
M.B.F.T.(MUTA BASS FISHING TOURNAMENT)において、驚異的なウエイトで勝ち進んできている梶原智寛さん。その強さの秘訣はどこにあるのか。ブレイクスルーのきっかけや実際の釣り方まで、細かく解説してもらった。
●文:ルアマガプラス編集部
琵琶湖最大級の大会『MUTA BASS FISHING TOURNAMENT』
M.B.F.T.(MUTA BASS FISHING TOURNAMENT)は、琵琶湖ロータリーピア88を会場に開催されるバストーナメント。その規模は琵琶湖で最大級。全国のトップカテゴリーのバストーナメントと比べてもその盛り上がりは最大規模と言える大会だ。レギュラー戦は年に4回。その他、1デイ戦やペア戦なども開催。そして、秋には総決算のMUTA CLASSICが開催される。
かじやんが琵琶湖の人になったワケ
かじやんこと梶原智寛さんは、このM.B.F.T.で圧倒的な成績を残しているアングラー。まずは、梶原さんが琵琶湖に通うようになったきっかけから。
「しっかり琵琶湖に通うようになったのは2023年くらいからです。なので、今年で3年目ですね。2023年のMUTAクラシックに呼んでもらえたのがきっかけで、それで琵琶湖にハマっちゃいましたね。それまでは、数えるくらいしか琵琶湖では釣りをしたことがなかったですが、この時のプラで初めて自分のボートで琵琶湖に浮きました。プラでも大会でもでかいのが釣れたし、楽しかったです。ただ、成績は全然ダメ。優勝した方は10キロ以上釣ってきて、僕もそんなふうに勝ちたいって思いました。あと、僕がこれまで戦ってきたフィールドとは、琵琶湖のバスは違う性格で、独特のクセがあるなって感じたんで、これは攻略しないといけないなって思ったんです。琵琶湖を攻略することで、トップ50でも活かせるんじゃないかとも思いましたしね」。
M.B.F.T.の大会環境も梶原さんの心を掴んだ。
「会場のロータリーピア88は広くて綺麗だし、環境も整っています。大会にはいろいろなメーカーブースがたくさん出て、出展も豪華だしお祭り会場のようになっている。あの盛り上がった舞台で勝ちたいという気持ちになりました。トップ50で勝つこと、そしてバサーオールスタークラシックで勝つことと同列で、そこに並ぶ目標になったという感じです。トップ50で日本一になったなら、琵琶湖でも1位になれば正真正銘の日本一になれると思ったんです。琵琶湖でもトップ50の選手の強さを見せつけたい、琵琶湖でも最強になりたいっていう思いが芽生えたんです。そこで、JBがない期間は琵琶湖を拠点に活動することに決めました。今では琵琶湖でのガイドもしていますし、冬は必ず練習のために琵琶湖に浮くようにしています」。
琵琶湖に心を奪われ、次の年にいきなりの優勝
2023年のMUTAクラシック後、M.B.F.T.レギュラー参戦を決意し、すぐに琵琶湖での練習を開始した梶原さん。2024年の2月に行われたM.B.F.T.初戦、2日間でおよそ28キロを釣って優勝を果たした。
「初戦はうまく作戦がハマって優勝できて、これは嬉しかったですね。ただ、その後のその年はお立ち台に乗ることはできても優勝はできなかったです。琵琶湖の現地のプロガイドの方々は皆さん上手ですし。そして、2025年を1年間戦い抜いて、ようやく琵琶湖が一周、理解できた感じがします。この時期はこういうところにバスが着くとか、地形も把握できたというか。琵琶湖は広いですが、バスがいるスポットというのは意外に少ない。ですので、ランガンが難しいフィールドなんです。逆に、タイミングを見計らってランガンして釣っていくことができれば、トップ50と同じようなスピード感、同じような展開で試合ができるなって思ったんです。今年は、トップ50と同じような感覚で釣りをすることができ、その思惑通りに試合ができて、今年はすこぶる成績がいいです。ちなみに、26年も元旦から琵琶湖に浮いてますよ」。
