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チニング伝道師もりぞーさんの定期レポート。今回はフィッシングショーで公開されたシルバーウルフEXのNEWモデルの3機種について語ってもらいました。特にスピニングモデルのEX72ML-Sは、シルバーウルフの新たな可能性を示唆する注目度の高い一品!
●写真/文:森 浩平
大盛況で終わった横浜&大阪フィッシングショー
ルアマガプラスをご覧になっている皆さま。ダイワフィールドテスターとして大阪の淀川をホームに活動中のチニング伝道師”もりぞー”こと森浩平です。
「釣りフェスティバル横浜2025」、そして「フィッシングショーOSAKA2025」が開催されました。ダイワブースへお越しいただいた皆様、本当にありがとうございました! たくさんの方々にお声がけいただき、チニングの輪が広がっていることを実感できるイベントとなりました。
横浜の釣りフェスにシルバーウルフ製品を展示するようになって3年。当初は接客の間隔が長く、「関東でのチニングはまだこれから」と感じていましたが、年を追うごとに接客の間隔が短くなり、話の内容からもやり込み度の高さがうかがえるようになりました。チニングの浸透を改めて実感しています。
また、北関東や東北(日本海側・太平洋側)での釣果情報も増えてきたのが印象的でした。近年の高水温化の影響もあるかもしれませんが、チヌは長距離を回遊する魚ではないため、チニングをする人が増えたことで、その存在が可視化されてきたのではないかと推察しています。
大阪フィッシングショーでは、地元ということもあり、毎年多くの方にお越しいただいていますが、今年は過去イチの接客ペースでした。「今年からチニングを始めました!」という方も多く、新たなアングラーが増えているのを感じました。
また、業者日には多くの量販店様からイベントのお誘いをいただき、チニングの魅力が広がっていることを実感するとともに、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。今年も各地での実釣やイベントを通じて、さらにチニングの魅力を発信していけることを楽しみにしています!
シルバーウルフEXに追加モデル3種類!
シルバーウルフEXの追加3機種が発表されました! この25モデルの3機種について、ダイワオフィシャルサイトやyoutubeチャンネルに併せてこちらでもご紹介したいと思います。
次の動画は、晩秋の東京湾・初場所をオカッパリでのチヌトップ&フリーリグで攻略。シルバーウルフで初めてのスピニング動画で、後半のEX80MB-Sでの釣りも併せてご覧下さい!
さらにこちらはキビレの抜けた秋の東京湾でチヌ狙い。ベイト&スピニングで連発! 東京湾でも壁チヌトップは成立しますね。
シルバーウルフ25モデル共通の変更点
◆メガトップR
『SVFコンパイルXナノプラス』『X45X』『AGS』…、基本的な構成素材は24モデルと同様ですが、25モデル共通の変更点として新たに『メガトップR』を採用しました。
『メガトップR』は、繊維と樹脂が均一に分散するカーボンソリッド『メガトップ』に東レ(株)トレカT1100Gをダイワ独自の製造テクノロジーで組み合わせ、樹脂の領域まで開発を積み重ねた高弾性カーボンソリッド穂先の名称。3機種ともに、この素材を活かすことで、感度の向上とハイレスポンスな操作性を実現したモデルになります。
◆フードナットの形状(小)変更
フードナットの凸凹について、若干ですが丸みを帯びさせる変更を実施しました。これにより、人差し指でフードナットに触れた時のフィーリングが柔らかなタッチ感に向上しています。
超軽量のスピニングモデル【EX72ML-S】
シルバーウルフ上位機種へのスピニングモデル追加を熱望の皆さま、大変お待たせいたしました。従来の概念を打ち破る、新次元のスピニングモデルの登場です。
大阪・淀川や、大阪湾ボートでのテスト風景
過去に自分が携わってきたスピニングモデルのMLアクションは7フィート6インチや7フィート4インチが主流でしたが、今回は7フィート2インチを採用。このレングス設定は、フリーリグの操作性や掛け感といった実釣性能をど真ん中に据えながら、軽量リグやトップウォータープラグの操作性、軽快感、掛け感、さらにはファイトの安定性まで、スピニング・チニングの楽しさを最大限に引き出すための絶妙な設定です。
