
緻密で画期的、そしてなにより釣れるアンダー1グラムのマイクロスプーンを主力とするメーカー、サウリブ。設立10周年を迎えた2025年、今シーズンに向け、ついにインジェクションのプラグが発売された! という話を聞き、代表の千葉さんにお話を聞いてみた!
●文:ルアマガプラス編集部
千葉 栄一郎
ちば・えいいちろう サウリブCEO兼デザイナーとして、誰でも釣れるルアーを追求し、独自のマイクロスプーン理論を確立。全国のエリアと大会で鍛えた実釣力と探究心で革新的アイテムを生み出し続ける現役トーナメントアングラー。
馬場 太陽
ばば・たいよう サウリブフィールドテスター。繊細なスプーンの釣りを得意とし、大会入賞実績も多数。緊張しいだが大事な場面では結果を出す。サウリブではいじられキャラが定着しつつあるとか。
サウリブルアーマイBEST3
上から「シャース1.9」「シャースP1.4」「シャースFe0.6」の3種類。最も使用頻度の高いスタンダードな1.9。レンジキープしやすいP1.4。使い勝手のよい喰わせのFe0.6をチョイス。
髙橋 勤
たかはし・つとむサウリブエグゼクティブテスター。シャースシリーズのオリカラなどを考案し、トーナメントでも数々の入賞実績を持つ実力派。釣り教室やイベントでも幅広く活躍中。
サウリブルアーマイBEST3
上から「シャース1.9」「シャース1.5」「シャースFe」の3種類。スピード域で動きが変わるというシャース、自ら開発に携わった1.9は、多くの勝利をもたらしてくれたという。
サウリブ3人寄れば…とにかく釣れる!!
「感覚的にはホームですね。昔から大会やイベントでもお世話になってます」というキングフィッシャーではキャッチもお手の物!? お見事ッ!
今回の記事はサウリブ10周年ということで、2025年8月にリリースされたプラグ、イスカの本誌初披露!
「お言葉ですが、サウリブと言えばマイクロスプーン。(シャース)Pにも新しいウエイトが出るんで、それで釣ってるんですよ」。
「でもまずはイスカで釣らないと」と、髙橋さんと千葉さんがやり取りしているかたわらで馬場さんのロッドが曲がった!
「釣れました! Pの0.8です」。
新ウエイト!
「まぁこんな感じで10年やってきたんです(笑)」。
起業して10年持続するのはまれといわれる世の中で、しっかりと地に足を付けてエリアトラウトの世界に名をはせたサウリブ。
「よし、釣れましたー!」。
千葉さんが釣ったニジマスの口にはイスカが!
「水槽でじっくり見ないと分からないんですけど、横だけじゃなくてリアが縦に動くんですよ。それが釣れるヒミツじゃないかと。魚と話せないんで想像ですけど」。
10年の歳月は、千葉さんの飽くなき釣獲への探求心と分析力、そしてその手が生んだアイテムがもたらしたことは間違いない。
髙橋さん、馬場さんともに新作のシャースP0.8グラムで釣った後は、マイベストサウリブスプーンでというリクエストも難なくクリア。コンビで大会に出場しているだけに息はピッタリ!!
縁あるサウリブ軍団の取材に応えてか、魚も元気爆発!「キングさんの魚はきれいでいいですよね。ぜひ遊びに来てください」(千葉さん)。
このルアーから始まる、サウリブ、次の10年!
サウリブNEXTアイテム①イスカ esca「動かないように動く浮遊系」
漂うように動かないことを突き詰めた新感覚クランク。40 〜50センチのレンジをキープしながら、浮上(SF)、沈下(SS)で喰わせる2タイプ。巻きスピード次第でフッキングが劇的に変わる、サウリブらしい、隙間を突く一撃ルアーだ。
【SF】DATA●全長:23ミリ●自重:1.1グラム●タイプ:スローフローティング●リング:#0●フック:ヴァンフックSP-21F #9●カラー:8色●価格:1650円(税込み)
【SS】(写真)DATA●全長:23ミリ●自重:1.2グラム●タイプ:スローシンキング●リング:#0●フック:ヴァンフックSP-21F #9● カラー:8色● 価格:1650円(税込み)
ボディの印字以外にも、白目のある目玉がSS、白目の部分が黄色なのがSFと区別することができる。
「イスカ、どうっすか?って冗談っぽく言ってたけど、本当はイタリア語で『餌』って意味なんです。魚が思わず口を使うエサっていう存在にしたかった」。
最初の試作は落花生のようだったイスカ。しかしテストを繰り返す中で、泳ぎや食わせの姿勢、動きなどの調整をし続け、いまの形状に行き着いたという。
「アピールしすぎない、動きすぎない。漂う。ただそこにいるだけ。『あ、いるわ』って魚が気づいたら喰わせてしまう。そういう存在を作りたかったんです」。
そのための他のクランクにはない動きの特徴があるという。
「普通クランクって、リップを起点にテールを振りますよね。でもイスカはそれだけじゃなくて、テールを上下する動きが入るんです。この『上下の揺らぎ』が、魚のスイッチを入れてるんじゃないかとひそかに思ってます」。
そしてレンジについて。
「ゆっくり巻いても潜るし、速く巻いても潜る。魚の目線に合わせられるように作ってます。気付かせてからが勝負になるんで」。
SFとSSがラインナップされるのは、それも理由のひとつ。
「潜らせて止めて、ゆっくり浮くか沈むか。まずは気付かせて注目させて、止めたら漂いつつテールを縦に振りながら全部のレンジにアピールできる。動かないのにすべての魚が獲れるんですよね」。
プラグならではの透ける色(透過カラー)にこだわった現行8色。「オリジナルカラーもやりますよ!」。
アクション