26年、かじやんの強さはもはや異次元レベルに
26年のM.B.F.T.はすでに3戦を消化。梶原さんはそこで圧倒的な強さを見せ、その成績は他を寄せ付けないものになっている。
「初戦は、うまくいけば30キロはいけるなと思ってましたが、いいエリアに入ることができず5位に。2戦目は思い通りにいって32キロで優勝。5キロオーバーのロクマルも混じりましたね。ただ、もっといけるなとも思ってました。僕のプラの感覚でいけば、3500で全部揃えることも可能だったんで。その日は2500とかも混じってましたし、ミスもあったんで32キロだったんです。勝ちはしましたけど、もっといけるのになって、悔しかったです。結果だけ見ればぶっちぎってて、二日目に出なくても勝ってましたが(笑)。そして3戦目。トップ50の翌週であまりプラができなかったんですが、32キロ釣った時の魚たちがこの1ヶ月でどう動いたのかをイメージして、それでまわっていくとでかい群れを見つけて。それを綺麗に釣っていくことができて、2日間で36キロ。これは完璧でしたね。全部3500から4キロで揃えることができたんで」。
M.B.F.T. 2026 第1戦目 1/24-25
M.B.F.T. 2026 第2戦目 2/14-15
M.B.F.T. 2026 第3戦目 3/21-22
「今年3戦して、初戦が5位、2戦目も3戦目も優勝。ペア戦も出てるんですが、それは準優勝。今年はこれまで全部お立ち台に立ってますよ」。
なぜここまでに梶原さんは強いのだろうか?
「自分の中で琵琶湖の戦い方が完全に定まりました。今までは、琵琶湖の人たちと同じ感覚で、琵琶湖の釣りをしてきたと思います。琵琶湖のバスの習性や動き方も、完全に理解していませんでした。けど、今年に関しては、自分の釣りのスタイル、自分の動き方をしっかり見つけて、どういう魚を釣っていくかが理解できていたし、でかい魚がつくスポットも読めるようになってきました。でかいのがいるスポットと食うタイミングが、全部が噛み合ってきて、なんとなくですが読めるようになったんです。特に、冬から早春にかけては、圧倒的な自信がつくようになりました。今年、6キロオーバーは4本釣ってますよ。69センチで6500とかも釣ってますし」。
M.B.F.T.2026第2戦目にて。
M.B.F.T.2026第3戦目にて。
大会で釣っているのはすべて、ミドスト
実際の釣り方はどのようなものなのだろうか?
「僕が大得意なのが中層の釣りです。琵琶湖に来るようになって、ミドスト・ホバストの釣りが人よりも得意かもって、より自信がつくようになりました。琵琶湖に関しては、基本的に季節を問わず全戦、ミドスト・ホバストで釣ってますよ。ルアーは、メインになるのはスーパーフィッシュローラー5インチ。カラーはステルスフィッシュが多いです。もともと人気はあまりなかったんですが、僕はこれが好きでよく使ってたんですよ。自分が紹介した影響か、これは今人気になってますね。メーカー在庫がなくなって、プレ値が付き始めてますよ。あと、もっとアピールを強くしたいときはサカマタシャッド。魚がロールを嫌っていてる場合はVTS5も使います。基本はこの3つのルアーで勝負してますね。ジグヘッドは、0.9から7グラムまで、状況に応じて幅広く使い分けています」。
スーパーフィッシュローラー5インチ(レイドジャパン)、これがステルスフィッシュというカラー。
ミドストは他の多くの人がやる釣り。なぜ梶原さんだけ釣れる?
