
全国各地でチニングの魅力を発信する“もりぞー”こと森浩平さん。今回は長崎・大村湾での実釣をはじめ、鹿児島チニングパーティへの参加、さらに鹿児島での単独釣行をレポート。初場所でも次々とチヌをキャッチするなかで見えてきた、「シルバーウルフCT」と「シルバーウルフSV TW 1000XH」の明確な使い分けを解説。さらに、トップウォーター&フリーリグで楽しんだ、真夏の九州チニングを振り返ります。
●文:森 浩平
長崎・大村湾でチニング
ルアマガ+をご覧の皆さま。
大阪・淀川をホームに活動している、DAIWAアングラーのチニング伝道師、“もりぞー”こと森浩平です。
熊本の皆さま、このたびの地震に心よりお見舞い申し上げます。釣りを通じて多くの方々とご縁をいただいている地域だけに、今回の知らせに心が痛みます。また皆さんが安心して、楽しく釣りができる日常が、一日でも早く戻ってくることを心からお祈りしております。
さて、中学校の修学旅行以来、久しぶりに訪れた長崎。釣りで訪れるのは今回が初めてでした。流入河川、地磯、シャローフラットと、さまざまなフィールドを巡りながらチニング。
長崎・大村湾でのチニング
海と山が近く、場所を変えるたびに表情の異なる景色が広がる大村湾。真夏の青い空と海、緑豊かな山々に囲まれた素晴らしいロケーションのなかで釣りができるだけでも、最高に気持ちのいい遠征でした。
今回は、シルバーウルフCTとシルバーウルフSVTW1000XHをシーンに応じて使い分けながら、トップウォーターとフリーリグで30枚ほどキャッチ。
ラフトリックで
地磯ではラフトリックで年無しも飛び出し、数・サイズともに納得の釣果となりました。
シルバーウルフ、SVTW1000XHとCT
シルバーウルフにはSVTW1000XHとCTがラインナップ。今回、改めて感じたのが、この2台の明確なキャラクターの違いです。
シルバーウルフSVTW1000XHは、オープンエリアでの遠投を主戦場とするチニング専用PEモデル。
シルバーウルフSVTW1000XHL
一方のシルバーウルフCT SVTW PEスペシャルは、軽いリグを扱いやすくしながら、10g・14gといったチニングで使用する実用域のリグまで対応する、ライトバーサタイルなモデルです。
実は、シルバーウルフCTを開発する際、最初に考えたのが「シルバーウルフSVTW1000XHとの使い分け」でした。
遠投性能と最大巻取長が武器の1000XH
1000XHの強みは、もちろん遠投性能だけではありません。8.5:1、最大巻取長90cmというギア比も、大きな武器になります。
ベイトリールは、その構造上、スプールに巻かれたラインの量によって実際の巻取長が変化します。遠投すればスプールのラインが減り、ハンドル1回転あたりの巻取量も少なくなっていきます。それでも1000XHは、最大90cmという巻取長を活かして、遠投先からのライン回収を素早く行える。
遠投先で得たバイトを積極的に掛けていく釣りでは、この「巻き取りの速さ」が大きな意味を持ちます。
高いギア比の巻き取りの速さが武器
強風でラインがはらんでいるときや、急流の中でラインが取られている状況でも、余分なラインスラックを素早く回収してフックセットへ持ち込める。
「遠くへ投げる」だけではなく、「遠くで掛ける」。φ34mmスプールの遠投性能と90cmの巻取長を組み合わせた1000XHならではの強みです。
また、キャスト性能については、1000XHとCTで方向性が大きく異なるわけではありません。
ベイトキャスティングには、ブレーキを弱め、スプール回転のなめらかさを活かして飛距離を伸ばす方向性もありますが、荒れた状況での釣りも多いソルトシーンでは、それだけが正解ではありません。
スイングスピードをしっかり上げ、シルバーウルフSX・EXのような反発力・復元力の高いロッドをしっかり曲げて、ブランクの性能を引き出す。その入力を受け止めながら、スプールの回転を適切にコントロールして飛距離やアプローチ精度へつなげる。
1000XHとCTは、そうしたキャストを想定したブレーキセッティングを狙っています。
1000XHとCTは、ブレーキセッティングも異なる
つまり、「軽いものを投げやすい」ことだけが目的ではなく、しっかり振ったときに、その入力を無駄にせず飛距離へつなげられること。
そのうえで、1000XHはφ34mmPE専用SVBOOSTスプールによる遠投性能を、CTはφ30mmのPE専用SVスプールとSSマグフォースによる軽快な立ち上がりを、それぞれの強みとして持たせています。
