り主体でやってきた当連載だけど、『奥田なら琵琶湖でしょ?』というリクエストが多かったのも事実。シーズン2の第2回目は、マイホームグラウンドで1ビッグ、あわよくばロクマルを狙っていきたいと思います」
シーズン1から数え、連載通算8回目にしていよいよ奥田学さんが琵琶湖に凱旋!日々ライフワークとして研鑽を積んでいる世界最大級への道、ホームでのバスボート釣行を誌面でいよいよ公開する時が来た。
デッキにはビッグベイト&ジャイアントベイトの超ストロング布陣。高実績ロッドのバンタム及びディ
スラプションに装填され、巨体を仕留める準備は万全。その瞬間を待っている。
奥田「実は数週間ぶり、久々の琵琶湖。3月の間はまずまずの状況だったけど、どうも水況がよろしくないみたいで…。まずは水の良し悪しを見極めていきたい」
釣行日は4月中旬。例年はGW頃に田植えによるシロカキ水が流入して、湖中の生命体が沈黙するのが通例。ところが今年は好天による影響なのか、およそ半月の前倒し。とはいえ、広大な琵琶湖だけに「水の良い流域は必ずある」ことを奥田さんは知っている。当連載初のバスボート釣行は、まさに大船に乗った展開となるはずだ。
奥田「いや、ちょっと待てよ…。毎年春恒例のことではあるけど、そんな日がロケに当たるなんて…。これはアカンぞ」
北湖の北側からスタートした奥田さんは、要所要所を撃ちながら南下。南端の沖島へと到達するや眼の前で見た光景に、一抹の不安を隠せない…。
季節進行が遅い魚求め、「水温がまだ低い北へ」
奥田「水中でも〝あの魚〟みたいな現象が起こっとるということや…」
あの魚とは、沖島で見たシャローの個体。
目の前にリグを投入しても、ボートで接近しても、その場から全く動くことがない。おそらくは春の風物詩、プリでもポストでもない、いわゆるミッドスポーンと呼ばれる状況だ。
奥田「そういうことか…。ゲームを立て直すわ」
水温はスタート地点の北側(13度)より数度温かい南側(15度)。奥田さんは南を切り捨て、北という選択肢を決断。まだ温まり切らない水温で「これからシャローに上がる」プリスポーンの個体を狙いに行くという戦略だ。
奥田「これまでに、ビッグベイトをチェイスしてバイト寸前でターンする魚はFFS魚探で何度か確認できた。ただ難しいのは、その魚が必ずしもバスではないということ。コイとかほかの魚もこの時期は肉食性になるからね」
バスか否かが定かでない魚影を追い続けることは非効率。ここで奥田さんが再現性を求めるべく挑んだのは水質の良いエリアだった。
奥田「可能性は低い。けど、今はシャローへフィーディングに上がる魚を仕留めるしかない」。
ハイテクに頼らず、武器となるのは自らの眼力。1カ所に留まる個体ではなく、動き回る個体が相手だ。とはいえ、条件に見合った魚を広大な流域から探し当てるのは実に困難。それは承知の上だった。
ふと何かを思い付いたかのようにストレージを開ける奥田さん。
取り出したのは、あの名作スイムベイトなのか。否異なる。その時を見据え、また新たな武器をライ
ンの先にセッティングし始めたのだった。
ビッグベイト&ジャイアントベイト 基本&最新情報
米国で主流のスナッグレス背針仕様のスイムベイト
奥田さんが「トップフック」と呼ぶのは、世界のビッグベイター仲間と共有する背針仕様。ヘッド部にコイルを仕込み、リングを2つ介してトリプルフックを埋め込む。「腹側にネイルシンカーを入れれば姿勢が安定」して、カバー周りやボトム攻略でもトラブルのないセッティングに。
あらゆるフック仕様を可能にするNEWモデル
フックを標準装備せず、あらゆる可能性を追求できるデビルスイマーを開発中。トップフックはもちろん、ハーネスを仕様したノーマル仕様、ウエイテッドフック仕様など使い方は無限大。次世代スイムベイトがここにある。
「ビッグベイトはウエイトチューンありきが基本」
「パッケージを開けてそのままじゃなく、ひと手間かけてバスに近付く」のが現代ビッグベイト手法。Fモデルにシンカー追加でレンジを下げるべく「最も簡単なのはTGグレネードクイックチェンジャー(バリバス)をフックアイに」。奥田さんのおすすめは「シール貼り板オモリの微調整。内蔵シンカーと同位置に追加が基本」。腹に合わせたカラーを選択。
ボトムへとシフトしたスイムベイト戦略奏功
奥田「いや、本当にタフやったワ…。でも、何とか1本目!」
繊細な操作を駆使した末の強烈バイト!
プロト66Hを極限まで曲げながらも無事にハンドランディングして天に突き上げた肉厚幅広の1本!
実測49センチ、2330グラム。
これぞ春、これぞ琵琶湖を象徴する1本だ。
奥田「中層をビッグベイトで誘ってもなかなかバイトに至らない。プロトのデビルスイマー、トップフック仕様でボトムアプローチして何とか食ってくれたワ」
トリプルフックを背負ったスイムベイトは、ボトムを這わせることも可能。周囲に見えるベイトフィッシュのハスとマッチ・ザ・ベイトのサイズ感、66Hプロトの取り回しの良さによる繊細な操作性が奏功した形だ。
無からの生還に、ひとまず胸をなで下ろす。だが、これだけでゲームは終わることはなかった。
苦境を跳ねのけるも「改めてリベンジを」
奥田「グリグリと巻いてドン! そんな展開に持ち込みたいけど、今は相手がそんな状態じゃない。シャローで決め事を作って、慎重にやり込まないと釣れない日。自然が 相手のバスフィッシング。こればかりは仕方がない」
1本目を仕留めた後、各所を転々として同条件のエリアを探す。
しかし、広大な琵琶湖とはいえ、条件が整った場所を探すのは実に困難。
他のフィネスパターンも組み込んで回るも答えは出ず、時間を空けて再び1本目の場所へと。すると、即座に答えが出た!
奥田「ボトムバンプさせた瞬間に食った! 相当な集中力が要る、シンドイ日だったわ(笑)」。
港で出会ったボーターは連日ゼロ、SNSでも目立った釣果はなく、琵琶湖が突如沈黙した4月中旬。それでも奥田さんは挑み続け、存分な結果を魅せた。
奥田「いや、参りました…。こんな低活性のタイミングにハマるとは…。今月号が発売される頃には暖かくなって、状況も好転してるはず。このままじゃ終われない。シーズン2のうちにリベンジしたいね」
さて、次回、奥田さんはどこへ向かうのだろうか。乞うご期待!
奥田学 使用タックル
動画でもチェック!
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。