「僕が狙っている魚はみんなとは違うんで、まずエリアがバッティングしません。それに、バッティングしたとしても、エリアの捉え方が違うと思うので、僕の魚は他の人には釣れないんです。僕は、他の琵琶湖の選手たちよりも、季節の先取りが上手いと思っています。例えば、こないだの2月の試合なら、みんなが越冬エリアをやっているのに、僕は春のエリアをやっていたり。まだ魚の数は少ないけど、上がってきているやる気の魚だけを効率よく釣っていくっていう。越冬エリアだと、魚は多いんですけど、プレッシャーもかかるし、釣っていくのに時間がかかってしまうんです」。
「今年も、他の選手は優勝ウエイトが15キロとか20キロっていう予想をしていたんですが、僕はプラで30キロは釣れるっていう釣りを組み立てているんで、まずベースとして考え方が違うんだなって感じました。他の選手とは見えている世界が圧倒的に違うんだなって感じました、偉そうになっちゃうんですが(笑)。琵琶湖の選手は、まだ琵琶湖の釣りという固定概念の中で釣りをしている人が多い気がします。僕は、全国で戦ってきて、まだ頭が柔らかいまま釣りができているんだと思いますよ」。
ミドストは、「とにかく浮かせて食わせる」
梶原さんのミドストの秘密は、とにかく浮かせること。
「例えば、10メートルにいるバスに対して、ルアーを10メートルまで落とす必要はないんですよ。そこで、ルアーを8~9メートルに通して口を使わせる…、これは普通です。僕はもっと上の6メートルとかに通して、魚を反応させるんですね。とにかく浮かせる。12メートルを回遊しているバスに、水深1メートルにルアーを通して食わせることもありますよ。やる気があって目がいい、でかい個体を狙ってるんで。それに、浮かせれば浮かせるほど、最後までちゃんと食います。ヤツらもそれなりの覚悟を持って追って浮いてきているんで。また、バスが垂直に浮いて上がってきているんで、バスから見てフックやラインの存在も消えているんだと思います」。
バスは深い水深にいても、水面のルアーがちゃんと見えている。
「荒れた表層でi字引きしていても、7メートルのバスは気付きます。これは斎藤陽くんに教わったスーパク(※リバイバルシャッド4インチ/ジークラックを使ったi字釣法)の釣りをヒントにしています。僕の目の前で、荒れた中でもスーパクでガンガン釣るんですね。ライブスコープで見ると、10メートルとか13メートルとかにいたバスが、水面まで浮いてきてルアーを食ってるんですよ。それを見てびっくりしましたね。琵琶湖の魚って、全部見えてるんだ、だから釣れないんだって、そこで気付きました。スーパクを目の前で見れたことが、一番の成長のきっかけです。ただ、大会では中層や表層で食わない時も当然あって、そういう時はすぐにボトストに切り替えますけどね。その日にバスの反応がいい効果的なレンジを見つけるのが早ければ早いほど勝ちに繋がるんです」。
26年、悲願のMUTAクラシック優勝なるか?
26年はあと1試合、9月のM.B.F.T.最終戦を残している。そして11月にはMUTAクラシックが待っている。これまでの梶原さんのMUTAクラシックの成績は、2024年が3位、2025位が2位。2026年は…?
「今年のクラシックは勝負の年。必ず1位を獲りますよ。僕がMUTAクラシックに賭ける思いは、他の人よりも大きいと思っています。ここでトップを取れば全国制覇。去年までは琵琶湖のことをちゃんと分かってなかった。今は琵琶湖の捉え方が見えているんで、どういう結果になるのか、自分でも楽しみです。このまま行って年間優勝して、クラシックも勝つのが、今年の目標です。みなさん、応援よろしくお願いします!」
profile
梶原智寛
かじはら・ともひろ/1999年12月27日生まれ。福岡県出身。愛称はかじやん。柔道で鍛えた鋼のフィジカルは、釣りにおいても大いに生かされている。JBトップ50シリーズにて2回の優勝、そして2023年にはAOYを獲得。今ではその実力を琵琶湖でも発揮しており、M.B.F.Tで破竹の勢いで成績を伸ばしてきている。
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