
今回は、大昔から囁かれている都市伝説『魚の地震予知』についてまとめてみた。
●文:ルアマガプラス編集部
魚は「地震」を予知できるのか? 地震前に魚が見せる異変は本当?
「地震の前に、普段とは違う魚が釣れた」
「魚が突然、大量に現れた」
「地震の前に魚の様子がおかしくなった」
そんな話を聞いたことはないだろうか。
昔から、地震の前には動物が普段とは違う行動を見せるという話が世界各地で伝えられてきた。魚についても、地震の前に異常な行動や移動が見られたという報告がある。
では、本当に魚は人間よりも早く地震を察知しているのだろうか?
地震の前に魚がおかしくなる?
日本でも昔から、地震の前に魚の行動が変化したという話がある。
普段は深い場所にいる魚が浅場に現れたり、いつもとは違う場所で魚が大量に捕れたりするケースだ。
また、リュウグウノツカイなどの深海魚が海岸に漂着すると、「大地震の前兆ではないか」と話題になることもある。
実際、魚やその他の動物が地震の前に異常行動を見せたという報告自体は数多く存在する。USGS(米国地質調査所)も、地震の数秒前から数日前に動物の異常行動が報告された例があるとしている。
しかし、ここで重要なのが、「報告がある」ことと「地震を予知できる」ことは別だということだ。
魚は人間よりも敏感?
魚には、人間にはない優れた感覚器官がある。
代表的なのが「側線(そくせん)」だ。
魚の体の側面にある側線は、水の流れや振動などを感じ取ることができる。水中で周囲の変化を把握するために重要な器官だ。
そのため、魚が人間には感じ取れない水中の変化や振動を察知すること自体は十分に考えられる。
また、地震では人間が大きな揺れを感じる前に、最初の小さな地震波が到達する。
動物の中には、この小さな揺れを人間より早く感じ取るものがいると考えられている。つまり、地震が発生した直後の数秒程度であれば、魚を含む動物が人間より先に異変を感じる可能性はある。
では「数日前から分かる」は?
ここが最も気になるところだろう。
「魚が地震の数日前から異常な行動をする」という説については、現在のところ、科学的に再現性のある関係は確認されていない。
魚の行動は、水温や潮流、天候、餌の量、海流など、さまざまな要因によって変化する。
例えば、普段より魚が浅い場所に集まっていたとしても、それが地震の前兆なのか、単純に餌を追って移動してきただけなのかを判断するのは難しい。
USGSも、動物の異常行動と地震の発生には、地震予知に利用できるほど一貫した関係は確認されていないとしている。
リュウグウノツカイが出たら地震が来る?
地震の前兆として特に有名なのが、深海魚のリュウグウノツカイだ。
珍しい魚だけに、海岸に漂着すると大きなニュースになる。そして、その後に地震が発生すると「やはり前兆だったのでは?」と考えたくなる。
しかし、深海魚の出現と地震との間に、地震予知に使えるほど信頼性の高い関係が確認されているわけではない。
魚が海岸に現れる理由は、海流や水温、病気など、地震以外にもさまざまな可能性がある。
結局、魚は地震を予知できるのか?
現時点での答えは、
「魚が地震を予知できるとは、科学的には確認されていない」
となる。
一方で、魚は人間よりも水中の振動や環境変化に敏感な生き物だ。もしかすると、人間が気付かない何らかの変化を魚が感じ取っている可能性はある。
ただ、それが「これから地震が起きる」という予知につながるかどうかは、まだ分かっていない。海で釣りをしていると、「今日はいつもと魚の動きが違う」と感じることがある。
それは地震の前兆とは限らない。しかし、魚の行動には、人間がまだ知らない海の変化が表れている可能性もある。
魚は地震を予知しているのか。
その答えは、今のところ「分からない」。だからこそ、魚の異常行動と地震の関係は、現在も研究が続けられているテーマだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
- 1
- 2






