多くのバスアングラーから高評価を得てきたコンプレックスXRが、2025年春に一新。バス専用スピニングリールとしてどのような進化を遂げたのか? 2021年デビューの前作を超える性能で、フィネスゲームの新しい扉を開くのは間違いなさそうだ。
●文:ルアマガプラス編集部
マグナムライトシリーズの中核機クラスを新たにバス専用チューン!
左右非対称の構造で異次元の軽やかさで回転するMGL(マグナムライトローター)や、ボディに軽さと強さをもたらすカーボン繊維強化樹脂CI4+などを採用。ヴァンキッシュを筆頭に軽快さとリーリングレスポンスを追求したマグナムライトシリーズの中核クラスに相当するスペックにバス専用チューンを施したのがコンプレックスXRだ。
歴代のコンプレックスは、シマノスピニングリールの数々のテクノロジーを搭載し、滑らかな巻き心地、力強い巻き上げ力、軽さ、感度、剛性、耐久性、防水性能などスピニングリールとして基本性能が高められている。
では、新型コンプレックスXRはどこが変わったのか? 自らもコンプレックスを愛用するシマノインストラクターの黒田健史さんに聞く。
フロロカーボンラインによるフィネスゲームがより快適に楽しめるアンチツイストフィンを搭載
黒田「変更点でいうとまずラインナップが変わりました。前作がC2000F4と同HG。2500F6と同HGの4機種。新型はC2500F4とC2500F4HG。2500F6と2500F6HG。全4機種でフロロカーボンラインの4lbが100m巻けるF4、6lbが100m巻けるF6という構成は変わらないです」
ライトリグなどフィネスゲームを想定したリールなので糸巻き量は踏襲されている?
黒田「そうですね。ただ、新しいコンプレックスはフィネスゲームに対応した新機能が搭載されています」
それは?
黒田「アンチツイストフィンです。ラインローラーに隣り合うような位置に取り付けられている弾性のあるフィンで、ラインのたるみを抑えて糸落ち(ラインがスプール下部に落ちる現象)や、糸がヨレたままスプールに巻きつけるといったライントラブルが軽減されます」
フロロカーボンラインは重い。フィネスゲームは意図的に糸フケを出したり、ロッドを立てて操作することが多い。アンチツイストフィンでライントラブルを抑え、より快適に釣りが楽しめるということだ。
F4とF6でドラグセッティングを変えラインブレイクの不安を解消
そのほかにバス専用チューンとして特筆すべき点は?
黒田「まず軽さですね。例えばハンドルの素材は強度より軽さ重視で(カーボン繊維強化樹脂の)CI4+を使っています。もちろんバス釣りをする上で十分な強度を持たせて。あとF6モデルのドラグはラピッドファイヤドラグを採用しています」
ラピッドファイアドラグは、ドラグノブの回し幅に対してドラグ力の効き具合の変化が大きいシマノ独自のドラグ機構ですね。
黒田「バス釣りでは、カバーに潜られないように魚を止めたい。あるいはボート際で急に突っ込まれて切られないようにラインを出したいなど、瞬時にドラグ調整をしたいシュチュエーションは多いですよね。魚を獲る上でラピッドファイアドラグは有効な機能だと思います。F4モデルはハイレスポンスドラグでスムーズな滑り出しが特徴。魚の引きの変化に瞬時に対応して細糸使用時のラインブレイクを防いでくれます」
シマノマグナムライトシリーズの中核機相当の優れた基本性能に、アンチツイストフィンとラピッドファイアドラグをプラス。細糸でより繊細に攻めるならF4。カバー絡みでパワーフィネス寄りならF6と、ギア比の違いも含めて使い分ければフィネスゲームの戦略の幅が広げられる。25コンプレックスXRがより洗練されたフィネスゲームに導くのは間違いなさそうだ。
コンプレックスXR
モデル | 糸巻量フロロ(lb-m) | 糸巻量PE(号ーm) | ギア比 | 自重 | スプール寸法(mm/mm) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長(mm) | BB/Roller | MAX ドラグ(kg) |
C2500 F4 | 4-100 | 0.8-110 | 5.1 | 155 | 44/13.5 | 70 | 45 | 9/1 | 3 |
C2500 F4 XG | 4-100 | 0.8-110 | 6.3 | 155 | 44/13.5 | 87 | 45 | 9/1 | 3 |
2500 F6 | 6-100 | 1-150 | 5.1 | 175 | 47/17 | 75 | 75 | 9/1 | 4 |
2500 F6 HG | 6-100 | 1-150 | 5.8 | 175 | 47/17 | 86 | 86 | 9/1 | 4 |
アングラープロフィール
黒田健史(くろだ・けんし)
国内最高峰バストーナメントカテゴリーJBトップ50メンバーで、2024シーズンは年間ランキング5位。フィールドタイプを問わず安定した成績を残す実力者だ。静岡県遠州エリア出身でシーバス、クロダイなどソルトゲームにも精通。バスもソルトも自身の技術を余すことなく引き出せる道具選びにこだわり、タックルに関する知識も豊富だ。
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