毎回語り尽くしのネタ満載トークインタビュー・清水盛三「帰ってきたシン・ネバギバ。」。連載5回目後編は、“酷暑の夏、熱中症一歩手前のロケ続き…皆さんも気を付けてね”からの、9月に有効な酷暑パターンにおけるバスの行動、ならびに攻略方法を伝授してもらったぞ!!
●文:ルアーマガジン編集部(写真提供:MORIZO SHIMIZU)
酷暑での涼しい場所といえば…水通しのいいスポット&シェード&ディープ!!
暑さが多少和らぐと言っても油断は禁物。「 備えあれば憂いなし」なのだ!
――さて、閑話休題。釣りの話題ですが、毎日毎日、本当に暑い日々が続きますね~。
清水「ホンマですワ~。先日はね、岐阜の長良川までロケで出向いてました。もうとにかく暑すぎ。仕事とはいえ、さすがにこの炎天下での釣りは危険度MAX。皆さんも、日中の釣りは熱中症に十分気を付けてくださいね。僕らは時間も限られているので朝からずっと釣りしているけど、昼間は木陰などで休憩取るなりして身体を休めないと、状況によっては危ないですよ」
――確かに、そうですよね。撮影しているワタクシ達も、正直この暑さには参っています。
清水「僕も毎週なんやかんやで釣りに出かけているけど、マジでしんどい時もあるからね。これだけ気を使っていても、軽い熱中症的な症状が出てるんちゃうかって感じるくらいやからね…」
――ちなみに、モリゾーさんがこの酷暑でやっている熱中症対策、教えて下さい!
清水「真夏でも出撃しているエキスパートの皆さんは既にやってるかもしれませんが、僕がこの酷暑でマストとしているアイテムはというと、大きめのクーラーボックスに水を2リットルくらい、スポーツ飲料水を数本、それと麦茶、経口補水液。スポーツ飲料水はそのまま飲むのもいいけど、僕は水で薄めて飲んでる。で、いざというときはOS1とかの経口補水液に頼る。水と電解質を腸からすばやく吸収できる優れた飲み物ですよ、コレは。よく、水(ミネラルウォーター系)をがぶがぶ飲んでいる人がいるけど、汗をかかなかったら身体の中で溜まっていくだけ。その水が塩分を薄めてしまったり、溜まった水が熱によって沸騰状態になってしまうから、かえって熱中症の原因にもなる。これは注意しないとね」
――水だけだと不十分ということですね。
清水「ハイ。塩気や経口水も摂取していかないと。あとは、氷と冷感タオル。冷やし系アイテムもマストかな。日中、冷感タオルに氷水を浸して首に巻く。コレがメッチャ気持ちいいんですワ~。アタマもすっきりするから、釣れないときの気分転換にもええね。氷でいうと、最初から凍らせてあるスポーツ飲料水も使い勝手がいい。冷やす氷としても使えるし、溶けかけてきたら水で薄めたり、逆に水が入っているボトルに入れたりして、薄めのドリンクとして補水できるからね」
――夏は夏でそれなりに気を使わないといけませんね…。
清水「この酷暑をナメたらホンマに事故が起こるからね。特にボート釣りの場合は沖に逃げるところなんてないんだから、ヤバいと思ったら岸に上がって休憩するなり、木陰のシェードで身体を落ち着けるなりしてくださいね。あとは、ウェア系かな。速乾性の長袖のドライシャツ、フェイスガード、薄手のグローブなど、なるべく肌をダイレクトに晒さないこと。日焼けしすぎるとメッチャ体力が消耗するよ」
――確かに。日焼けしすぎると皮膚の火傷の具合によってはお風呂にも入れない、ってことが起きますからね。汗をかいているのにお風呂の湯船に浸かることもできないって。
清水「そうならないためには、極力日焼けしないことやね。あとは、自宅に帰ったら、ぬるめのシャワーで汗を流して身体を落ち着かせ、アイスノンとかの氷枕でアタマを冷やして十分な睡眠をとる。西海岸エリアのレイク・ミードは日中の気温が40度を超えていたから、集中力を切らさず釣りを続けるのが超大変。帰ったらとにかく身体を冷やして十分な睡眠を取るというサイクルで毎日をこなしてたよ」
自分が良く通うフィールドの冷感スポットを探しておこう!
――とはいえ、9月ともなれば涼しくなるのでは?
清水「と思うでしょ? まぁ、東北地方とか場所によっては多少和らぐかもしれないけど、日本はもはや亜熱帯気候やからね(笑)、まだまだ暑さは続くと思っていたほうがいいかと。水温も30度超えでしょう? ということは、やっぱり基本は水通しの良いスポットに魚は溜まる。バックウォーターやインレット周辺にね。ただ…」
――日中はバスも口を使うことが少ない?
清水「そう。分かってきましたね~。なので、朝方と夕方のまずめ時がひとつの大きな狙い目となるんですワ。河川やため池のオカッパリなら…極端なこと言うと、朝夕だけ釣りして日中は家に帰って昼寝するとか(笑)、そんな大胆な時間の使い方でも狙いを外さなければ魚は釣れる。それくらい偏ってる季節なんじゃないかと思いますよ」
――モリゾーさんがそこまで言うって珍しい、かも?
