『相模湖で連発するマグナムクランク術』『おススメタックル論』『O.S.P定番クランク』並木敏成のクランクベイト術

『相模湖で連発するマグナムクランク術』『おススメタックル論』『O.S.P定番クランク』並木敏成のクランクベイト術

T.Namikiこと並木敏成さんが、晩夏の相模湖にクランクベイトオンリーで挑む。満水でカレントがあまり効いておらず、表層にはアオコもあり水質は決していいとは言えない。そんな逆境を跳ね返した、珠玉のクランクベイトテクニックをとくとご覧あれ。
取材協力:秋山川釣の家

●文:ルアマガプラス編集部

profile

並木敏成(なみき・としなり)
日本を代表するプロフェッショナル・バスアングラー。スピーディーに繰り出される正確無比なマシンガンキャストは彼の代名詞だ。2000年にO.S.Pを立ち上げ、数々のヒットルアーをプロデュースしてきている。

T.Namikiの考えるクランクベイト

「クランクベイトは誰が投げても同じ深さまで潜って、同じ振動を発生する。フローティングだから止めれば浮いてくるし、リップがついているから障害物回避性能も高い。トレブルフックがふたつ付いていてフッキングがとてもいいのに、石やウッドカバーを回避しながら巻いてくることができるのは強みだね。ボディが太いからフックをカバーしてくれるんだ。バイブレーションやミノーではなかなかこうはいかない」

「スピナーベイトはフラッシングが強烈すぎて晴天では効きにくかったりするんだけど、クランクはクリアだろうがマッディだろうが、晴天だろうが曇天だろうが食わせる能力をもつ。そして、シャローからディープまであらゆるレンジを攻略できるラインナップがある。つまり、いろいろな状況、いろいろなシチュエーションで手数多く投げていってバスのバイトを効率よく拾っていけるのがクランクベイト。もっともバスフィッシングらしいルアーと言えるね」

関東リザーバーでも一人勝ちできる力技はまだ存在した!並木流『マグナムクランク』術

ブリッツマグナム EX-DR(O.S.P)

未開拓ゾーンへ斬り込む軽快アクションの10mダイバー
大型ボディ&リップでありがなら巻き心地は軽く、1日中引いても疲れにくい。爆発的な飛距離も相まって、キャスティングで水深8mレンジを楽に超える。強すぎないアピール力かつ、ボトムノック中にバランスを崩すことなくボトムとの接触回数が多いのもこのルアーが釣れる秘密だ。

本湖チャンネルラインのブレイクをディープクランクで斬る

狙ったのは10mから7mほどまで駆け上がる本湖メインチャンネルのブレイク。その中でも特にメリハリのある地形変化を、通す角度やコースを変えながら何度も攻めた。実は並木さんはこのスポットにディープクランクを入れるのは初めてだったという。直感の勝利だ。

ニーリングでプラス1.5m潜行させる

ロッドを水中に入れてリトリーブするのがニーリングで、ロッドを入れた分だけ潜行深度を稼ぐことが可能。素早くボトムまで到達させることもできるため、プロダクティブゾーンを長くトレースしたい場合に効果的だ。ボトムノックでバイトが集中するディープクランクには欠かせないテクニック。

ルアーの存在感が強いのでカラーは薄めで

マグナムクランクはルアー自体にアピール力があるので、カラーはなるべく抑えめでOK。ボディが透けるゴーストHFワカサギ、テイスティシャッドなどが並木さんのフェイバリット。
「マグナムに限らず、基本的にクランクベイトはみんなが思っているより弱めなカラーをセレクトするともっと釣れるよ!」

タックル論

ロッド:ブラックレーベルBLX LG 741MHRB(DAIWA)
引き抵抗が強いルアーでもティップが負けず、ディープクランクを快適に巻ける1本。長めのレングスに中弾性のレギュラーテーパーでロングキャストが可能、フッキングもがっつり決まる。「バットにはちゃんとパワーがあるからバスをぐいぐい寄せられる。フルキャストして一日巻き倒しても腕は疲れにくいよ」

リール:IM Z TW 200H-C(DAIWA)
デジタルコントロールブレーキ内蔵のIM Zならトラブルなく大遠投を繰り返すことができる。ボディは剛性感があり、巻き取り能力もパワフルなので、抵抗感が強いルアーでもグイグイとリーリングすることができる。ラインはフロロの12lbまで落とし、潜行深度を稼いだ。

51cm!!

