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H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回はマグナムスプーンの有効性と使い方を解説。大津さんの目のつけどころに注目だ!
●写真/文:大津清彰(ティムコ)
異彩を放つ! マグナムスプーンの注目株がいよいよデビュー!
2024年、私の中で大活躍したルアーの一つがマグナムスプーン系ルアーです。試合などでより注目されるのは、ダズリングフラッシャー(ティムコ)が発売される2025年になるでしょう。 従来のビッグスプーン系とは使用方法や反応させている要素が違うと感じているルアーです
ダズリングフラッシャー(ティムコ)
私が主に使用するマグナムスプーンは、ベンパーカーのマグナムフラッタースプーンと、2025年発売となるティムコスタッフ藤原氏監修のダズリングフラッシャーです。
両者の違いをざっくりお話しすると、マグナムフラッタースプーンは重く・速く・バックスライド。ダズリングフラッシャーは軽く・遅く・フラッタリングと覚えておいてください。※このあたりの詳細はまたどこかで
ダズリングフラッシャー(ティムコ)による釣果。
マグナムスプーンは大型バス専用ではない! 魚のサイズを問わずフックを喰わせる!
今回は、私が確信をもってオススメするマグナムスプーンで釣るための方法を紹介します。
まず一つは、上部にアシストフックを取り付ける方法です。
上部にアシストフックを装着。
写真を見ていただけるとわかるのですが、まずフェザーフック(#5前後。あまり大きいとよろしくない)にリングとスイベル(小型)を取り付けます。
メインラインに浮き留めゴムを入れ、フェザーフックを5cmくらいの遊動式にして搭載します。
なぜこれなのかというと、まずマグナムスプーン自体にフックを直結するよりもバラシが少ない。 遊動式にすることでバラシが激減します。重さのあるマグナムスプーンはバラシ対策が結構重要だったりします。
そしてもう一つ大切なのは、アシストフックがボディから離れることで、バスがバイトしやすくなることです。マグナムスプーンはあくまで“集魚板”なのです。
サイズが大きいからといって大型のバスだけを狙うためのルアーではありません! 喰ってくるのはボディではなくフックの部分。
にわかには信じがたいかもしれませんが、フェザーフックやティセルフックを目がけて襲いかかってきます。そういうルアーなのです。
フックが小さければ様々な魚が喰ってくる。
ニゴイ以外にハスも釣ったことがあります。とにかくフックサイズを下げればあらゆるフィッシュイーターがかかってくるのがマグナムスプーンなのです。
反射板で寄せて喰わせる! 原理はスピナーベイトと一緒
にわかには信じがたい、と書いたものの皆さん当たり前のように使用しているルアーにも同じことが言えますよね? そう、スピナーベイトです。ブレード(集魚板)でバスを寄せて別の場所を喰わせるというのは、ルアーフィッシングでは当たり前に行われていることです。カジキのティーザーやトラウトのドジャー、弓角で使用するスキップバニーが良い例です。
ただ、この上部にアシストフックを取り付ける方法は、トーナメント団体によっては禁止かもしれません。私はH-1GPX以外出ておらず、わからないため確認してください。
さて、最も重要な部分に関してこれからお話ししましょう。
マグナムスプーンは集魚板! 短リーダーに結んだフックが動いてバイトを誘う!
