デカい魚を釣るためには「釣れない」を受け入れる必要がある⁉ハードルアーでビッグフィッシュを狙うための心得とは

デカい魚を釣るためには「釣れない」を受け入れる必要がある⁉ハードルアーでビッグフィッシュを狙うための心得とは

近年難しくなってきているバス釣りでは、状況やタイミング次第ではバス1尾の顔を見ることすら難しいこともある。それでも秋の琵琶湖はその広い懐のお陰で数釣りが楽しめるのだが、大人気琵琶湖バスガイドの杉村和哉さんには、敢えてハードルアーで縛り、デカバスを狙っていただいた。しかしそこで披露されたのは、杉村さんだからこその経験則から導き出される極意だったのだ。

●文:ルアマガプラス編集部

profile

杉村和哉(すぎむら・かずや)
年間ガイド稼働日数は250日にも及び、それをかれこれ15年続けるベテランガイド。琵琶湖においても屈指の人気を誇り、すでに2026年のハイシーズンはほぼ予約完売。その類まれなる経験値を活かした理論派で、パワーゲームからフィネスフィッシングまで幅広くこなす。バスはもちろんだが、雷魚釣りも愛している。1984年6月生まれ。奈良県出身。スポンサー:メガバス、松井自動車整備工場、キサカマーキュリー、レインズ、ハヤブサ、ラインシステム、ウエストマリーナオリーブ、そしてゲストの皆さん。

無限小バスを グッと我慢⋯! 

「数釣りをやりたいといって乗りに来てくれるお客さんも少なくはありません。でもそういった方も途中で飽きて、『デカいの釣れないの?』となることが多々(笑)」。

年間250日に及ぶ日数を湖上で過ごすフルタイムバスガイドの杉村和哉さんは語る。

「晩秋の琵琶湖は非常によく釣れます。いいエリアに入ればワンテンなら2分に1本、4時間やれば120本くらい釣れるかもしれない⋯。でもそういった魚は20cm前後なんです(笑)。だからサイズを狙うとなると…簡単ではないですね」

 かつての琵琶湖といえば、小バスを釣り続けていればサイズも混じるともいわれていたが⋯。

「最近はそれもすっかり難しくなりました。小さいバスは小さいバスでギュッと固まってしまっている感じです。小バスもデカバスからすればベイトフィッシュですから、一緒にはいたくないんでしょう。だからデカいのを狙うなら、小バスが釣れるエリアを外していかなければいけません。とはいえ、それがどこなのかを突き詰めるのは簡単ではありません。とにかく琵琶湖のあらゆる場所に小バスが占拠している状況なので」

ロジカルに釣りを組み立てることが多いバス釣りは、バスからの反応をもとに狙いを絞っていくことがままあるが、秋は逆に釣れてしまうからこそ難しい。

「とはいえ、小バスからの反応がない場所をやるのがデカバスへの近道。加えて、ハードルアーを使うことで、その爆発力が効く瞬間が必ずあります」

まずはマリーナから出船してほどないディープエリアでマグナムディープクランクのドラッギングからスタート。水深12メートルにあるオダや沈船にじっくりと通していく。

「大きいハスがウィードエッジやディープに入り始めているので、そのタイミングと重なればチャンスがあるとは思うのですが⋯」。

しばらく続けたが反応がないため、東岸に移動。北上しつつ、要所をハードルアーで釣っていく。杉村さんの戦略通り、途中で小バスからの反応はほとんどない。いくらでも釣れるという冒頭の話が嘘のようだ。

そして出船から3時間。すっかり日が昇りきったころ、沖ノ島の北部で杉村さんの愛竿ICBMが弧を描いたのだった⋯!

釣り始めはウエストマリーナオリーブから出発して5分程度の小野沖のエリア。水深12メートルラインに沈んでいるオダや沈船をBIG︲Mのドラッギングで狙うが、このエリアは不発だった。

晩秋は比較的天候が荒れがちとのことだが、幸運にも取材時には穏やかな秋晴れが広がった。風や波もないため、杉村さんは北湖を北上しながら釣っていく戦略を立てた。

敢えて釣れない場所へ 精神力が試される秋のデカバスハント

ロックエリア × マグナムディープクランクで ファーストフィッシュ!!
ファーストスポットから何か所か回り、様々なハードルアーを試したものの、無反応か小バスのみ。そして沖ノ島の北側にて再び投入したBIG-Mのドラッギングで45cmがヒット!水深8~9メートルエリアに大きな石が点在する天然の漁礁的なゴロタ場でのロングファイトを制した!! 

