【実際に使ってみた】新たな扉が開くリール⁉スピンキャストがバス釣りをもっともっと面白くしてくれる!『MAX X スピンキャスト(アブガルシア)』【不自由なバス釣りもたまにはいいものだ】

バス釣りを始めて一通りのルアー、一通りの釣り方でバスをキャッチしている。バス釣りの何たるかもちょっとわかってきたかな…そんな具合にバス釣りに対して余裕が生まれてきたら、ぜひとも新たなバス釣りの扉を開いてみてほしい。単に釣るだけがゴールでないのもまたバス釣りの魅力だからだ。今回はそんな提案のひとつとして、スピンキャストリールを紹介したい。

●文:ルアマガプラス編集部

スピンキャストリールとは?

ベイトリールとも、スピニングリールとも違う、「クローズドフェイスリール」と呼ばれるタイプのリールのうち、ベイトロッドに乗せるタイプを「スピンキャストリール」と呼ぶ。

スピンキャストリールはその名前の通り、スピニングリールとベイトキャストリールの中間のような構造をしていて、スプールはスピニングリールのように横向き。一方、ラインのリリース操作はベイトリールのクラッチのようなボタンで行うこととなる。

ベイトリールのようにスプールが回転するわけではないのでルアーの重さによるライン放出への影響が少なく、ベイトリールが引き起こすバックラッシュも発生しない。
また、スピニングリールのようにベイルアームを使った動作がなく、ボタンを押して離すのは直感的でわかりやすい。

つまりトラブルレスで扱いやすいリールということで、スピンキャストリールは初心者向けのリールとして紹介されることも少なくなかった。
しかしながら現在は性能の向上したベイト・スピニングが多く出ていることもあり、スピンキャストリールはすっかり見かけなくなっている。

令和の今、新たなスピンキャストリールが登場する

そんな中、2025年にアブガルシアから新しいスピンキャストリールが登場する。

『MAX X スピンキャスト』。

男心をくすぐるこの最新リールは、なんだか初心者用だけに用途を見出すのはもったいない気がしてこないだろうか?

多くの場合、スピンキャストリールは卵型というか、どこか丸っこいビジュアルをしている。

ベイトリールと比較しても比較的大型のボディとなりがちなだけに、パーミング時のなじみを考慮したデザインなのだろう。

しかし『MAX X スピンキャスト』は角ばったデザインで、SF映画やアニメに出てきそうな、近未来の道具を彷彿とさせるのだ。

詳しく見てみよう。

クラッチボタンは大きくレバー的な形状になってているので、非常に押しやすい。

投げる際にはクラッチボタンを押しっぱなしにして投げる瞬間に離すという動作を行う都合上、押し込むようなクラッチ操作よりもロッド側へ抑え込むような操作のほうが感覚的かつ人間工学的にも行いやすいはずだ。

ハンドルは右ハンドルしか選べないが、クランクハンドルになっておりリール全体の重心がばらけておらず使いやすい印象を受ける。また、スタードラグタイプなので、普通のベイトリールと同じ感覚で調整できる点はありがたいだろう。

フロントコーン(フロントカバー)はボディ底面にあるレバーをスライドすれば簡単に外れる仕様。

ライン巻取りを行うピックアップピンは1本(素材は不明)。

ローターはピックアップピンを介してスプールにラインを巻き取るだけでなく、クラッチボタンを押すとせり出し、フロントコーンとの間にラインを挟んで保持すする。そのためローターの先端には柔らかい素材が使用されており、ラインが傷つきにくくなっている。

なお、『MAX X スピンキャスト』には1.5号のナイロンラインが110m巻かれた状態で販売されているので、すぐに使える仕様。オシレーションシステムは搭載していないので、細いラインは食い込みに注意が必要だ。

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実釣性能をチェック!

それでは実際に使ってみるとどうなのか?

アメリカのアングラーは普通のストレートグリップのロッドにスピンキャストリールを組み合わせてトーナメントに出場していることもあるが、個人的にはやはりガングリップと組み合わせた時がカッコいいように思う。

そこで今回は主にオールドのガングリップロッドと組み合わせて使用してみた。

古いロッドと最新リールだが、不思議と組み合わせるとかっこよくまとまって、気分も非常に高まるというものだ。

リールが角ばっているので大き目な印象を受けていたが、実際ロッドと組み合わせるとそうでもなく、おさまりは非常に良い。

標準ラインをそのまま使用しているので、あまり重たいものを投げるのには向かなかったが、3/8オンスのハードルアーから、2g程度のジグヘッドリグといった範疇は問題なく使用できた。

操作そのものはボタンを押してラインを押さえ、タイミングよく指を話すだけと簡単ではあるものの、ほかのリールとはまた違ったタイミングでリリースするため、少し慣れは必要だろう。

ドラグの最大値は高くないが、しっかりと機能してくれていた。

ただし、ギア比が非常に低く(3.0:1)、ハンドル1回転辺りの最大ライン巻取は33㎝とかなり短め。

そのため、ラインスラッグをとってのアワセや巻きアワセがしにくく、ファイトの時間も長くなりがちだ。

しかしながら使っていると、その不自由具合がどんどん面白くなっていく!

アワセがなかなか決まらなくてバレてしまったり、魚がなかなか寄ってこなかったり…。うまくいかないのを何とかしようと工夫を凝らしたり、必死になれたことで改めてバス釣りの面白さを実感できたと思う。

なお、今回は標準搭載のナイロンライン+ダルめのスローアクションロッドを使用したため、アワセにくさに拍車がかかっていたように思うが、ラインにフロロやPEを使ったり、もっとシャキッとしたロッドを使用すれば掛ける動作そのものには何ら問題はないといえそうだ。

ただそれでももちろんギア比の低さは変わらずなので、スリリングなファイトが楽しめることは間違いないだろう(笑)

普段の釣りでは極端な話、いかに道具の存在を感じずに釣りができるか、を求めた道具選びをしているように思う。
しかし『MAX X スピンキャスト』を使っていると、釣りの中心にリールを感じながら楽しむことができるのだ。

バス釣りにはいろいろな楽しみがある。

普段突き詰めた釣りをしているアングラーにこそ、『MAX X スピンキャスト』を使った不自由な釣りを楽しんでもらいたい。

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