23ミリボディによる動きの本領発揮は、デッドスローイング&ポージング。真骨頂はゆるゆるとリアを左右に振りつつ、縦にも振れるクロスアクションで、未見のアピールとなる。
高橋さんコメント

「動き自体はそれほど大きくないので、高活性の魚はオートマチックに、低活性でスイッチが入り切らない魚でも、思わず口を使ってしまうようなクランクだと思います」。
馬場さんコメント

「マイクロスプーンのような感覚で使えるプラグ、クランクベイトです。シルエットは小さいので、プレッシャーがかかった魚でも比較的簡単に口を使ってくれます」。
千葉さん使用タックル
■ロッド:クロノタクト CT6002SUL-K(スタジオミネギシ)■リール:イグジスト 2000番(DAIWA)■ライン:エステル 0.2号 ■リーダー:フロロ 0.3号
サウリブNEXTアイテム②シャースP 0.8 、1.1グラム「隙間を埋めるウエイト設定」
小粒ながら抜群の飛距離と強い波動を両立したマイクロスプーン。シリーズ共通の レンジキープ性能で、思い切り飛ばして遠くから魚を寄せ、そのまま喰わせる強さを兼備するウエイトだ。0.8が2025年12月中、1.1が2026年頭には店頭に並ぶ予定。
DATA ● 重さ:0.8(写真)、1.1グラム●カラー:20色● 価格:583円(税込み)
ウエイトを変えることはつまり、ベースがあるということ。にもかかわらずこのプロトの量が、千葉さんのこだわりを物語る。
「0.8グラムのスプーンっていったら軽い部類なのに、キングフィッシャーさんの規模でも対岸近くまで届く。これは意図的にそう作ってます」。
アンダー1グラムと、オーバー1グラムのどちらもラインナップされているシャースPシリーズだが、アンダー1グラムでも動きの強さを持つのがシリーズ最大の特徴。そこに今回新たに投入された2タイプは、そんなウエイトの壁を超えた存在となる。
「0.8と1.1は別物じゃなくて同じアクションの流れにあります。1.5グラム並みの飛距離で、巻きスピードは1グラムくらい。だから投げやすいし、アタリも出やすい」。
強さと弱さを併せ持つシャースPにして、さらなる中間的存在となる両ウエイトは、大会で活躍するテスター陣から提案されたウエイトだったと言う。
「スプーンってすごく繊細なんで1.4でも0.5でも喰わないのがいて、『その間がいいときがある』って言われて形にしたんです。僕も大会には出てるんでそれは分かってて、じゃあ作るかと(笑)。やってみたらプロトから完成度は高かったんだけど、そこからより微調整していって、狙ってたところにハマった感じですね」。
アクション


オリジナルシャースゆずりのワイドウォブリングを引き継ぐアクション。アンダー1グラムらしからぬ強い動きは0.8グラムでも健在だ。

高橋さんコメント

「水押しが強いんで魚を呼べますよね。高活性低活性どちらもいける。高活性は何もしなくても寄ってきます。僕の中で喰わせはFeなんですけど、このふたつのウエイトもかなりくるんじゃないかと期待してます」。
馬場さんコメント