まともな写真がこれしかなくて分かりにくいかもしれませんが、実は今年(2024年)、マグナムスプーンで釣っていた多くのバスがこれでした。それがリーダーをつける方法です。
まずフェザーフック(#4前後? 大きすぎるとフッキングが悪い)に20lbくらいのラインを結びます。リーダーを3~5cmとり、小型のソリッドリングをイモムシノットで結んで仕掛けとして作り、リアのスプリットリングに取り付ける方法です。
マグナムスプーンを使い続けて早2年。私が出した結論は、集魚板であるということ。また喰ってくるのはフェザーやティンセルフック部分であるという確信です。つまりフェザーフック、ティンセルフックをどういかすか?によって、釣果に大きな差が出ます。
ダズリングフラッシャーのフラッタリングがリーダーを介してフックを魅惑的に動かす
ダズリングフラッシャーはシャクり上げるときも、フォールでも装飾フック部分がフラッタリング効果により魅力的に動いています。ここを最大限にいかす探求の中で編み出したのリーダーをつける方法で、最適な長さは3~5cmに落ち着きました。
この仕掛けを導入した当初は隠して撮影してました。
もう一つ重要なのは、フックは小さくて良いということです。
ベンパーカーのマグナムフラッタースプーンには#3/0という大型トレブルフックが搭載されています。もともとの考え方が大型ベイトを食べるバスに焦点を当てているためだと思われます。
私は集魚板という考え方です。この結論に至ったのは、フックサイズを下げれば小型のバスや他魚種すら釣れるというということもありますが、ライブスコープの存在が大きいです。従来、わからなかった水中で起きていることを観察することで、集魚板という結論を出しました。
また、フックサイズを下げる意味としては吸い込みの良さです。これはリーダーをつけるということにも繋がっていきますが、フックの重量が軽いほどバスの口の奥にかかりやすくなります。 少しでも奥にかかるとバラシが激減します。
バスは吸い込み型の捕食をするので、フックの小型化とリーダーの存在による効果は絶大です。そもそも日本の釣りは、魚の吸い込みやすさを重視するためにハリス(リーダー)をつけるのが当たり前です。欧米の釣りであるルアーフィッシングは、ハリスの考えがないケースが多いですね。
しかもリーダーがついていると、単純にバラシが激減するのも大きな魅力です。ヘッドシェイクされてもフックに無用な力が加わらないため、外れないのです。
余談ですが、最近はダイラッカのようなビッグスプーンにもリーダーをつけ、フックサイズを下げるようにしています。
ダイラッカ38g(ノリーズ)
この場合、アクションに支障が出る関係でリーダーの長さは1cm程度ともっと短くなりますが、明らかに口の中にかかる確率が上がり、バラシが激減します。
ただリーダーは14lbくらいだと根がかりしたときにルアー本体を回収できて良いのですが、ファイト中に切られることがあるので16lb以上が望ましいです。
ここまで解説してきましたが、ルアーにリーダーを付けるという考え方はトーナメント団体によっては禁止の恐れがあるので注意してください。ちなみにJBNBCからは、ルールブックに記載がない以上問題なし、という回答をいただいておりますが今後はわかりません。H-1GPXは協議中のようです。
あと、この上下のフックシステムですが、湖のコンディションによって圧倒的に上を喰う場合と逆に下ばかり喰うというのがあって面白いです。また、上を喰ってくるのは小バス、下を喰ってくるのがビッグバスということもあり、これはやってみないとなんとも言えません。ただ、どちらか一方ばかりを喰う場合は、片側のフックは無くても良いので、私もバスの喰い方によって調整しながら使い分けています。
フックの代わりにハードルアーやワームで誘う拡張機能もあり!
これは応用編になりますが、フェザーフック、ティンセルフックの代わりにハードルアーやワームを付けて誘う方法もあります。私はドジャーリグと呼んでいます。
ステルスペッパーのドジャーリグ。
ステルスペッパー70S(ティムコ)
フェザーフックでなくなると、ますます集魚板らしさが増しますが、リフト&フォールだけでなく、ただ巻きでもめちゃくちゃ釣れるときもあるのでぜひお試しを。
マグナムスプーンの効果的な時期は7~11月。バスが沖に出て、速い動きに反応が良い時期に使われるルアーです。今回紹介した使い方はシーズンを迎えたら楽しんでいただければと思います。
マグナムスプーン推奨タックル
- ロッド:フェンウィック LINKS610CMHP+J (ティムコ)
- リール:バンタムXG(シマノ)
- ライン:アブソルートAAA 20lb(バリバス)
- ルアー:ダズリングフラッシャー (ティムコ)
アングラープロフィール
大津清彰(おおつ・きよあき)
老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の『奇人』。
※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。