
H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回も引き続き「ハリネズミ」の有効なアクションの検証と、定番のミドストで2月下旬の相模湖を探っていく。
●写真/文:大津清彰
長引く寒波とベイトの減少
今回も相模湖にやってまいりました。

暖かい日が何日か続きましたが、その後の冷え込んだタイミングにあたります。最近、寒波が長引き爆風続きです。相模湖の場合、爆風はマイナスに働くことが多く、釣りにくいです。南の爆風の翌日は良いのですが、太平洋側の関東ではそんなことは極めてまれで、寒波≒爆風ということがほとんどです。水温も日に日に落ちていく感じで、一旦桂川筋は9.5℃まで上昇しましたが、7℃位まで水温が落ちてしまいました。
水中の様子は先週と同じような流れで、一旦高まった水温の影響でバスのポジションは春を意識した位置に移動開始。どんな場所かというと、越冬ポジション近くの場所をウロウロしている感じです。具体的に言うと、大曲・秋山川合流点・吉野対岸・勝瀬橋周辺のような場所です。ライブスコープで見る限り、先週から引き続き土バンクやフラットを数匹で回遊するバスを見かけることができました。この場所が毎日少しずつ変わっていく感じです。
ただ、食いません。食わせ方があるのかもしれませんが、私はわかりませんでした。ちなみに周りも釣れていません!どのくらい釣れていないかというと、2月23日に2つ大会があったのですが、合計70名程度の参加者が全員ノーフィッシュというレベルです。先週までは動き回っているバスに当てていくような巻きの釣りでも釣果が出ていましたが、残念ながら今回は散っていてもそこまで活性が上がっていないため食わない!この日は三寒四温の「三寒」にあたっています。例年通りであれば、相模湖はもっと釣れていいはずです。今年は寒波が長引いていることやワカサギの総量が激減していることが要因かと思われます。水温上昇したタイミングや雨といった変化が起こった場合、その反動で火を吹く可能性が高まっていますが、そういったタイミングには遭遇できておりません。
現在の天気予報的には2月26日あたりから最高気温が上昇し、3月3日前後で天候が崩れるのでココのタイミングが表層を含めたベストタイミングになる可能性が高いと考えています。水温も一気に11℃くらいになってくれると大爆発すると思うのですが・・・今の予報ではそこまで上がる可能性は低い?かなと思います。ただ、今週は水温上昇傾向となりやすい週にあたりますので、週末に向けて活性は高まるでしょう。
定番のミドストと、やっぱり釣れる「ハリネズミ」
前回に引き続き、越冬場所のバス総量も減り、春に移動開始し始めたバスの活性も水温低下でイマイチということで、本当に苦戦しました。

ハリネズミ+ワイルドダディで一本!これは49cm1915gのナイスフィッシュ。土バンクにあった木に向かってボトム鬼シェイク。食べてくれました。
そしてもう一本はこの時期のド定番、スーパーリビングフィッシュ4インチのミドスト!45cm1460gのバスをキャッチしました。


まずハリネズミの話ですが、ハリネズミはレイダウンメインで使っていきました。ただ、1か月前のようには食わなくなっています。プレッシャーが影響しているようです。レイダウンのバスはそこに居続けているバスなので、ルアーを見続けてしまうとプレッシャーで極端に食いにくくなってしまうのです。釣果情報が多かったのでアングラーが攻める形になり、結果食わない状況となった感じがします。
それでも3回食わせて1本ですから、まぁハリネズミのパワーは凄いです。スーパーリビングフィッシュ4に関しては、普通に壁沿いにミドストしたら食べてくれました。先日ミドストのキモをXに投稿したのですが、時期的にもミドストは重要なのでここにも記載しておきます。
ミドストのキモは?
その昔、一定層を引くことが重要と言われていましたが、私は全く意識していません。それより重要な事があります。
「挙動を安定させながら動かすこと」です。
イメージ的にはヘッドの上下動は少なく、ルアーはちょこちょこ動く感じです。不安定なルアー軌道はNG。食べてくれません。※逃がしのような瞬間的に変わる軌道はOK
ルアーのロールはしたほうがいい時と、しないほうがいい時、どっちでもいい時があります。相模湖のようなリザーバーでミドストする時は、さらにカーブフォールさせながらミドストする感じが多いです。中層でパクっと食べてくれるイメージがあるかと思いますが、実際は、カーブフォールしていくルアーをバスが追いかけ、ボトム付近で食べる感じが多いです。クランクベイトを巻いて、ボトムタッチ付近でバイトがある感じに似ています。
【挙動を安定】+【カーブフォール】
この2点を意識しながら使ってみてください。あとは壁沿いにミドストするのも重要ですね。そして相模湖では根掛かりが多いので、必ずナス型おもりの回収機を用意しておきましょう。無いと釣りになりませんw
根掛かりしたらラインにスナップを取り付けおもりを滑らせます。その後ジグヘッドを揺らすようにシェイクすると取れます。この感覚に慣れるとどんどん回収率が上がります!ジグヘッドならば回収率は95%はあるはずです。この手の回収機?はアメリカでも販売しているスグレモノ。用意しておきましょう。

そして実はスーパーリビングフィッシュは4インチが神がかっています!ミドストはスーパーリビングフィッシュ3&4をメインで使いますが、ここ数年は4インチがメインです。実は4のほうがロールしやすく、ジャークしたときの動きも凄い!リビングフィッシュは中空空気層が大きく、水中で光を反射します。ピカピカ光ることでバスを引き寄せるルアー!スピナーベイトのブレードの考えに近いですね。しかもロールした時のテールの動きが考えられていて、後ろから追尾したバスが迷った末に食べる動きが完璧に出ている。まさにミドスト+ロールを表現するために産まれたルアーなのです。
ぜひ試してみてください♪
ここ2週間、釣果が減少傾向にあります。かなり釣果の底を叩いている感じがありますので、後は上向いていくだけでしょう。そのタイミングをつかんだ人が春の良い思いをできるのがバスフィッシング!水温上昇後、天候が崩れる3月上旬にそのタイミングが訪れる確率が極めて高いと私は予想します。
気を引き締めていきましょう。
タックル
ロッド: フェンウィック S-TAV 610CMHP+J
リール:メタニウムDC
ライン: バリバス アブソルートAAA 16lb.
ルアー: ハリネズミ フットボールヘッド10g+リューギ インフィニ3/0+ワイルドダディ
ロッド: フェンウィック ACES 64SULJ
リール:ヴァンキッシュ2500S
ライン: バリバス アブソルートAAA 3lb.
ルアー:スーパーリビングフィッシュ4 + リューギヴェスパ1.3g
大津清彰(おおつ・きよあき)
老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の奇才アングラー。
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