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【最後の作…のつもり⁉】菊元俊文渾身のロッド『オライオン』に込められた想い

【最後の作…のつもり⁉】菊元俊文渾身のロッド『オライオン』に込められた想い

数値やスペックだけでは語れない答えがある。長く釣りを続けてきたからこそ辿り着いたロッドがある。コンバットスティック オライオンは、菊元俊文さんの思想と経験を凝縮したシリーズだ。その現在地と、新たに加わる2本の意味を紐解いていく。

●文:ルアマガプラス編集部

profile

菊元 俊文(きくもと・としふみ)
1997年JBワールドシリーズ初代チャンピオン。トーナメントの一線を退いてからはエバーグリーンの開発を精力的に牽引し、取材では『ドラマのある一本』を狙う釣りを体現。ビッグベイトをはじめ、強い釣りをムーブメントへと昇華させてきたブームメーカー的存在。

集大成としてのロッドシリーズ、その性能

エバーグリーンの最上位クラスのロッドとしてシリーズ展開されているコンバットスティックORION(オライオン)。その開発は、菊元さん自身の強い覚悟から始まっている。

「このシリーズは、自身としても最後の作品のつもりで作った竿ですね」。

オリジナルコンバットスティック、ヘラクレスと続いてきたロッド開発の流れの中で、ORIONは、菊元さんの思想と経験を最も色濃く反映したシリーズとして展開されている。

「年齢的にも自分の釣りを全部詰め込んだロッドを作りたかった」。

ORIONという名はオリオン座に由来するが、読み方にもこだわりがある。

「オリオンとも読めるけど、ニュアンスとしてはオライオンの方がしっくりきた」。

ブラックシャフトを基調に、ロゴ、ネーミング、シンボリックなイラストまで含めて構築された世界観は、性能だけで完結するものではない。

「ロッドってさ、性能だけじゃなく、世界観も含めて一本の作品だと思ってる」。

オライオンが他のシリーズと一線を画すのは、その立ち位置にある。競技や流行に左右されるのではなく、長く使い続けられること。

「一時的に流行って終わる竿は作りたくなかった。何年経っても、これで釣りしたいと思えるものにしたかったからね」。

そのため設計の軸となったのが、高次元な釣りを、いかに楽に続けられるかという思想だ。

「いかに高次元なことを、フィジカル的に楽にやり続けられるか」。

軽さについても、数値ではなく実釣感覚を重視する。

「竿単体のg数じゃなくて、リールを付けて、ラインを通して、ルアーを付けた状態で持ったときに『軽い』『楽だな』って感じられることが大事」。

その考え方は素材選びにも明確に表れている。

「素材ありきで作ってるわけじゃない。やりたい釣りがあって、それに合う素材を選んだ結果」。

オライオンの先行デビュー機種となった打撃系の中核を成すT1100Gカーボンは、軽さと張り、しなやかさと反発力を高次元で両立する。

「軽すぎて不安になるロッドは好きじゃない。必要なところだけネジレに強くしている」。

さらに『自身にとってのハイエンドであること』そのものにも意味を持たせている。

「いいモノを作ろうと思ったら、どうしてもコストはかかる。でも、それを妥協して中途半端なものにはしたくなかった」。

所有すること自体が、釣り人としての節目や到達点になる。その存在価値もまた、オライオンだ。

菊元さんにとってオライオンは、単なる高性能ロッドではない。これまで積み重ねてきた時間や経験、釣りに対する向き合い方そのものを形にした存在だ。

「この竿を使うことで、無理をせずに、でもちゃんと結果が出る。そういう釣りをしてほしかった」。

若い頃のように力任せで振り続ける釣りではなく、年齢や体力の変化を受け入れながら、釣りそのものを長く楽しむ。そのための選択肢としてオライオンは用意されている。

性能を誇示するための道具ではなく、釣り人が過ごしてきた時間に寄り添う道具。その思想が、シリーズ全体を貫いている。

ロッドをアイコン化
各機種にサブネームと象徴的なマークを与え、役割や世界観を明確化。型番だけではなく、シリーズ全体をひとつの物語として成立させるための重要な要素となっている。もちろん菊元さんがひとつひとつデザインしている。

