
魚探で魚を探す釣りが主流となった今も、アシやブッシュといったシャローカバーをひたすら撃ち続けるスタイルを貫く成田紀明さん。今回訪れたのは、そんな「撃つ釣り」を実践するのに格好のフィールド、千葉県・印旛沼だ。近距離からカバーの奥へルアーを送り込み、撃って、掛けて、魚を引き出す。その釣りを長年追求してきた成田さんと、グラスルーツが形にしたロッド「エンゲージナイヴス EKC 70H 。実釣を通して見えてきた、“撃つ釣り”の現在地とは。
●文:ルアマガプラス編集部
成田紀明(なりた・のりあき)国内外のトーナメントで活躍し、独自のスタイルを貫いてきた歴戦のコンペディター。ライトな語り口と冗談で周囲を楽しませる一方、釣りや道具作りでは一切妥協しない素直な姿勢を持つ。現在はSDGマリン・ヨコトネスペースを拠点に活動し、現場の最前線からバス釣りを発信し続けている。
今回、成田さんが訪れたのは千葉県・印旛沼。都内からのアクセスにも優れ、アシやブッシュなどのシャローカバーが広く残るフィールドだ。魚の反応は以前に比べて少なくなったものの、その分、釣り人の経験と技術が試される実戦的なフィールドでもある。
そこで成田さんが繰り返していたのは、シンプルに「撃つ」という動作だった。
カバーの中に魚を探していく「撃つ釣り」
アシ撃ちは、一見するとシンプルな釣りに見える。カバーへルアーを送り込み、反応がなければ回収して次のスポットへ移る。その繰り返しだ。
しかし、成田さんにとって、この釣りは単純なものではない。
「ここは居そうだな」「ここは違うな」。アシやブッシュの濃淡、水面の変化、ルアーの入り方、わずかな違和感。そうした情報を積み重ねながら、撃ち続けることで少しずつ魚の居場所が見えてくる。
魚探の画面で魚の位置を確認するのではなく、自分の感覚を頼りにカバーの中から魚を探していく。これが成田さんの考える「撃つ釣り」だ。
そのために欠かせないのが、フリッピングやピッチングといった近距離キャスト。遠投で広く探るのではなく、狙ったカバーの奥へルアーを正確に送り込み、魚が潜んでいる可能性のあるスポットを一つずつ撃っていく。
そして反応がなければ、また次へ。
この動作をテンポよく繰り返すためには、キャストの精度だけでなく、ロッドそのものの操作性も重要になる。
成田さんが長年続けてきたこの釣りを形にしたロッドが、グラスルーツの「エンゲージナイヴス EKC 70H 」だ。
「撃つ釣り」を成立させる7フィート
成田さんが70Hの開発でこだわったのが、7フィートという長さだった。
フリッピングやピッチングによる近距離のカバー撃ちでは、単純に短ければ扱いやすい、長ければ有利というわけではない。キャストからルアーの操作、そしてフッキングまで、一連の動作が自然につながることが重要になる。
「撃って掛けていく距離の釣り」を長年続けてきた成田さんにとって、7フィートという長さは、その一連の動作を成立させるための基準だった。
H70は、ティップが素直に入りながら素早く戻る特性を持ち、近距離でもルアーの初速を出しやすい設計。大きく振りかぶらなくても、狙ったスポットへ低い弾道でルアーを送り込める。
さらに、手元寄りに設定された重心によって操作時の安定感を確保。フリッピングやピッチングを繰り返しても持ち重りしにくく、長時間のカバー撃ちを支える。
キャスト時やフッキング時のねじれを抑える剛性も特徴のひとつ。ルアーの軌道を安定させ、狙ったスポットへ正確に送り込む操作性につなげている。
一方で、単純に硬さだけを追求したロッドではない。
ブランクスには弾性率の異なるグラファイトを組み合わせ、さらにアラミドシンセティックファイバーをラミネート。高弾性素材を使用しながらも、適度に曲がるしなやかさを持たせている。
「パツパツの竿にはしたくなかった」という成田さんの考えのもと、ルアーを投げやすいしなやかさと、カバーから魚を引き出すためのバットパワーを両立させた。
実釣では、アシの中で掛けたバスに対しても主導権を渡さず、強引に抜くのではなく、魚をコントロールしながらキャッチへ持ち込む。
今回の印旛沼でも、成田さんは流れの当たるアシ際を撃ち、カバーの中からバスを引き出した。
「魚を探す」というシンプルな釣り
ライブ魚探の普及によって、バスがどこにいるのかを画面上で確認しながら狙う釣りも広がっている。
そんな時代だからこそ、成田さんが続けてきた「撃つ釣り」は、別の意味を持つ。
アシやブッシュにルアーを送り込み、回収して、また撃つ。
その繰り返しの中で、カバーの変化やルアーの入り方、わずかな違和感から魚の存在を探っていく。特別な装備に頼るのではなく、自分の感覚と経験を使って魚を見つけていく釣りだ。
だからこそ、成田さんはこのスタイルを「一番ベーシックな釣り」と語る。

『エンゲージナイヴス EKC 70H』は、その釣りを成立させるために生まれた一本。近距離キャストを繰り返す操作性、カバーから魚を引き出すパワー、そして長時間撃ち続けるためのバランス。
魚を探して、撃って、掛ける。
変わり続けるバスフィッシングの中でも、ベジテーションを撃ち続けるというスタイルは消えない。『エンゲージナイヴス EKC 70H』は、その「撃つ釣り」を支えるためのヘビーロッドとして仕上げられている。
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