BIG-M7.5(メガバス)
TACKLE
●ロッド:デストロイヤー F7.1/2-90X ICBM レイクビワロング ディスタンス(メガバス)
●リール:バンタム(シマノ)
●ライン:ザルツ バスハード16lb(ラインシステム) 

北湖のスーパービッグバスを 狙える巨大弾頭 
全長114ミリ、重さ2.1/8ozの巨大ディープクランク。キャスティングで7メートル以上。ドラッギングを駆使すれば12メートルレンジにも到達する。杉村「北湖のディープにいるスーパービッグに口を使わせることのできる横の釣りがこれです。タフコンディションの魚も狙える。マグナムディープクランクは間違いなく、琵琶湖の釣りの1ジャンルです。キャスティングならガンガン巻いて、オダや漁礁などに当てて浮かせてのメリハリをつけたアプローチ、ドラッギングなら狙ったストラクチャーにコツコツ当てて引いて使います」。かなり巨大なルアーなので、そのロッドにも杉村さんのこだわりが現れる。「デストロイヤーのF7.1/2-90Xという9フィートのロッドです。岸釣りで大遠投させるためのロッドですが、BIG-Mのようなマグナムディープクランクの遠投にも相性がいい。とにかく遠くに投げたいですからね。このタックルで投げればキャストでも8メートルくらいまでは攻められますよ」 

琵琶湖の定番ハードルアー 

琵琶湖ガイドならだれでも 持ってる⁉ 超定番ディープクランク
ディープ X300(メガバス) 

杉村「ディープクランクといえば! のディープX300は4メートルレンジを狙えるクランクです。キャスティング時には重心移動がテール端まで移動してよく飛び、潜っていく際には鼻先までウエイトが移動して急潜行、そして一定レンジを泳ぐ際にはウエイトがボディ中心よりに移動し、ロールアクションを発生。このロールによって中層を泳がせてもより深いレンジからデカい魚を食いあげさせることができるんです。琵琶湖ではウィードカットをよくするので、先調子のデストロイヤーオロチX10 F5-70XTベアリングダウンを使います。オロチのブランクスなのでよく曲がるのもポイントです。とにかくキャスト飛距離を出したいので、リールはDC搭載がおススメですね」 
TACKLE
 ●ロッド:デストロイヤーオロチX10 F5-70XTベアリングダウン ●リール:アンタレスDC(シマノ) ●ライン:ザルツ バスハード16lb(ラインシステム) 

リベンジマッチで ゴーマル降臨!!

BIG-Mでのキャッチ後はシャロ―エリアに焦点を当てて展開。水面までウィードが繁茂するエリアではバズベイトのジャマイカボアJr.を巻き、彦根のウィードエッジや取水塔周りにはディープX300やバイブレーションXウルトラ、ワンテンを投入していく。

ところがというか、やはりというか、水深の浅いエリアでは明らかに小バスの反応がいい。そこで少し沖に出て、地形変化が絡むエリアにワンテン+1を投入したところ、早々に答えは返ってきた。

「ここ最近のガイドでも入っていましたが、なかなか釣れないエリアでした。つまり小バスがいない場所なんです」

1バラシの後に即リベンジマッチに成功したのは最高にコンディションのいい50cm! 小バスを避けるという、まさに戦略通りの1尾。そしてハードルアーが故の爆発力の一端を見せつけてくれた。

「最近の琵琶湖はかなりワームの釣りが強いですし、安定して釣れますけど、ハードルアーの釣りがハマっているときって、ワームでは追いつけないほどの釣果になることがありますからね。効率よく、コンスタントに釣れ続くことも少なくありません。例えば以前、V9というスピナーベイトを使って40アップ50アップを連発したことがあります。でもその時はソフトベイトを同じ場所に投げても何の反応もなかった。これだけソフトベイトの種類が多く、釣れるとされるいまでもハードルアーがなくならないのって、クランクベイトでも、バイブレーションでも、ジャークベイトでも、爆発的にハマる瞬間があるからなんですよ」

釣ろうと思えば 釣れるが⋯

取水塔周りなど、マンメイドストラクチャー周辺でワンテンを使うと、1投1匹ペースで反応が得られるものの、やはりサイズは出ない。杉村さんのいう「小さい魚はとことん集まっている」を実感する釣果だが、これはこれで楽しいので、ガイドのお客さんには喜ばれることも。

ワンテンで釣れた小バスが食べていたのは10cmほどのハス。まさしくワンテンとはマッチ・ザ・ベイト。ハスの泳ぐスピード感をバスが意識していることもあり、スローダウンではなくファストムービング系ルアーが有効なタイミングとなっているようだ。

バラシ直後にゴーマルキャッチ!!
小バスの反応を避けて移動して間もなくワンテン+1にヒットしたものの即バレ。そこで針先が甘くなっていたフックを交換した2投目に再びヒット!上がってきたのはブリブリのジャスト50cm!! この後にもしばらく投げていたが、小バスからの反応は皆無。杉村さんの理論通りの釣果といえるだろう。

ワンテンシリーズ (itoエンジニアリング) 

●ロッド:F4-65tix ワンテンスティックエヴォルジオン(itoエンジニアリング) 
●リール:スティーズSVTW100H(DAIWA) 
●ライン:ザルツ バスハード16lb(ラインシステム) 

キング・オブ・ジャークベイトは 琵琶湖でももちろん活躍!