42cm!!

47cm!!

「Crankin’ Technic」
マーカーブイでヒットポイントを見える化

並木さんは1匹めのファイト中にマーカーブイを投入していた。
「ランディングして撮影したりしていると船が流されて、どこでヒットしたかわからなくなっちゃうからね。ヒットした場所がひと目ですぐにわかるようにマーカーブイを入れたんだ」
最新鋭魚探にも勝るアナログテクニック。ヒット中も慌てずその先を見据える並木さん、恐るべし。

バルサ製に迫るアクションを生み出すのがO.S.Pクランクが釣れる秘密

バジンクランク[O.S.P]

O.S.Pクランクの礎を築いたパイオニア的モデル
2000年発売の、O.S.Pクランクベイトシリーズの第一弾。水面直下を小刻みに震えながらスイムするサーフェスクランクで、その実力は今も衰えていない。ボディ内部の無駄を徹底排除し、重心を集中させた設計は、動きの超ハイレスポンス化に繋がっている。

created by Rinker
オーエスピー(O.S.P)

HPFクランク SPEC2[O.S.P]

ウッドを超える実力を持つフラットサイド
強烈フラッシングのフラットサイドは時に大きな武器となる。ハニカムスーパーHPボディと固定重心ウエイトにより高レスポンスかつ安定したスイミングを実現した。また、サイレント仕様でプレッシャーが高いフィールドでも活躍する。フラットサイドクランクの常識を変えた歴史的名作だ。

ブリッツ[O.S.P]

電光石火で浅場を席捲するシャロークランクの完成系
ハニカムスーパーHPボディにボディ外部まで突き出た固定ウエイトで、驚異のハイピッチボディが完成。リーリングのひと巻きめから水を掴んでアクションを開始し、着水ポイントから根こそぎバスを刈り取る。泳ぎ、飛び、巻きやすさ、すべてにおいて死角なし。

ハニカムスーパーHPボディ

理想のルアーアクションを実現する高浮力ボディ
内壁をハニカム状に削り取りとることによって、強度を維持しながら約40%肉薄化。軽量化により浮力を上げてウエイトを一点集中させることで、ハイレスポンス&ハイピッチなアクションを実現させた。O.S.Pルアーが釣れる理由のひとつがここにある。

ラインの使い分け

シャローからミディアムレンジはナイロン、ディープ・障害物まわりではフロロ
ナイロンラインは比重が約1.1なのに対し、フロロは約1.7くらいあり、その比重の違いで使い分ける。「シャロー〜ミドルレンジの一般的なクランク全般をやるならマシンガンキャスト。ナイロン特有の柔らかさがあるからよく動くし、滑らかだからよく飛ぶ。ナイロンは軽いからルアーがよく飛ぶんだ。だから小さいルアーも投げやすいよ。ディープクランクを潜らせたい場合は比重が重いフロロカーボンラインをチョイス。カバーに当てたりする場合もフロロのFCスナイパーを使うね」

フロロカーボンライン
シューターFCスナイパー[サンライン]

ナイロンライン
マシンガンキャスト[サンライン]

使用タックル

ブリッツマグナムEX-DR用
●ロッド:ブラックレーベルBLX LG 741MHRB
●リール:IM Z TW 200H-C
●ライン:シューターFCスナイパー12lb
ブリッツMR、ブリッツEX-DR用
●ロッド:ブラックレーベルBLX LG 731ML+FB(マシンガンキャストtype1も使用)
●リール:スティーズSV TW 100XH
●ライン:シューターFCスナイパー12lb
ダックビル用●ロッド:スティーズ C610MH+ マシンガンキャストタイプ3
●リール:スティーズSV TW 100
●ライン:シューターマシンガンキャスト18lb
ブリッツSSR用●ロッド:スティーズ C66ML マシンガンキャストタイプLV
●リール:スティーズCT SV TW 700XH
●ライン:シューターマシンガンキャスト10lb
タイニーブリッツSR用●ロッド:スティーズ S66UL グレイゴースト66
●リール:イグジスト2505F-H
●ライン:シューターマシンガンキャスト8lb
※ロッドとリールはDAIWA、ラインはサンライン。

並木さんの爆釣劇を動画でも!

※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。