
アブガルシアの普及価格帯リールシリーズ『MAX』の名を冠した新たなスピニングリール。初心者にうれしい値段で買えるのはもちろんのこと、中級者アングラーも納得の性能。そして上級者なら上手く使いたくなるスペックを誇る。釣り入門時の初めてのリールとして。他魚種に挑戦したいときのサブリールとして。誰かを釣り沼に引きずり込む際の撒き餌として(笑)きっと役立つ&活躍してくれるはず。その特徴を紹介していこう。
●文:ルアマガプラス編集部
MAX SX SP(アブガルシア)
製品名 | 自重(g) | ギア比 | 最大ライン巻取(cm) | 最大ドラグ力(Kg) | ボール/ローラー | ラインキャパシティ1 | ラインキャパシティ2 | メーカー希望 本体価格(税抜) |
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Max SX 750S | 173 | 5.2 : 1 | 54 | 2.9 | 6+1 | 2lb-75m | PE0.3-90m | ¥7,400 |
Max SX 1000S | 210 | 5.2 : 1 | 58 | 2.9 | 6+1 | 2lb-100m | PE0.3-120m | ¥7,600 |
Max SX 2000SH | 213 | 6.2 : 1 | 76 | 2.9 | 6+1 | 4lb-100m | PE0.6-100m | ¥7,800 |
Max SX 2500SH | 227 | 6.2 : 1 | 83 | 3.2 | 6+1 | 6lb-100m | PE0.8-150m | ¥8,000 |
Max SX 2500SHD | 238 | 6.2 : 1 | 83 | 3.2 | 6+1 | 6lb-100m | PE0.8-150m | ¥8,400 |
Max SX 3000SH | 241 | 6.2 : 1 | 89 | 6.4 | 6+1 | 6lb-150m | PE1.2-150m | ¥8,400 |
Max SX 3000H | 241 | 6.2 : 1 | 89 | 6.4 | 6+1 | 8lb-200m | PE2-160m | ¥8,400 |
Max SX 4000H | 285 | 5.2 : 1 | 96 | 6.4 | 6+1 | 12lb-180m | PE2-220m | ¥8,600 |
アブスピニングを変えた次世代ボディデザインを踏襲!
アブガルシアのスピニングリールといえば、2015年に登場した『レボMGX』によってその性能が大幅に見直され、2021年に登場したハイエンドモデル『ゼノン』の技術革新によって新たな次元へと突入している。
その『ゼノン』によってもたらされたのが、スピニングリールの外見的進化だ。
近年のスピニングリールの多くがメインギア(フェイスギア)内蔵のためにボディサイズが大きくなりがちだったのだが、『ゼノン』ではその構造を抜本的に見直している。
ゼノン
ギアが内蔵されるボディのデザインを見直すことで、軽量化とコンパクト化を実現したのだ。しかも無駄な体積を削る方向性をとっていたため、ボディ素材を変えることなく軽量化したのにもかかわらず、強度は落ちていない。
ゼノン(左)とレボMGX(右)
それが『左右非対称コンパクトボディ』と呼ばれる設計。
モデルチェンジを果たしたレボにも踏襲されたこの画期的な設計が、『MAX SX SP』にも今回採用されているのだ。
MAX SX SP
もちろん、ボディが小さくなったのならほかのパーツも併せてコンパクトになっていく。それがローターとスプールの「Vローターデザイン」。
細身となったボディに最適なデザインはもちろんコンパクトであり、非常に軽量。そしてこれによりローター部分は低慣性モーメントを実現し、巻き出しの軽さをも獲得している。また、スプールスカートも細くなった「Vスプールデザイン」となっており、こちらも大幅減量に貢献しているのだ。
ローターに見え隠れるする「アブガルシア」ロゴもクール
使用感に直結する機構にもこだわりが
価格がグッと抑えられたMAXシリーズのリールではあるが、『MAX SX SP』が搭載している機構に妥協はない。
例えばキャスタビリティを向上させる「ロケットマネジメントシステム」。
ラインを滑らかかつ均一に放出させるスプールデザインと、滑らかかつ均一に巻き取るためのスローオシレーションシステム、キャスティング時のライン放出形状を調整し、ガイド抜けを向上させるベール角度。この3要素からなる画期的なシステムだ。
ハンドルは低価格帯モデルながらもねじ込み式ハンドルを採用しており、ガタ付きのないかっちりとしたリーリング感をもたらしている。また、この機構を採用するためにはハンドル基部やそれを固定する部分の作りがしっかりとしている必要があるため、必然的にボディの剛性が高いことも意味しているのだ。
ボールベアリングは6個使用しており、各所の回転フィールを向上。滑らかかつ快適な使用感に貢献している。
また、素材的に淡水だけでなく海水にも対応するので、釣りものを選ばず使える点もありたがい。
やりすぎでは?替えスプールも付属!
さらに驚くべきことに、『MAX SX SP』は本体と同じアルミスプールがスペアスプールとして付属!
実は替えスプールは非常に利便性が高い。
例えば2500番のリールを用意したとして、スプールにそれぞれフロロとPEを巻いておくとする。
こうすれば、
フロロを使ってバス釣り。
PEを使ってソルトゲーム。
といった具合に、ラインを巻き替えることなく、1台のリールで2台分の役割を持たせることができるのだ。
もちろん、太さ違いのラインを巻いて同じ釣りものの中でも状況に応じて使い分けたり、まったく同じセッティングを用意してトラブルに対応する、という使い方でも役立つはずだ。
つまり『MAX SX SP』1台あれば、2釣種であればまず間違いなく気軽に楽しめる。
初心者がいろいろな釣りを見越して買うのにも役立つし、普段1魚種しかやらないアングラーが季節的に違う釣りものに挑戦する際にも活躍する。さらには釣り未経験の人に貸出するタックルとしても幅広く活用できるだろう。
実際に1リールで2魚種に挑戦してみた
編集部では、『MAX SX SP』を使い、実際に2魚種に挑戦してみた。
片方のスプールにはPEライン0.6号を巻いてバチコンアジングに使用。
キャスティングはあまりしない釣りだが、アクション動作やフッキングなど、急激な後負荷がかかりやすい釣りだが、ガンガンアジを掛けても使用感の低下は全く感じなかった。
また、口キレ対策にドラグも緩めなことが多いが、しっかりとアジの泳ぎに追従してラインが引き出されていた。
もう片方のスプールにはフロロ4ポンドを巻いてバス釣りに使用。
ロケットマネジメントシステムのおかげでキャスタビリティは快適の一言。
また、コンパクトかつ軽量なボディはキャストやロッドワークなど、動作の多いバス釣りにおいてリールの重さを感じにくいメリットがあるといえるだろう。
ベアリング性能のおかげで巻き心地がいいだけでなくラインローラーの回転も非常にスムーズであり、キャストとファイトを繰り返してもライントラブルが起こらなかった点にも注目したい。
1台で2魚種が快適に釣れる。
しかもスプールを交換するだけで、釣りの内容を明確に変えられるのだから、非常に便利といえるだろう。
決して高くはないリールなのでぜひとも1台購入してみてはいかがだろうか?
きっと役立つ場面に遭遇するはずだ。
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