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デカいバスにはデカいルアー。山田祐五が貫く「不滅の法則」と、凍てつく湖上のリアル

デカいバスにはデカいルアー。山田祐五が貫く「不滅の法則」と、凍てつく湖上のリアル

水温は一桁台まで下がり、バスの活性も最低まで下がった真冬の琵琶湖。「やっと釣れなくなった」。そう嬉しそうに話すのは北の鉄人こと山田祐五さん。1月下旬の実釣から見えてきた、リアルな冬、そして早春の攻略テクニックを紹介しよう。

●文:ルアマガプラス編集部

profile

山田祐五(やまだ・ゆうご)
1980年、岐阜県生まれ。もはやベテランの域に達した、琵琶湖・湖北を根城にするプロガイド。ジャイアントベイト、アラバマ系、ライトリグなど、でかバスを釣るためには手段を選ばない。ガイド中、ゲストに5本で25kgオーバーを釣らせたこともある。デプスプロスタッフ。

「釣れなくなった」の意味

「やっと釣れなくなった、って感じですね」。

朝、霜に覆われたバスキャットで準備をしながらそう語る山田さん。ただ、単純に寒くなったから釣れなくなった、というわけではないらしい。

「水温は下がり切ったんですけど、まだウィードが結構残ってて、バスが散っている。それなのに活性だけ下がっているみたいな感じですね。ウィードがなくなっていれば、普通にマンメイドとかでそんなに苦労しなくても釣れるかなっていうイメージはありますけどね」。

そんなこんなで、凍ったボートが溶けるのを待っていたらあっとういうまに8時過ぎ。本格的に実釣を開始する頃にはだいぶ日が高くなっていた。

「魚礁からやります。魚礁が一番いいですわ。でっかいヤツおるし」。

まずは大浦湾にある魚礁にて、スウィートキラー210をキャスト。デッドウォークと呼ばれる連続首振りアクションで探る。その後、アラバマ系を投げるも⋯。

「全然ビッグベイトの方が反応いいっスね。釣れそうだぜ」。

そう言い残して、海津の魚礁へと向かった。 

なぜ「横の動き」なのか?

「やっぱり横の動きが反応がよかったですね」。

さて。取材が終わったあとの山田さんのコメントがこれだった。今の琵琶湖北湖の釣り方を紐解く上で重要なキーワードになる可能性があるので、まず先に「横の動き」の説明をしていただこう。

かつての山田さんはこの時期に横の釣りだけでなく、ネコリグのボトムシェイク引きも多用していた。しかし、今回は一度も投げることはなかった。なぜか? 「確かにボトムのネコリグはあんまり使わなくなったな。ボトムでもジグヘッドの方が多くなりましたね。それに関しては、エビが減ったのが大きい気がします。以前はどこで釣ったバスも大体エビを吐いてたんです.でも今は小バスでも小魚を吐くんですよ。まったくいなくなったわけじゃないけど、明らかに北湖のバスの食性が変わった」。

さて、時間を海津の魚礁へ戻そう。 「魚はめっちゃいるけど微妙ですね。先行者がやっていた魚礁直撃じゃなく、近くのブイから魚礁に垂れているロープを狙います。プロトのフリルドシャッド5.7inのホバスト、結構いいですね。レンジキープがしやすい」。

程なく、スウィートキラー210に最初のアタリがあったが乗らず。外ヶ浜の浚渫跡エリアまで移動した。ここでも同じくスウィートキラーのデッドウォーク開始。すると⋯。

「あー、また当たった。ハムハムするんですけどそれだけっス」。

ここで、浚渫跡の掘り残しであるハンプの上に生えたウィードを狙ってアラバマ系をキャスト。すると⋯。今度こそロッドがぶち曲がった!

「まあまあいいっスよ」。 

余裕たっぷりのファイトからバカでかいネットに巨大なバスが収まった。いつものことだが…まあまあどころではないぞ。

大浦湾のファイブオーシャンマリーナにて、朝の気温はマイナス3℃。ルアー、ロッド、魚探、すべてが凍っていた。湖上に出ても凍ったままなので、リールを琵琶湖に突っ込んで強引に溶かして…いざ、でかバスハント開始!

