「現場に立って絶望…」「二度とこんな失敗はしたくない」なんで気づかなかった?頭を強く打てば打つほど成長できる。

悩み多きバスアングラーの質問に、人気メーカーのレイドジャパン代表であり、陸王優勝経験もあるエキスパートアングラー、金森隆志さんがズバッと本音で回答! 今回は、陸っぱりで持ち歩く釣り具の量についての質問に答えていく。

●写真/文:金森 隆志(レイドジャパン)

携行する釣り具が多くて機動力が低下…。一体どうすれば?

おはようございます、こんにちは、こんばんは。さてさて、いよいよ2024年も今週一杯! ってことで、寒くても忙しくても、頑張って現場に通っている人に向けて、この質問にお答えします!

【質問内容】

ふと気が付くと、オカッパリなのにロッド数本、タックルボックス大と、手持ちの荷物が多すぎて身動きが取りにくくなっています(苦笑)。颯爽とラン&ガンしたいのですが、どうすれば荷物が少なくなりますか?

人の成功体験をトレースするだけで満足できるのかどうか。遊びなのに深いですね。いや、遊びだから深いのか…。結論、ハイ! ロッド1本にしましょう。

と、それができないから悩んでいるんだと思いますが、解決策としては持って行かないこと! 颯爽と動きたいなら持ちすぎない。痩せたいなら食べ過ぎない。荷物を減らしたいのに一向に減らせないのは、「オレは痩せる!」と言ったそばからかつ丼大盛ざるそばセットを頼む人と一緒です(笑)。

とは言っても、荷物を減らすのは至難の業。

でもなぜそうなるかはよ~く分かります。僕もここまで釣りをやってきましたが、今でも迷うことはあります。あまり知らない場所や中途半端な季節であればなおさらのこと。そんな事情をよ~く分かってる人間からのアドバイスです。

失敗しましょう。

これが今回の質問に限らず、釣りがうまくなるための最速にして究極の条件。SNSをむさぼり読むことじゃ解決できないんです。座学ではなくあくまでも実践! 現場でやってみて失敗すること。失敗はしたくないから学ぶんですが、だからこそ失敗するべきなんです。

僕も実は、粘るくせに荷物は軽装にしたい派です。

だって実際、颯爽とラン&ガンしたいはずなのに、それができない道具立てなんですよね? それって根底は失敗したくないからです。なので、全力で失敗こいてください(笑)。

タックル制限がある中で結果を出す、陸王で培われた論理

リザーバーなんかで、何分もかけてポイントに到着したものの『うわっ! あのルアー、タックルが必要だった!』ってなったら目も当てられないですよね。でも、そうなったときに考える。

「なんで準備してるときに気付かなかったんだろう?」と。

「二度とこんな失敗はしたくない…」と、強く思います。この失敗で、また1つ強くなる、成長するんですね。まぁ、昭和的と言われればそうなのかもしれません。でも、こう考えるようになったのは、ルアマガの企画「陸王」の影響が大きいですね。

携行するタックルを吟味。取捨選択が難しい状況も多い。

「陸王」のように持ち出しタックルが制限されている中、勝ちたい、釣りたい、大きなバスを仕留めたい、いろんな気持ちがありますが、そればかり思っているときにこそ「必要なものがない!」といった失敗をするし、その結果、見事に負けるわけです。

すると、自分の反省のみならず、外野からもやいのやいの言われますが、それも甘んじて受ける。それが大事なんです。ドMではないですが、もっと言えと(笑)。だからこそ、同じ失敗をしないようになります。頭を強く打てば打つほどしかり。

手持ちのロッドが絞られれば、自ずとルアーも決まる

かつてはテトラ撃ちが死ぬほど嫌いで、そこを避けてきたから決勝でアオキ(青木大介)に負け、それからテトラ撃ちをやるようになりました。スマートなラン&ガンスタイルになりたければ、そのときに最大限に絞り込めるタックルで挑みましょう。

陸王で鍛えられたのが、タックルを絞り込む勇気と必要なものを選び出す選球眼。

もちろんロッド1本。常にそのスタイルで練習をする。ロッドが絞られれば、必然的に持っていくルアーも絞り込まれます。で、現場に立って絶望しましょう。

頭を打ったら、どんなに面倒でも一度戻って考えてみる。それで、正解と思われるタックル1本で再び挑む。それを何回繰り返すか。

いろんなシチュエーション、季節、場所で試してみる。事前にSNSで調べて釣れてるタックル(ルアー)だけを持っていっても、それだとセルフマネジメントはできません。つまりちっとも上手くはなりません。

そもそもそれで釣って面白いの?ってことですが。そういう失敗をたくさんすればするほど、釣り具屋さんに行っても、違う視点でルアーを選ぶことができるようになります。趣味が面白くなるか詰まらなくなるかは、こういうところで決まってきます。

やっぱり自分で選ぶ、探る、工夫するから面白い。そしてもっと考えるようになれば、もっともっと面白くなります。汎用性の高いタックルを使おう! なんて回答は誰でもできるので、ある意味おせっかいモードではありましたが、ぜひ失敗して学んでください。

と言うわけで、keep it 現場スピリッツ!! また来週!

金森さんがズバッと回答!Q&A記事はコチラ

アングラープロフィール

【Profile】

金森隆志(かなもり・たかし)

岸釣りを中心として活動を続けている超人気プロアングラー。レイドジャパン代表取締役社長でもある。


※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。