最初からゴンザレス!
名称未定62L-STモデルでのファーストフィッシュ。釣れるロッドを体現した1本。機を貪欲に逃さないのも菊元さん流だ。

新作2本が示す、オライオンの現在地と未来

2026年モデルとして登場する新作の1本がオライオンシルヴァ。開発の出発点はディープクランキングだった。

「とにかく投げないと始まらない釣りだからね」。

一般的なクランキングロッドとは異なり、シルヴァは打撃系と同系統のマテリアル、T1100Gカーボンが採用された。

「遠くても深くても感度と貫通力が必要になるので、従来のクランキングとは別の釣りになる。だから素材もこっちの方が合うんじゃないかと思った」。

ロングレングスながらテーパーはレギュラー寄りに設定。

「フルスイングしなくても、七分、八分くらいの力で振ると自然に飛んでいく。それが一番楽ですね」。

投げ続け、巻き続けるディープクランキングにおいて、身体的負担を軽減する設計でもある。

その一方でシルヴァは用途を限定しない。河川の流れの中でのノーシンカー高比重ワーム、ヘビキャロ、ライトフリップ。

「ここまで届いたら食う、という距離がある。そこに届かないと釣りが始まらない」。

長さとバランスが生む遠投性と感度、そして操作性が、釣りの幅を自然に広げてくれる。

もう1本の新作は、6ft 2inのソリッドティップを備えたベイトフィネスモデル。意外性はあるが、菊元さん自身は確かな手応えを感じている。

「今年(25年)は、そのロッドだけで50本くらい釣ってるわ」。

ライトアクションのティップに対し、バットはミディアム相当の粘りを持たせた設計で、フリーリグやカバーネコ、ライトウエイトのカバー撃ちを主眼に置く。

「いわゆるベイトフィネスだけど、その究極系。釣りのテンポも良くなって精度も高くなる」。

スピニングで行っていた繊細な釣りを、ベイトでハイテンポに展開するための1本だ。

オライオンは、修行したい釣り人に向けたロッドではない。

「体力があるうちは、重たいロッドで経験を積むのもあり。でもオライオンは、長く釣りを続けるための道具だと思ってる」。

体力とは無関係に、ストレスなく高次元の釣りを続けるための選択肢がオライオン。それこそが、ハイグレードロッドの使命だからこそ、一度手にした者は、シリーズで揃えたくなるという。

「年齢を問わず、まず1本って持ってみると、オライオンで揃えたくなるという人が多いね」。

性能、思想、世界観。そのすべてを束ねたオライオン。新たに加わる2本は、その完成度をさらに引き上げる存在となる。

数値やスペックでは語り切れない感覚や価値を、実釣を通して積み重ねてきた。そのすべてが、このシリーズに息づいている。

楽に、高次元で釣る。菊元さんが辿り着いたバスフィッシングの答えは、ここにある。

2026オライオンNEWカマー①
OCSC-79MH シルヴァ

ロングレングス、ミディアムヘビー、レギュラーアクションを採用。軽く振り抜くだけで遠投性能を発揮し、ディープクランクやシャロー~ミドルクランク、バイブレーション~ヘビー系リグまで幅広いルアーを高精度に扱える。曲がる前のシャキッとした感覚と張りのある反発力で感度・操作性にも優れ、深場の底質や障害物の感触も的確に捉えられる設計だ。

DATA●全長:7ft 9in●継数:2●パワー:MH●適合ルアー:3/16-1.1/2oz●適合ライン:10-25lb●価格:9万6800円(税込み)

2026オライオンNEWカマー②
62L-ST 名称未定

軽快な操作性と繊細な感度を両立する62L-STは、ライトリグやスモールベイトを自在に操るために設計されたベイトフィネスロッド。ソリッドティップが微細なアタリを確実に捉え、バット部の粘りがフックセットとファイトを安定させる。スピニングに頼りがちな状況でも、ベイトでテンポよくテンションを保ちながら展開できる菊元流の思想が詰まった1本。

DATA●全長:6ft 2in●継数:1●パワー:L●適合ルアー:未定●適合ライン:未定●価格:未定●発売予定:2026年

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