「既存の1.8と1.4グラム、0.5と0.2グラムの間を埋めてくれるウエイトです。動きは弱いけど、しっかり水を押すというシャースPの特徴は健在なので、多くのシチュエーションで役立つと思います」。
千葉さん使用タックル
■ロッド:プロトロングソリッドロッド ■リール:イグジスト 2000番(DAIWA)■ライン:ナイロン 0.3号
サウリブNEXTアイテム③ニョロン~「サウリブが作るニョロ系」
フローティングでありながらボトムに到達し、寝ずに立ったまま誘い続けられる新感覚ニョロ系プラグ。根掛かり回避性能も高く、冬のボトム攻略に最適な期待の新作だ。
DATA ●全長:未定●重さ:未定●タイプ:スローフローティング●カラー:未定●価格:未定●発売時期:2026年2月予定
スイム姿勢。
「こんなのもあるんですよ」。
ガサゴソとボックスから取り出して千葉さんが結んだのは、細長くて曲がった形状のルアー!?
「『ニョロン~』っていうんですけど、ありそうでなかったニョロ系を作りたかったんです」。
ニョロ系といえば中層から上での喰い上げ狙いの印象があるが、このニョロン~は、フローティングながらもその1歩先を行く。
「ボトムに着いても誘い続けられるのが最大の特徴。ねちっこくボトムを攻めるニョロ系なんて見たことないでしょ。でもシンキングじゃないのもこだわりです」。
実釣テストの手応えは十分。
「真冬でボトムに魚が落ちてきてからが真価を発揮します」。
ボトム系だけに暑かった今夏のテストではてこずったというが、それでも釣果は得ていたというニョロン~。サプライズの登場でもあっという間に魚を誘った。
千葉さん使用タックル
■ ロッド:エグレッタEG5802PL(スタジオミネギシ)■リール:イグジスト2000番(DAIWA)■ ライン:ナイロン0.4号
尽きない釣獲へのこだわりが繋ぐさらなる10年
撮影時のキャストテクに定評(?)のある馬場さんが締める!「表層回遊のサイトです。ラストもシャースPの0.8グラムでした(笑)」
「やっぱりプラグは勝手が違いますね。スプーンなら鉄の板を手で叩いて数を作ってデータを取ることができるんですけど、プラグはそうはいかない。3Dプリンターでやるところもあるんですけど、樹脂によっては圧力がかからなかったり比重が変わったりするんで、切削機を導入しました。もう機材投入ですよ。それでも形状、リップ、角度、内壁の厚さと見るべきことは多くて、イスカで50個以上はプロトを作りましたね」。
深化し続ける妥協なき開発姿勢が新しいサウリブの10年を紡ぎ出す。
「数も釣れたしボチボチ終わりましょうか。じゃあ最後にやっちゃう? でかいの1発競争。太陽! ホラ、出番だぞ!」。
千葉さんの発案で、ラストはでかいのがいるという2号池に移動。誰も釣れずに終わり~!でも問題はなかったけれど、そこはご指名の馬場さんが魅せた!
「よくやった! じゃあこれで終了。ありがとうございました」。
千葉栄一郎【状況打破のローテ】マイクロスプーンローテ