浚渫跡エリアのハンプに生えたウィードのツラを通すようにアラバマ系を引くと、魚探に映っていなかった魚が下から突き上げてきた。余裕の10lbオーバーだった。 [写真タップで拡大]

61cm、4820g。これが北湖のマッシブフィッシュ! [写真タップで拡大]

アラバマ系の釣り方・令和8年改訂版

「ハンプにウィードが50cmくらいの高さで生えているところの湖流の当たる側へアラバマを通したら下から食ってきたっス」。

水深3mくらいの掘り残しのハンプに生えたウィードのツラギリギリをゆっくり巻いたらライブスコープに映っていなかった影がルアーに襲いかかったそうだ。 「あのレンジのウィードなんでたぶんフナを食ってるヤツですよ。魚探には映らないけど、結構フナを食いにきてる」。

アラバマ系というとかつてはオープンウォーターで使うイメージがあった。しかしライブスコープの登場以後、沈みモノを正確に狙ったり、カバーの中に入れたりと、ほとんどの場所で使えるようになったという。では、改めて基本的な使い方を聞いてみよう。 「アラバマはそのボリュームを利用して遠くからバスを惹きつけて食わせるルアーです。例えばジグヘッドリグだとバスを浮かせられないことも多いですが、アラバマはビッグベイト並の集魚力があるので、長い距離を追わせて食わせるみたいな使い方ですね」。

ーー巻くスピードや食わせるアクションはどうですか?
「スピードはゆっくりがいいです。その方が食わせたい瞬間に緩急をつけられるんで。あとは、スピードを上げて逃す、岩やボトムに当てる、その2択くらいですね」。

魚探で見ていると、バスが居そうな場所よりも上の方を引いていましたよね? バスからの射程距離はどれくらいですか? 「僕は冬場だと2mくらいですね。反応が悪い場所は50cmとかスレスレを通すこともあります。助走をつけさせて食わせるのが基本ですね」。

山田さんが愛用するアラバマ系、アリュール。無理なく簡単に折りたたむことができて、ボート上でも省スペース、トラブル防止に役立つ。

冬場は2m上が基本 山田さんはバスが居そうなポジションから2mほど浮かせて巻くことが多かった。同じレンジを直撃するよりも上を通した方がデカいバスが釣れるらしい。下から助走をつけさせることで、「ここまで来たんだからただでは帰さないぞ」…というやる気にさせるのだろうか。

アリュール(TRM)+ヴァラップスイマー4.2in(ボトムアップ)+フリルドシャッド4.7in(デプス)
山田さんのアラバマセット.内側にはシャッドテールのヴァラップ、外側はフリルドシャッドという陣形。ジグヘッドは1.8g。浅めからディープまでこれでやってしまう。

ビッグベイトは中層のカバースキャット?

この日、何度かアタリがあったスウィートキラー210のデッドウォーク。冬から早春の定番の釣り方だが、なぜこの時期にビッグベイトが効くのだろうか?

「あれだけゆっくり追わせられるルアーはあんまりないです。弱い首振りみたいなアクションなんですけど、移動距離が少なく、ゆっくりも早くもできる。今日は4回アタった。なんで乗らんのやろ? ケツをハムハムと噛むみたいなバイトでしたね」。

ーーでは、釣るための動かし方、リズムなどを教えてください。

「水中で首を振らせるのですが、フワッとゆっくり動かした方がいいときと、強弱をつけてキビキビと動かした方がいいときがある。ゆっくりな時はパーン⋯パーン⋯くらい、速いときはパーン、パーン、くらい。どちらか試してみて、バスが付いてくる方をやった方が釣れますね」。

ーー深いところまで使えますか?

「10mは余裕でいけますね。クラッシュ9とかだと15mもいける.ラインを沈めればいいだけなんで。カバースキャット的な感じでラインを沈めてみてください。今日もこの釣りで何本か獲れると思ったんですけどね」。

スウィートキラー210(デプス)
付け替え可能なリップとテール付きのジョイントビッグベイト。ただ巻きでもデッドウォークにも対応する。デプスwebメンバー限定ルアーだ。 [写真タップで拡大]

スウィートキラーは腹部に鉛シールを貼って浮力を調整していた。貼る位置と重さで潜行姿勢もある程度調整できる。 [写真タップで拡大]

ミドスト・ホバストの違いとは?

最近、食性の変化からかボトムの釣りの威力が低下するにつれ復権したのがミドスト・ホバスト。 「湖北はジグヘッドスイミングの発祥の地だけど、昔はここまで1年中使うってあんまりなかったです。フォールとかもほとんど食わなくなったし、横の動きの方が年間通して釣れるようになっちゃったんですよね」。

それだけ今のでかバスが横の動きに興味を示す、ということでもあるだろう。

「やっぱり体力あるヤツの方が横の動きのルアーを追うんです.釣れるサイズが選べます」。

ーー近年はホバストも使用率が高まっていますよね。ミドストと何か違うんですか? 

