九州を中心に活躍する、ランカーシーバス量産アングラー岡本隆治さんが、フィールドのリアルな状況をレポート! 現場へ足繁く通った上で得た知見やシーズナルパターンを詳しく解説! 今月は、秋シーズン直前のシーバスの動向と攻略法がテーマだ。
●写真/文:岡本隆治(DAIWA)
9月のシーバスハイシーズン到来! しかし、フィールドはまだ夏…!?
長い夏が終わり、ようやく秋めいてまいりました! コレまでなかなか鱸が見れなかった場所にも続々と鱸が入荷してきております! ワクワクしつつも、寝不足シーズンが到来して不安に襲われている、ダイワの岡本です。
今回は残暑が残る初秋に突入するということで、初秋攻略の釣りについて話をさせて頂きます!
シーバスのハイシーズンと言われる秋…ですが、現在、9月。まだ本調子とは言えないフィールドが多いかと思います。初秋といわれる9月は、魚は入って来ていて、魚のポジションは秋なんだけど、魚体はまだ夏を引きずっていて、中々口を使わせることが出来ないシーズンでもあります。
ではなぜ、9月はちょっと釣るのが難しいのかを、まずまとめましょう。
1.適水温には程遠い高水温でそもそも鱸に元気が無い
ここ最近「秋と春が無くなった」と言われるように、高気温・高水温が中々収まりません。
シーバスは基本的に15~18℃が適水温と言われているように、低水温を好む魚です。9月の日本のフィールドでは、水温は基本的に20℃を越えている場合が多く、溶存酸素量も少ないシーズンで、スズキも本調子になり切れません。
2.海系ベイトの接岸・河川への侵入が少ない
こちらも非常に重要です。シーバスは基本的に、イワシやサッパ・コノシロ等の海系ベイトが好物です。こういった海系ベイトも水温や溶存酸素量に敏感ですので、河川や港湾など、身近なポイントに入ってくることが少なくなります。
ベイトが居ないと活性が上がらず、魚のジャッジが厳しくなり、警戒心も上がり、口を使わせるのが難しくなります。
3.潮の動きが中途半端
基本的には夏は昼に良く潮が動く「昼潮」。冬になるにつれ、夜に潮が動く「夜潮」になります。
9月はちょうどその狭間になっており、昼も夜も潮は動くのですが、どっちも大きくは動かず、偏った時合いが発生しにくい傾向にあります。そのため、例えば夜潮のド干潮等、爆発する時合いに遭遇できる確率が下がります。
以上の3つが、9月のシーバス攻略を難しくする要因と考えています。
難易度高めの9月を攻略するためのヒント
では、そのグロッキーな魚を釣るのにオススメな方法は何なのか、について書いて行きます。
1.「考える前に口を使わせる」リアクションの釣り
口を使わせることが難しい魚を釣るとなると、リアクションを狙うのが定石です。その中でも初秋に異常に反応が良いと言えるルアーが2つあります。
【ショアラインシャイナーZ バーティスR 98S】
ダイワが誇るかっ飛びスタンダードミノーのバーティスR。今回紹介する98Sというモデルは、バーティスRシリーズの中でも唯一無二のリアクション特化型となっています。まず、ただ巻きのアクションがシリーズ中最もキビキビとしたキレのあるアクションとなっており、ただ巻きでもリアクションを誘えます。
そして特に優秀なのが、ジャークアクション!ジャークの幅に関わらず、非常に綺麗に、かつ、ほどよく横っ飛びします。フックとラインとのトラブルも少なく、ストレスフリーです。ジャークの幅に関わらず、と書きましたが、不安でしたら、ラインスラッグを叩くようなイメージで40~60㎝ぐらいロッドを動かすのがオススメです!
「ジャーク用のミノーなら他のジャークで有名なルアーを使うよ…」という方も多いかもしれませんが、他のミノーと違い、バーティスR 98Sのすごい所は、バーティスRシリーズが誇る圧倒的飛距離を踏襲しているということ!
先程、9月は警戒心が強い魚が多いと書きました。その警戒心の強い魚を喰わせるには、ディスタンスを取りアプローチをすることが重要になります。その点、バーティスR 98Sの最高飛距離は、100 mmを切るミノーとしては異例の70mオーバーを誇ります。
70m飛ばした先のシャローでキレッキレのジャークアクションが出来る…。これってこのミノーじゃないと不可能なことだと思います。ランカー捕獲率の向上、そして数釣り、どちらにおいても優秀なルアーになります!
【ミニエント57S】
コチラもダイワが誇る名作ルアー。ミニエントと言えば、大野ゆうきさんの3Dダート! この釣りは時期・場所を問わず大活躍ですが、特に初秋のタイミングで炸裂することが多々あります。
例えば橋脚のピンであったり、ブレイクラインであったり、ココぞと言うポイントで、ジャークを入れてダートを与えるのがオススメです。ミニエントのダートなんて、今更な内容ではありますが、9月は特に武器になります。
特にこの時期は、かなり激しめ+速めのジャークで口を使うことが多くなります。「ちょっと魚体にスレそうで不安になる…」ってぐらい激しめのジャークが良く釣れており、むしろ、そこで手加減をしてしまうと、逆に口を使わせきれず、反転した魚体に引っ掛かることもあります。ぼーっとしているシーバスを叩き起こすつもりでジャークを入れてください!
2.シーバスの警戒心が高くても、喰わせることが出来る水面を使う
これは去年に既に記事にさせて頂いた「ナイトペンシル」になります。魚が警戒心を高める大きな要因のラインが水中に無い事・水面の引き波や波紋でシルエットをぼかすことが出来る事等、様々な要素が9月のシーバスに効きます。
出し所は、ナイトのオープンや明暗等。トップを出すという発想が無い場所こそ、投げて見ましょう。意表を突く一手がこの初秋でこそ効きます! オススメルアーは以下の通りです。
【モンスタースライダー160F】
どのトップよりもスライド幅を稼げるルアーになっています。自信を持って、最高のスライドペンシルと言い切ります!特にナイトゲームではメータークラスを多く獲っていますので、実績十分です。
【モンスタースライダー135F】
喰わせのサイズです。160F程スライドは伸びませんが、サイズで喰わせるイメージです。マットチャートや不夜城等、レーザーインパクト以外のカラーも新しく発売されましたので、そちらもオススメです!
この釣りについてはコチラに更に詳しく書いていますので、是非ご覧ください!
「シーバス大好き営業マン」としてSNS界隈で話題沸騰中(!?)のアングラーであるDAIWAの岡本隆治さん。東京、大阪、北陸、九州と勤務地の異動に伴いながら、全国各地で釣りの腕を磨き続けている「シーバス[…]
以上、初秋のオススメの釣りを紹介させて頂きました! 魚はもう各ポイントに入っています。状況によっては簡単に釣れますが、そうでないときは、今回紹介した釣りを使ってみて下さい。
もちろん今回の釣りは、秋が深まり、本格的なハイシーズンに突入しても厳しい日に効く事が多いです。引き出しの一つとして是非マスターしてください! それでは皆様、思い思いの秋を楽しんでください!
アングラープロフィール
岡本 隆治(おかもと・りゅうじ)
三度の飯よりシーバス釣りが好きな、DAIWA営業マンきってのシーバスジャンキー。これまで転勤先である、大阪湾、北陸、東京湾などで釣りを楽しんできたが、現在のメインフィールドは九州。2020年にはMAX98cm、2021年にはMAX99.9cm、2023年には3本のメーターオーバーをキャッチした実績を持ち、ビッグベイト「モンスタースライダー」の開発にも携わる。
※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。