「強打からも繋がるんですけど、マイクロスプーンでもシャースPだと強すぎるってときがあるんですよね。そうなるとシャースFeにローテーションします。ウエイト、シルエットは似ていても動きは真逆。マイクロスプーンでメリハリを付けるのがベストです」。強・弱のPと弱・弱のFe。同じレンジを同じスピードで引くとローテーションの効果が出やすい。
サウリブ10YEARSトークダイジェスト
緊張からか口数が少なかった馬場さん。千葉さんが話を振ってくれてましたが、すみません、大分カットしました(汗)。
―では実釣も無事終了ということで、ここからはお三方によるサウリブトークをお願いします。ざっくりですみません(笑)。
千葉(以下千)「最初に出したのはBWツイストとかグラチョビとかって、キワドイ系って言われてましたね。でも当初はただ息子に釣らせるために自作しただけで、それを自分が最初に作ったよっていうのを残したくてインターネットで売ったのが始まりなんです。それからリッティーってスプーンを作ったんですけど、これはさすがに自分だけが釣れても独り善がりになる可能性があるんで、強面のツトムくん(髙橋さん)に声を掛けたわけですよ。釣り場で目立ってたんで」。
―髙橋さんはそのときどう思われたんですか?
髙橋(以下勤)「サウリブのテスターになれるんだって思ったんで、改めて夜電話して『よろしくお願いします。それで僕はテスターなんですよね?』って聞いた
ら、いや違うよと」。
千「それは求めてないから」。
勤「そこから毎日のように電話。直談判ですよね(笑)」。
―それだけルアーに魅力があったということですよね。
勤「もちろんそうなんですけど、僕はイチからやっていくっていうのが好きで。開発に携われるのもそうですし、サウリブさんはこれからのメーカーだなって思ったんで」。
千「でも実際そのときは何の提供もできなかったから」。
―それでもやりたかった?
勤「お金出しててもいいんで、やりたいですと」。
千「たしかに言った(笑)」。
勤「そのときはね(笑)」。
―最初からサウリブのことは知ってたんですか?
勤「イベントとか大会で、サウリブのブースがあったんですよ。そこでチュッパチャップスを配ってたおじさん(千葉さん)がいて。なんで釣り場でアメを配ってるんだろう?ってぐらいにしか思ってなかったです(笑)」。
千「だってサウリブなんて誰も知らないし、グラチョビとか大会に来てる人は一切見向きもしないって分かってたんですよ。でも人間って食べ物を貰えたら、それは覚えてるんですよね。チュッパチャップス当時1本30円。30円の売名行為です(笑)」。
―なるほど(笑)
勤「でも今年の大会(サウリブ主催の10周年の記念大会)でチュッパチャップスを配ってたの見て涙出そうになりましたよ」。
千「いい話でしょ」。
勤「それでまぁアプローチし続けたら、大会で使えってスプーンをくれたんですよね」。
千「でも『大会では使わねぇよ』って。なぜって聞いたら『使えないから』みたいな。それで頭にきてじゃあオレが使って大会出てやるよってなって、そのときは決勝まで行きましたけどね。それがリッティー。でもその次の大会から延々と予選落ち。それで放流から長めに使えるスプーンを作らなきゃって始まったのがシャースだったんです。でもこの人ひどいんですよ、これでどう? ダメ。なんで? 見た目が悪い!とか。こう直してよって言われて言われた通りに直したのにダメだとバッサリ。もう延々そんなのを繰り返してた。でもそれがあってシャースができたんだもんなぁ」
―すごい話です。
千「その頃だよな、太陽が入ったのって」。
馬場(以下太)「えっと、シャースをリリースする前ですね」。
千「そんな前だっけ。あ、でも一回抜けてるからな(笑)」。
―まぁまぁ(笑)。
太「当時一緒に釣りしてた友達の紹介で髙橋さんと知り合ってお声がけいただきました」。
千「大した話はないよな」。
太「そうなりますね」。
―(笑)。ではこれからの10年ということで。
千「10周年記念の決勝大会の優勝者に100万円という賞金を出したわけなんですけども、そこまで成長はできたかなという。それから夏にイスカを出して、冬ににょろんを出して、ルアーとしては、プラグも展開していきます。勤くん的には?」。
勤「僕はやっぱり始まりがスプーンなので、その時代にあったようなスプーンを手掛けていけたらなとは思ってます」。
千「太陽くん、ある?」。
太「年々状況だったり魚の性格だったりが変わってきてると感じてるんで、勤さんが言ったように、時代に合った商品、数釣りだけじゃなくて大物だったり、始めたばかりの子供でも釣れるような商品開発に携わっていけたらなと思ってます」。
千「例えば? どんな?」。
太「え、例えば?」。
千「急に言われてもだよな」。
―ですね(笑)。
千「最終的には総合メーカーを目指して、アパレルなんかもちょっとずつやっていければなと。ロッドとかバッカンとかなんかも手掛けられればなと思っております。 はい締めた(笑)」。
―じゃあ最後に、髙橋さんと馬場さんにはこれがベストっていうサウリブルアーを聞いたんですけど、社長はどうですか?
千「うーん、やっぱり全部可愛いから選べないですね」。
勤「そうくると思った(笑)」。
太「ですね(笑)」。
取材協力◎キングフィッシャー
栃木県大田原市にある管理釣り場。湧き水が注ぐ透明度の高いポンドで、強い引きを味わえる良型トラウトとの出会いが魅力。放流、表層、中層、ボトムまで幅広い戦略が楽しめ、大会やスクールも充実した成長が実感できるフィールドだ。レギュレーションなどの詳
細はHPで確認!
■営業時間:7:00 ~ 17:00(木曜定休)■住所: 栃木県大田原市乙連沢593 ■TEL:0287-23-1253
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