釣れなくなったのはライブスコープのせいじゃなくてSNS?スタイルに関わらずバスを大切にする気持ちは忘れずに

釣れなくなったのはライブスコープのせいじゃなくてSNS?スタイルに関わらずバスを大切にする気持ちは忘れずに

2018年にガーミンのライブスコープが登場し、トップトーナメントシーンではすぐさま「これがなければ戦えない」と言っても過言ではないゲームチェンジャーとなった。一般アングラーへも徐々に普及が進んだ現在、僕たちはFFSとどう付き合えばいいのだろうか? 最先端の使い手たちにとってのFFSの現在地は? 昨年開催された艇王グランドチャンピオンシップでもその手腕を披露した松本幸雄さんはどのように考えているのだろう。

●文:ルアマガプラス編集部

profile

松本幸雄(まつもと・さちお)
10代の頃から『タックルボックス』、『ロッド&リール』などのバス釣り雑誌に天才少年として登場。その後、栃木県の管理釣り場でインストラクターとして働いていた。トラウトキング選手権大会でも大活躍し、エリアトラウトの世界では確固たる地位を築く。その後、2017年あたりから三島湖など房総リザーバーへ異常なレベルで通い始め…信じられないペースで50アップを量産。再びルアマガなどの常連となり、バス界で大復活を果たす。ライブスコープも早い段階からレンタルボートに導入していた。1982年、群馬県出身。

FFSに関係なく俺は『魚を引っ張る釣り』で一貫している

FFSとSNS、バスが減った本当の理由とは?

ガチガチのトーナメンターでもプロガイドでもないが、それ以上の頻度でレンタルボートレイクに通う特殊系バスプロ、松本幸雄さん。FFSの導入も早く、その威力を身をもって体験し、また、釣り場への影響もよく知っている。詳しいお話を伺った。

——松本さんがよく行かれる関東リザーバーではどれくらいの人がFFSを装備していますか?

「まだ一部ですよ。高滝湖や津久井湖など魚探が威力を発揮しやすいところは装備率が高いイメージ。でも三島湖とかはそんなに多くないです。土日でもボート屋さん単位で3〜4艇、5%以下。関東リザーバー全体でも10%も行かないんじゃないかな」

——FFSを使う人は少ないとはいえ増えてきて、釣れなくなったと感じることはありますか?

「釣れなくなったというか、釣れる釣りの種類が変わった気がします。FFSがないころから僕は沖をやっていたんですが、当時は魚を引っ張る釣りがやりやすかった。例えば沖の水深3mをクルーズしているバス。かつてはNZクローラーやビッグベイトで浮かせて釣っていたんですが、そういう魚が減ったかな。もともと釣られない魚だったので、デカかった。デカい魚ってみんな写真を撮るでしょう? それで相当死んでしまったと、俺は勝手に思っています」

——FFSに映るバスの様子は以前と比べて変化していますか?

「明らかに映る数は減りましたよ。でもFFSが悪いわけじゃなく、釣り人のせいなんです。今まで釣れなかった魚が釣られているだけで、岸釣りの人も与えるダメージは同じ。あとはSNSかな。FFSよりそっちが原因だと思うな。ライブをずっと使っているとどんどん魚が減っているのが目に見えてわかるので。FFSを使っている人も使わない人も、魚にやさしく、ダメージを少なくしよう、と本当に思います。例えば、熱いデッキに魚を置かないとか、手は濡らしてからバスを触るとか。楽しいからバス釣りをしてるのに、遊び相手が減ってしまうのは誰も得しないですからね」。

ときに電源を切ることも。今後、FFSとどう向き合うべきか?

——FFSを導入してから今まで、松本さんの使い方に変化はありましたか?

「逃しが効きづらくなったかな。昔は2〜3回逃せば『ハッ!』って食べたんですけど。それが今は、かなり高精度に一発で決められる人じゃないと釣れないと思う。サイトと一緒ですよ。昔は川の上流ってサイトの上手な人がやっているから釣るのが難しかったじゃないですか。ライブサイトも上手な人が増えて、見つけても川のサイトと同じような難易度になっている気がします」

——なるほど。それを踏まえて、松本さんのFFSスタイルはどのように変化したのでしょうか?

「俺は一貫して変わらないんですけど、今も『魚を引っ張る釣り』をやってます。川のサイトでもルアーパワーでなんとかなることがあるじゃないですか。でっカブメスとかもそうだし、ハイパークランクやアベンタクローラーRSもそう。ライブスコープを使う前とあんまり変わらないです」

——最近はどんなルアーをよく使いますか?

「フットボールとか、普通のルアーですよ。ライブで釣るルアーはブラインドでもめちゃ釣れるのを選んでいます。あくまでもイメージですけど、ある程度魚を引っ張れて、なおかつ、そのまま食わせられるやつ。バルビュータだったりギーラカンスだったり。引っ張る『だけ』のルアーはもうFFSがあればいらないんです。目で見る必要がないから。逆に、ライブがないと成立しないくらい引っ張る力がないルアーはほぼ使わない。そっちだとたぶん艇王とかで戦う人には勝てないんです」

——松本さんはライブスコープの電源を切ることがあると聞いたのですが、それは本当ですか?

「結構切っていることもありますね。振動子の抵抗が大きいので、船が遅くなるじゃないですか。なので、外しちゃう。居場所もルアーもわかってるのなら、いちいち画面を見るよりも遠距離から投げたほうが早い。そういうときはライブスコープさえ邪魔になります。でも、振動子の音が与える影響を気にしているわけではないです。ぶっちゃけ、房総のレンタルリザーバーは管理釣り場みたいなもので、バスが人に慣れているからあんまり関係ないかな。関西のリザーバーとか人が少ない釣り場では、バスに気づかせないように釣りをしないといけない。それなら電源を切るのが効果的だと思いますね」

——これからFFSを買いたい人もいると思うのですが、何か伝えたいことはありますか?

「初期費用だけじゃなく、維持費も高いぞ、っていうところかな。もちろん使う頻度にもよるけど、振動子は何年か使い続ければ壊れる。振動子だけで20万円以上するでしょう? そのために毎月1万円は貯金しないといけない。でも、競技の釣りをやるなら持っていなきゃいけない。遊びならFFSを積まないで出ることもしょっちゅうあるんですよ。ライブスコープがない時代からやっていると、当時もバス釣りは面白かったじゃないですか。でも、今からノーライブに戻ろうとしても、使っている人がいっぱいいる。だから戻せはしないんですよ、時代は」

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