清水「ホンマの話、昼間の酷暑タイムは地獄やからね…。まあ、昼間でも釣る方法はあるから後で話すけど、それより身体のケアが大事やと思うからね。日中でも釣りをしたいという方は、くれぐれも熱中症&日射病対策を万全に!」
――では、その日中のミッドサマーパターンの攻略方法をお願いします!
清水「うーん、言い方が違うな。このご時世、日中は酷暑パターンですワ(笑)」
――こ、酷暑パターンって…。
清水「連日気温が35度オーバーやなんて、外に出たらアカンし…。まあ、さておき、その酷暑パターン攻略やけど、さっきも言ったように、水通しの良い場所は水温も低め安定で水中の溶存酸素濃度が高いから生き物が過ごしやすい。当然、ベイトも溜まる。ということは、バスも集まると。もう一つは、水温が上がりにくい場所。日差しを遮る陰となる場所。いわゆるシェードとよばれるスポットと、日差しが届きづらい深場…ディープスポットの2箇所。特にシェードに関しては、ホンマにちょっとしたところにも身を潜めているから、陰ができているところは隈なく撃っていくとナイスバスに出会えるかもね」
――ディープというと、おおよそどれくらいの深度をイメージすればよいですか?
清水「もちろんフィールドにもよるけれど、ボトム付近のバスを狙うんやったらリザーバー系でも僕は6~8メートルくらいまでかな。とにかく、この酷暑パターンの時期はバスも避難してるから、ルアーを追いかけてバックリ食う、みたいな行動パターンは、特に日中はないに等しいと思って間違いない。バスの鼻先に落として、思わずリアクションで口を使う、といったパターンが多くなるかな」
――逆に朝夕は割と活性化していますか?
清水「日中よりかはね。やっぱりバスもベイトフィッシュもエサ食いたいやろうから、自らエサを求めて集まっていた場所を中心に動き出す時間帯。ピッコロやハンチ、Dゾーンといった巻き物や、ワンズバグ、シャワーブローズ、J×Jミノーのような表層系トップウォーターでも十分食ってくるくらいの高活性のバスが増えてくるよ。ということで、酷暑パターンは、朝夕と日中、シャローとディープ、といったようにメリハリをうまくつけて狙いを定めていけばいいんじゃないかと。その使い分け次第では両方の時間帯でそれぞれスタイルの異なるバス釣りを楽しむことができると思いますよ!」
――酷暑パターンでも楽しめる、そのアプローチ方法を教えて下さい!
清水「さっきも言ったように、水通しの良いシャローや高活性時はムービングルアーやトップウォーター中心で。日中のシェードやディープスポットを狙うのであれば、撃ちモノ中心で。トップも面白いかもね。朝方はバブルトルネードやシャワーブローズで手返し良く、夕方はネチネチ系のワンズバグや最近発売されたJ×Jミノーなんかもええんとちゃうかな」
――逆に撃ちモノはいかがでしょう?
清水「最近よく使ってるのはIRジグの1/2オンスクラスにバイズクローの3~4インチのアタマ1~2節カットをトレーラーにするパターン。これで中流域のアウトサイド側、要は流れが当たる側の6~8メートルラインを狙う感じ。ピッチングのフルキャストでボトムを広く探る釣りやね。シェード撃ちは10.5グラムのテキサスリグでのフリッピングスタイルでカバー絡みがマスト。意外と浅いレンジにも潜んでることがあるから、撃ち込んでみて、まずはフォール中の反応に気を集中してみる。で、アタリがなかったら、ボトムで3~4回誘いを入れてステイ。で無反応なら回収し、次のスポットに撃ち込む、の繰り返し。ワームはクロー系でもバックスライドでもお好みで。ただ、カバーが多いところはシルエットが小さめの方が落としやすくてオススメかな。
とにかく、酷暑が過ぎるまでは『狙いにメリハリをつける』『身体メインで無理をしない』。この二つに注力して釣りを楽しんでほしいですね!」
<モリゾー・おすすめタックル> J×Jミノー仕様ver.
●ロッド:OCSC-64L オライオン・アルエット(EG)
●リール:スティーズAIR TW500XXH *9.1:1(DAIWA)
●ライン:ソラローム・ポリアミドプラス8ポンド(東レ)
●ルアー:J×Jミノー(EG)
<モリゾー・おすすめタックル> ラバージグ仕様Ver.
●ロッド:CSYC-73MH シナジー・スーパートライアンフ(EG)
●リール:ジリオンSVTW1000XH *8.5:1(DAIWA)
●ライン:エクスレッド 16ポンド(東レ)
●ルアー:IRジグ1/2オンス(EG)+バイズクロー4in(ベイトブレス)
<モリゾー・おすすめタックル> テキサスリグ仕様Ver.
●ロッド:CSYC-71H シナジー・スーパーディトネーター(EG)
●リール:ジリオンSVTW1000XH *8.5:1(DAIWA)
●ライン:エクスレッド 18ポンド(東レ)
●ルアー:ノイジークロー4.5in(ベイトブレス)+EGタングステンバレットシンカー・10.5グラム(EG)*テキサスリグ
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。