「僕も最初は一緒かなって思ってたんですが、やっぱりちょっと違う。ホバストの方が水押しが強いっスね。バスを上まで浮かせる力がある。ラインアイの位置がちょっと後ろに下がっているので、上下で水を押すんです」。

なお、ホバストの方が浮かせる力が強いため、アラバマ系同様、冬場はバスのポジションから2mほど距離を空けるそうだ。

フリルドシャッド4.7in(デプス)
ミドスト仕様

 2.6gのジグヘッドに加え、1.8gのネイルシンカーを刺していた、変則ミドスト。ボトストにも移行しやすいセッティングになっている。ホバストとは逆に、スピードを使ってバスにスイッチを入れるならミドストに軍配が上がる。 [写真タップで拡大]

フリルドシャッド5.7in・プロト(デプス)
ホバスト仕様

ホバストセッティングだと、上下にも水を押しやすく深い場所のバスにもアピールしやすい、と山田さんは考える。フリルドシャッドはさらに襟巻きの抵抗もあるため、水押しが強くレンジキープがさせやすい。これは2.7gのネイルシンカーを使用。フックはDストライカータイプホバー(ハヤブサ)。 [写真タップで拡大]

ジグヘッドのズレ防止に、瞬間接着剤をワームキーパーに塗っていた。これが一番確実だという。 

伊崎寺にて。8月1日に行われる「棹飛び」という行事でよく知られている。岩に引っかかったスライドスイマー300を巨大なバスが間近で見ていた。

永遠不滅の法則、デカいバスにはデカいルアー

やっぱアラバマでしか食わん魚がおるんでね 「すんなり入れた。珍しいですね」。  ロクマル捕獲後、珍しく沖島まで南下してきた山田さん。冬場はよく釣れるせいか、ボートも多い。まずは北面のやや沖にボートをつけた。狙いは?

「ベイトがいるところですね。他のエリアは全然ベイトがいないんですけど、沖島にはいる。ちょうど2時なんで時合いですわ」。

水深13mほどにある沈みモノを狙って、ここでもアラバマ系を投入。中層を引いても食い切らなかったので⋯なんとボートをほぼ真上に定位させ、シェイクを始めた。すると⋯。

「来ました。ニゴイかな⋯いや、バスやった」。

と、またまた余裕のファイト。10秒くらい中層で誘っていたら食ったそうだ。深い場所限定のアラバマ系テクだ。 「あんまり浅いところだと魚にバレちゃうんですが、ある程度深さがある場所なら真上からカバーを狙ったりもできます」。

ここでアラバマ系は封印し、ビッグベイトに注力することにした。伊崎寺の飛び込み台のあたりで、スライドスイマー300を投げると⋯岩に引っ掛けてしまった。回収に向かうと⋯。

「マジか⋯ロクマルがスラスイ300を至近距離で見てました」。

釣り的にはその後はなにもなく終了。とはいえ、真冬にこの釣果はさすが鉄人といえよう。では、最後にでかバス格言を一言! 「デカいルアーはデカい魚が食う確率が高いというのも絶対的な法則。ルアーを小さくすればアタリが出るようになるってことも少ないです。冬に動けるバスはデカいので、横の釣りでそれだけを狙うのもアリじゃないですかね」。

夕方は東岸の取水塔などマンメイドをビッグベイトで狙った。今回は不発だが…来ればデカいの典型。

使用タックル

スライドスイマー300用 ●ロッド:アンエクスプロード78プロト(デプス)●リール:カルカッタコンクエスト401XGLH LEFT(シマノ)●ライン:ベイトPE 4号(スープレックス)●リーダー:フロロ60lb

スウィートキラー210用 ●ロッド:アンエクスプロード86プロト(デプス)●リール:アンタレスDCMD XG LEFT(シマノ)●ライン:R18フロロリミテッド 16lb(シーガー・クレハ合繊)

アラバマ系用 ●ロッド:アンエクスプロード遊撃UEB70(デプス)●リール:アンタレスDCMD XG LEFT(シマノ)●ライン:R18フロロリミテッド 20lb(シーガー・クレハ合繊)

ミドスト用 ●ロッド:サイドワインダーHGCS-72MHRFルードバイパー(デプス)●リール:ステラC5000XG(シマノ)●ライン:スピニングPE 2号(スープレックス)●リーダー:R18フロロリミテッド 20lb(シーガー・クレハ合繊)

ホバスト用 ●ロッド:サイドワインダーHGCS-65MLRレーザーウィッパー(デプス)●リール:ステラC3000(シマノ)●ライン:スピニングPE 0.6号(スープレックス)●リーダー:フロロ8lb

沈みモノの真上からアラバマ系を落としてシェイクからの上下の動きでなんと食わせてしまった。豪快かつ繊細な釣りが山田さんの真骨頂である。

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