スピニングのショアスペックというとロングレングスをイメージしがちですが、スピニングロッドの構造特性上、長くなればなるほど強風下での扱いやフッキング時の掛け損ないが増えるため、EXだからこそ実現可能となる、MLとしての実釣性能の最大化を目指してショート化に舵を切りました。
浜名湖でデカチヌをキャッチ。
ショアでの使用をベースに開発したモデルですが、ボートでの使用にも高次元で対応。14gシンカーのフルキャストはもちろん、キャスト先でのバンプ操作後にテンションを抜いた状態からのフッキングもスムーズに行えます。
自重は73gと軽量ですが、「非力では?」「折れない?」と心配される方もいるかもしれません。しかし、EXはパワー・剛性・トルクといった基本特性に加え、軽量高感度を付与したセッティングのため、安心してお使いいただけます。これらの性能を高次元で両立できるのは、シルバーウルフEXならではの構成素材が持つ大きな魅力と言えるでしょう。
東京湾ボートチニングロケ、アーバンツイスターのフリーリグで良型チヌをキャッチ。
掛けと曲がりの高次元の融合【EX72MLB-S】
この機種はズバリ23シルバーウルフAIR72MLB-Sの上位グレードとして開発しました。23AIR72MLB-Sは、L寄りのMLといったパワーランクで、現代のチニングシーンで求められる操作性と「掛け」の要素、そして掛けてからの曲がりを楽しめる、お気に入りのモデルです。
東京湾ボートチニング。トップ&ボトムで大活躍!
そのため、曲がり込みがとても気持ちよく、スリリングで楽しいロッドなのですが、一方で「より小さな入力で曲げ込みたい」というキャストシーン以外では、曲がり込みすぎてじれったさやパワー不足を感じることもありました。
25EX72MLB-Sは、構成素材とバランスの見直しで、AIR72のパワーランクをキープしながらパワー不足を補いつつメガトップRの採用で高感度を付与しました。
大阪湾オカッパリではS字威50S(プロト)でもキャッチ。
接近戦ではEX76MLB-Sが長すぎて扱いづらい、反応が遅れる、かといってAIR72MLB-Sではブランクが潰れすぎてパワーロスを感じて物足りない。そんな悩みをお持ちの方に特にオススメのモデルです!
ハイバランス・ハイパワーの長尺モデル【EX80MB-S】
25EX80MB-Sは、23AIR83MB-Sの上位グレードと思われるかも知れませんが、自分の中では設計思想が異なるロッドです。
23AIR83MB-Sは、ベイトチニングロッド史上、唯一無二とも言えるその有効レングスの長さを活かしたアプローチが武器となる「一点突破系ロングレングス・ハイパワーモデル」とも言える存在です。それに対し、25EX80MB-Sは「ハイバランス系ロングレングス・ハイパワーモデル」として開発を進めました。
AIR83MB-Sの「肉薄太巻き」なブランク構造に対し、EX80MB-Sは「肉厚細巻き」なブランク構造を採用。この構造により、パワーを高めながらもブランク径を細くすることが可能となり、ロングレングスロッド特有の振り抜き時の空気抵抗を軽減。結果としてスイングスピードが向上し、さらなる飛距離の向上を実現しています。特に、強風下での振り抜きやすさは大きなアドバンテージですね。
昨年末の佐賀県伊万里湾への遠征釣行でもEX80MB-Sが大活躍!
『メガトップR』を搭載したことで感度とレスポンスの向上、ブランク径が細くなったことで操作性も向上。有効レングスを3インチ短縮した設計との相乗効果により、7フィート後半クラスの操作性を備えた、よりバランスの取れたショアスペックのハイバランスMモデルに仕上がっています。
私のホームである淀川をはじめとするショアフィールドをメインに、ロッド企画や設計メンバーとアイデアを出し合い、ボートでのテストも繰り返して仕上げた25シルバーウルフEX。各地のフィールドで、皆さまの釣りに取り入れていただければ、この上ない喜びです。
ぜひ、各地のショーや店舗で実際に手に取ってみてください!
【森 浩平(もり・こうへい)】
大阪府在住。アーバンチニングの第一人者で、クロダイ・キビレの年間キャッチ数は年間2000枚を越すことも。ベイトタックルスタイルとフリーリグの有効性にいち早く着目し、この釣りを普及させてきた。愛称はもりぞー。
※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。