「重々しい引き、これはデカいぞ…」風が止んだタイミングで食う魚。「ドキドキしました」

プロアングラーとして活躍する川村光大郎さんの連載「OPENMIND」。今回は、千葉県の三島湖、戸面原ダム、茨城県の霞ヶ浦での釣りをレポート。元旦から驚きの釣果を叩き出したぞ。プロってすごい…。

●写真/文:川村 光大郎

川村さん恒例の元旦釣行は三島湖!

明けましておめでとうございます!今年もOPEN MIND よろしくお願いいたします。さて、恒例にしている元旦釣行は三島湖へ!ともえボートさんが元旦から営業されているのでありがたし…。そして、オリキン(折金一樹プロ)と何となく勝負になります。

冬はなんといっても朝イチが最大のチャンス!これを逃すと苦戦必至なのですが、逃しました…。朝イチを過ぎた頃、オリキンにライブスコープを見ての魚の動きを聞くと、ルアーを追っても動きがスローだとのこと。

時合いは、それまで吹いていた冷たい風が止んだタイミングで訪れました。正午前に、オリキンから釣果報告!それから5分もしないうちに、ボクにもバイト!

重々しい引きに、デカいぞ!

ライトラインゆえドキドキのファイトも、無事キャッチしたのは48cm!

ヒットルアーはスカートを刺したスクーパーフロッグベイビーのダウンショットリグ。

スクーパーフロッグベイビー(ボトムアップ)

冬としては浅めの水深(約2m)のボトムをタッチしながらのスト誘い。年末に受け取った、試作のライトニングストライク#8がしっかり掛かっていました。

そして、夕方に同じリグでもう一匹キャッチし、上出来な初釣りとなりました!

さらにバスを追加した川村さん

川村さんのヒットタックル

1/3は霞ヶ浦へ釣行した川村さんと佐藤さん

1/3は昼から霞水系へ!フィールドスタッフ佐藤賢一郎のジョンボートに同船しました。かつては冬によく通ったものの、ご無沙汰していたフィールド。シャッドプラグをやり切るつもりで、水深によってスティーズシャッドのSRとMRを使い分けました。

しかし、冷たい風がよろしくないのか!?一向にバイトは来ず…。

鉄杭の囲みに、佐藤がこの日初めてロッドを持ち替え、投じたのはブレーバーⅡのスナッグレスネコリグ!その1投目に「食ったかも」と、ワンテンポ置いてアワセを入れると、ロッドが深く曲がる!!

バスをキャッチしたボトムアップスタッフの佐藤さん

タックルチェンジが功を奏してのナイスワン!ボクはデコりましたが、いいもの見せてもらいました。

1/4と1/5でデビル会のプラクティスで戸面原ダムへ!

そして1/4~5は戸面原ダムへ!毎年冬に開催される「デビル会」参戦にて、プラクティスから入りました。デビル会も例にもれず、近年の上位はライブソナーの使い手が占める傾向です。

昨年の戸面原戦ではエスケープツインのチョイ重(8.8g)テキサスがウイニングパターンであったりと、バンク寄り、シャロー~ミドルレンジの方がサイズはいい!ボクは魚探の振動子の故障もあり、魚探無し。

よって、バンクの角度や崩落から水中をイメージしつつ、水質や太陽光の当たり方も考慮しスポットを絞り込みました。水深は2~4m前後と、冬のリザーバーとしては浅め。ボートが通った軌跡が泡で残るところや、浮いた葉っぱが溜まるような水が動かないエリアは基本パス。

1日中日が当たらない寒々しいエリアもパス。バスが居る、居ないよりも、“食い気のあるバスが居そうなところ”といったイメージ。プラクティスは1バイト1キャッチのみでしたが、ライブソナー勢も苦戦しているようでした。

何とかバスを釣り上げた川村さん

バイトは遠くとも、集中力を切らさず最善を尽くそうと!

ボトムアップスタッフの千葉さんがビッグフィッシュをキャッチ!

ちなみにこの日、フィールドスタッフの千葉陵平が、55cm・2200gをキャッチ! フットボールジグ(フットマスター14g)に、トレーラーはブルスホッグダディ。

真冬にデカバスをキャッチ!

こんなバスが潜むのも、戸面原ダムの魅力です!

デビル会当日…

本番の朝はデッキが凍てつくほど寒かったです。

ボートのデッキが凍り付く寒さのデビル会当日

まずは前日に釣った岬を目指したつもりが、勢い余って!? ひとつ先の岬に来てしまいました…。狙いの岬には他の人が入るも、ほどなくして空きました。後手ながら、スカートを刺したスクーパーフロッグベイビーのダウンショットで崩落跡を探るとバイト!

ファーストフィッシュは37cm!

ちなみにリミットは3匹で、サイズに応じたポイント換算にて順位が決まります。沖ではノリーズの山口淳史さんもキャッチしているのが目に入り、朝の時合いを感じます。

しかし、後が続かず… 10時を過ぎ、そろそろかとボート桟橋のインサイドへ。溜まった流木が行く手を阻みますが、オーバーハングと相まってのシェード狙い。ここではジグタックル1本!

ギャップジグ7g+ポーク(BUダディ)で、岸際だけでなく、シェードになる範囲内のミドルレンジのボトムを探ります。極力エレキを踏まずに枝を掴んでオーバーハング内に侵入し、ミドルレンジのボトムを探ってくるとジグが押さえ込まれる感触!

合わせた直後にグッドサイズと分かる重みは、待望の45UP!(端数切捨てにて、申告は45cm)

ナイスフィッシュをキャッチした川村さん

45センチアップ!

状況からして、あと一匹釣れば優勝に絡めるはず!なのに、バイトが無いまま帰着時間まで20分を切ってしまった!

島からオイルフェンスが伸びるカドにスクーパーフロッグベイビーを投じ、オイルフェンスに沿って誘ってくると「コンッ!」この時のファイトは緊張しました。ネットの柄を引き寄せるも、オカッパリ用だから柄がスルスル伸びてネットが来ない~って、軽くテンパってます…。

フックは深く掛かっていて、無事キャッチ!

帰着へ向かいました。

川村さんの結果は!?

結果は優勝!そして、上位7名中6名のヒットルアーにボトムアップルアーが貢献する嬉しい結果に。ブレーバーマイクロとブルスホッグベイビーのダウンショットと、メタルバイブのフルーミー。

そして、フィールドスタッフ3名(草深幸範・石井一樹・千葉陵平)は、プロトのギミー2.4インチのダウンショットにて。思えば、昨年のデビル会にて、稚ギルがメインベイトになる状況で2インチクラスのギル系ワームが必要なことを痛感し、開発に着手したアイテムでした。

冬に各フィールドの強者が集うデビル会

出始めこそ上位に入れたものの、近年は上位陣の話に唸らされるばかりでした。ライブソナーの普及&レベルアップ、そしてフィールドの変化に遅れをとっていることは自覚するところ。

今回は魚探無しがむしろ良い方向に転じたのかもしれませんが、もっと柔軟に貪欲に、レベルアップを図ることが今年の目標です!

川村さんを優勝に導いたヒットルアー

まずは新年一発目のOPEN MINDは良い報告となりました。今年も一年、よろしくお願いいたします!

アングラープロフィール

川村光大郎(かわむら・こうたろう)
陸王5冠、バサーオカッパリオールスタークラシック3度制覇など、その実力が証明されている岸釣りの天才アングラー。ボートでの釣りも高いスキルを持つ。代表を務めるボトムアップでは、数々の傑作ルアーを設計。


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