「基本的には着水後に一端巻いてレンジまでいれて、2トゥイッチ1ポーズで使います。ポーズ時間は短めでOK。リップの長さが異なる+1、+2、+3まであって、狙いたいレンジに応じて使い分けたりもします。特に秋に顕著ですが、目の前を通すと小バスが反応しがち。食いあげさせるよう、下のレンジのバスにアプローチできると、デカい魚が反応してきますね」
 +1~+3までのロングビルモデルはクランキングでも使用。「状況的にクリアアップしているのであれば、クランクベイトの代わりにワンテンを使うことも少なくありません。その時はジャーク&ポーズではなく、ボトムを適度にタッチさせるようにただ巻きでそれこそクランクベイトのように使います。ちなみにワンテンR+2なら水深1.5メートル前後のボトムをとることができますよ」

当たりを減らす

小バスからの反応がとにかく多い取水塔エリアを離れ、やってきたのはハンプにウィードが絡むエリア。テンポの良い2トゥイッチ1ポーズの繰り返しで広く探る。杉村さんのトゥイッチは非常に優しくソフト。ワンテンなら楽な操作でキッチリと泳いでくれるうえに、専用ロッド(=ワンテンスティック)がよりオートマチックに魅力的なアクションを発生させてくれる。

2匹目のドジョウを狙え!

杉村さんの経験則では、50cmを超えるような大型バスもスクールで泳いでいるという。そのため、1尾バラしても周りのバスを狙うチャンスがあるのだとか。杉村「ガイドのお客さんで二人組だと、片方がファイト中に『おお釣れた釣れた! いいサイズ! 』と釣れていない側は応援に回りがち(笑)。でもすぐに投げてくださいといつも伝えています。いいバスが釣れる場所には絶対まだ同じような魚がいるはずですからね」 

琵琶湖の新定番!?

アイブレイク (itoエンジニアリング) 
ストラクチャー周りからバスを引っ張り出すのに使うビッグベイトだが、最近の杉村さんのトレンドがコレ。杉村「アイブレイクは非常に優秀なビッグベイト。リップ付きやS字系に対してバスはさすがに見慣れてきていますが、いわゆるi字系ビッグベイトはまだまだ琵琶湖バスに対して有効です。  [写真タップで拡大]

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これぞハードルアーの爆発力!!

59cm!! 3760g!!

BIG-M7.5で 有終の美!!

日も傾き始め、いよいよ取材時間終了が近づいてきた。北湖を彦根方面まで移動し、沖ノ島まで戻ってきた杉村さんは、最後のエリアとして朝イチに入った小野沖のディープエリアにやってきた。狙いはオダ&沈船狙いのドラッギングだ。

「ここはメインチャンネにオダが絡むでかバスの高実績エリア。これまでにも記録級の魚が良く釣れています。朝はダメでしたが、ラスト、ここに賭けてみましょう」

朝同様BIG-M7.5を軽く投げ、GPSを頼りに狙いのオダを通すようドラッギングしていく。そしてその1投目。

「当たった⋯」

そうつぶやいた杉村さんは素早くラインスラッグを巻き取り、ICBMがこの日2度目となる美しい弧を描いた!!

「バスや! これめちゃくちゃデカ!! フッキングは決まってるよな⋯⁉ くーっめちゃくちゃ引く!! 」  

ドラッギングという釣りの都合上、魚との距離がかなり遠いため追い合わせは必須。琵琶湖歴の長い杉村さんをもってして必死になるファイトの末に上がってきたのは、あわやロクマルかという、琵琶湖らしい見事なビッグバスだった!!

「デカいよー!! ガイド長いことやってるけどやっぱりこのサイズは嬉しいよ⋯。ロクマルなかったけど(笑)」

小バスだらけの琵琶湖において、狙ってデカバスをキャッチする。決して容易ではないこの釣果は、やはりハードルアーの爆発力、転じて魚からの反応が得られるエリアを我慢する精神力、この2つをもってして得られたものに違いない。しかしこの二つは決して難しいことではなく、非常にシンプルで真似もしやすいだろう。ぜひともホームフィールドで試してみていただきたい。

BIG-M7.5(メガバス)

ラストチャンスにと、朝イチに入ったエリアで再びBIG-M7.5のドラッギングを試すとついに…!50メートル以上のロングファイトの後に上がってきたのは、惜しくもロクマルに1cm届かない59cm!! それでも小バスを避けるエリアで琵琶湖北湖らしい魚が飛び出したのは、まさしくハードルアーの爆発力が故といえそうだ。

杉村さんの奮闘は動画でもチェック可能!

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