
空いた時間、手軽な漁港で楽しめるアジング。簡単に釣れる釣りと思われがちだが、実は非常に奥が深い。そんなアジングの魅力を、浜名湖をホームとする稲垣文哉さんが解説してくれた。
●文:ルアマガプラス編集部
静かな夜。心躍る釣り。
「今日はどうかな?」
浜名湖でのアジングは、いつもそんな気持ちから始まる。毎回同じように釣れるわけじゃない。昨日は良くても、今日は静かなままかもしれない。
だからこそ、ポイントに立つたびに少しドキドキする。今回の釣行も一晩勝負ではなく、何日かに分けて湖へ通ってみた。
釣れるアジのサイズは、だいたい15センチくらい。手のひらに収まるサイズで、写真を撮ると銀色の体がきれいに光る。大物狙いというよりは、アジングらしい数釣りを楽しむ釣りになる。
浜名湖で釣れるアジは15センチ程度が平均的。
ポイントに入ってすぐ反応が出る日もあれば、しばらく何も起きない日もある。そんな時は無理に粘らず、少し遠くを探ってみる。重さを少しだけ変えて、湖の底の方をゆっくり通してあげると、「あ、いたな」という感じでポツッと釣れてくれる。
この時間帯は、釣れるというより“出会える”感覚に近い。
反応がでないときは、少し遠くに投げて探ってみると釣れることも。
時合い前は、アタリがとても小さいことが多い。ほんの僅かな違和感がロッドに伝わるだけ。
「今の、もしかして?」と思って軽く合わせる。その瞬間、コッと魚の重みが乗るのがたまらなく気持ちいい。強く引くわけではないが、確かに魚とつながった感覚が、手元に残る。
釣り方自体は、特別なことをしているわけではない。キャストしたら、アジがいそうなレンジをイメージしながらカウントを取り、狙った層まで沈める。
そこからチョンチョンと軽く2回アクションを入れ、テンションを掛けたままフォールさせる。その繰り返しだ。いわゆる、アジングの基本的な動かし方になる。
ただ、その中で少しだけ変化をつけてみる。チョンチョンの動きを少し強めにしてみたり、逆に抑え気味にしてみたり。あるいは、アクションのあとにほんの一瞬だけ竿を送って、テンションを抜いてみる。
たったそれだけの違いで、さっきまで反応のなかったアジが口を使うこともある。
しばらくすると、少しずつ状況が動き出す。潮の流れが効き始めると、足元の水面に小さなヨレができ、流れてきたゴミが手前に溜まり出す。そんな変化が見えた頃合いが、ひとつの目安になる。
それまで続いていた静けさが嘘だったかのように、アタリが増えていく。フォール中にコツン、巻き始めにもコツン。
同じルアー、同じ動かし方なのに、反応だけが明らかに変わる。この状態になると、軽量ジグヘッドがとても扱いやすくなる。軽くして漂わせるだけで、アジが素直に反応してくれる時間だ。
アタリはあるけれど慎重に拾っていく時間帯と、キャストするたびに反応が返ってくる釣れやすい時間帯。その違いがはっきりしているからこそ、浜名湖アジングは分かりやすく、そして面白い。
いいタイミングにあたると数釣りも楽しめる。
今回は、そんな釣りの中でベイトタックルでも挑戦してみた。個人的には、ベイトアジングは「効率を求める釣り」というよりも、ベイトでアジを釣ること自体を楽しむスタイルだと思っている。
実際、軽量ジグヘッドを使う場面が多い浜名湖のアジングでは、スピニングタックルの方が無難で、釣りとしても組み立てやすい。
それでも、ベイトタックルで小さなアタリを感じ取り、掛けていく楽しさはまた別の魅力がある。釣果を優先するならスピニング、気分を変えて遊びたいならベイト。そんな選択肢があるのも、この釣りの懐の深さだ。
ワームの色は、今回どの日もクリア系が好調だった。中でも特にお気に入りだったのが、青銀のラメが入ったイワシ系のカラー。主張しすぎず、それでいて光を受けるとさりげなく存在感が出る。迷った時に自然と手が伸びる、信頼できる色だ。
浜名湖の夜は静かだ。風の音と水の音だけがあって、遠くで車の走る音が少し聞こえるくらい。小さな違和感に集中する時間と、明確なアタリを楽しむ時間。その両方を味わえるのが、この釣りの魅力だ。
「今日は釣れるかな」
そんな気持ちで湖に立つ。そのワクワクごと楽しめるのが、浜名湖のアジングだ。タイミングが合った夜には、きっと心に残る一匹に出会える。次の夜、ふと思い出したら、ロッドを車に積んで出かけてみてほしい。
静かな水面の向こうで、また違う表情の浜名湖が待っている。
稲垣さんのアジングタックル紹介
基本的にパリッとしたロッドよりも、やや柔らかめのロッドを好んで使用。日を分けて釣りをした今回の釣行では、その日の気分や状況に合わせてタックルを使い分けた。
ロッド:アブガルシア エラディケーターベイトフィネス EBTC-55ULT-ST
リール:ダイワ 月下美人 AIR TW
ライン:PE0.3号+フロロリーダー4lb
スローテーパーで投げやすく、軽いルアーでもスムーズに飛ばせる。ベイトアジングでも扱いやすい一本だ。
ロッド:インターシュート 幻月環 結 S610ULSC-ti9
リール:ダイワ ルビアスエアリティFC LT2000S-P
ライン:PE0.2号+フロロリーダー4lb
感度もよく、魚が掛かるとしなやかに曲がり、引きを楽しませてくれる。見た目も好きでお気に入りの一本のひとつ。
ロッド:22月下美人EX AGS 74UL-S・Q 絃
リール:ダイワ ルビアスエアリティFC LT2000S-P
ライン:PE0.2号+フロロリーダー4lb
張りがあってロングキャストにも対応。少し広めのエリアを探りたいときや、風がある日にも扱いやすい。不意の大物でも対応できる。
ロッド:ヤリエ シェーラザード SZ-632XUL
リール:ダイワ 15イグジスト 2003C
ライン:PE0.2号+フロロリーダー3lb
ティップはチューブラーで柔らかく、ジグ単だけでなくプラグやジグ、スポーンまで対応できる懐の深いライトゲームロッド。
ロッド:シマノ 24ソアレリミテッドS64UL-S
リール:シマノ 19ヴァンキッシュC2000SSS
ライン:エステル0.25号+フロロリーダー3lb
感度がとても高く、わずかな違和感も感じ取って掛けていけるロッド。最近は出番も多く、気に入っている一本だ。
使用ルアー
・タングステンジグヘッド0.4~3g
ワームはその日その日で追加分けたが、使用頻度が高かったのがレインとツリノのコラボカラー、チビキャロスワンプの「駿河シラス」。個人的に信頼度が高く、まず投げるパイロットルアーだ。
稲垣 文哉(いながき・ふみや)
幼い頃から水辺が身近で、今も浜名湖を拠点に釣りを楽しむ浜名湖育ちのマルチアングラー。珍しい魚やまだ釣ったことのない魚を追いかけるのがマイブーム。ライトゲームを中心に、渓流からオフショアまで気の向くままに釣りを満喫中。ロッドビルディングも趣味で、自分だけの一本を作る時間も楽しむ。
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