1000XHは、φ34mmPE専用SVBOOSTスプール
ライトバーサタイルのCT
一方、CTの最大巻取長は80cm。チニングにおいて十分な巻取量ですが、遠投先でのライン回収や、スラックを素早く処理して掛けにいく場面では、1000XHに明確なアドバンテージがあります。
シルバーウルフCTSVTW8.5L PE SPECIAL
だからこそ、遠投して広く探る釣りや、遠距離から積極的に掛けていく釣りでは1000XH。逆に、そこまでの飛距離や巻取速度を必要とせず、軽量リグの扱いやキャストアキュラシー、操作性を重視するならCTという選択が快適性を高めます。
CTは「1000XHより小さく軽いリール」というだけではありません。コンパクトボディと30mm径のPE専用SVスプール、SSマグフォースによる軽快な立ち上がりを活かし、5g・7gといった軽量リグをストレスなく扱いながら、10g・14gクラスのリグまで実用的にカバー。
大きすぎず、かといってベイトフィネスでもない。チニングにおける「ライトバーサタイル」という立ち位置です。
CTはライトバーサタイルとして活躍
なぜ1000XHを残したのか
1000XHは発売から年月を重ねたモデルですが、シルバーウルフCTの登場後も廃番にせず、併売してもらっています。その理由は、CTでは代替できない明確な強みが、1000XHにはあるからです。
14gのリグを80m以上飛ばしたい、オープンエリアで最大飛距離を追求したい、遠投先でのライン回収やフッキングまで含めて遠距離対応力を重視したい。そうした場面では、今でも1000XHがベストな選択肢になります。
軽快さや操作性を重視したい場合はCTを
一方で、5g・7gの軽量リグや、ピンスポットへの打ち込み、トップウォーターなど、軽快さや操作性を重視する場面ではCTが強い。
どちらか一方が優れているのではなく、それぞれにしかできない仕事がある。だからこそ、この2台は併用する意味があります。
長崎ロケでのタックルセッティング
今回の長崎ロケでは、そのキャラクターを最大限に活かすため、
・シルバーウルフCT × シルバーウルフSX76MLB-S
・シルバーウルフCT × シルバーウルフSX71LMLB-S
・シルバーウルフSVTW1000XH × シルバーウルフSX80MB-S
という組み合わせで、フィールドやルアー、狙い方に応じて使い分けました。
シルバーウルフCT、シルバーウルフSX76MLB-S
海、河川、シャローフラット、地磯。さまざまなロケーションを巡りながら、それぞれのタックルの持ち味をしっかり実感できた釣行でした。
大村湾の魅力
今回初めて釣りをした長崎ですが、フィールドとしても本当に魅力的でした。
穏やかな海と入り組んだ地形、そこへ流れ込む河川。少し移動するだけで、まったく違ったシチュエーションでチニングを楽しめる。
多彩な景色の長崎県大村湾
そして何より、海と山が織りなす景色が素晴らしい。釣果だけではなく、そこで過ごす時間そのものが楽しいフィールドでした。
CTと1000XH、それぞれがどんな場面で活躍したのか。そして、大村湾の素晴らしい景色のなかでどんな釣りを展開したのか。ぜひ動画でもご覧ください。
【チニング】もりぞーが挑む初場所長崎!フリーリグ&トップでチヌを狙う
鹿児島チニングパーティ・DAIWAブース出展で参加
鹿児島は、多彩な魚種が狙えるフィールド。そのため、地域全体としてはそれぞれのメイン釣種があり、チニングはサブジャンルとしてシーズン限定で楽しまれている方が多いイメージを持っていました。
鹿児島チニングパーティ
しかし実際にお話をすると、1年を通してチニングを楽しんでいるコアなアングラーの方も多く、その熱量の高さに驚かされました。
さらに印象的だったのが、参加者92名のうち19名が県外からの参加だったこと。鹿児島だけでなく九州各地、さらには遠方からも、多くのチニングファンが集まり、私と同じ、あるいはそれ以上の熱量でチニングを楽しんでいる皆さんと交流でき、本当に嬉しく思います。また、会場では皆さんに温かく迎えていただき、鹿児島まで来て本当に良かったと感じました。
参加者は92名が集まりました
ブースでは、鹿児島ならではのチニング事情や普段の釣りについて教えていただいたほか、「こんなルアーが欲しい」「こんなアイテムがあれば嬉しい」といった貴重なご意見やリクエストもたくさん聞かせていただきました。開発に携わる立場としても、とても有意義な時間になりました!
ご参加いただいた皆様、運営スタッフの皆様、本当にありがとうございました。また鹿児島で、皆さんとお会いできる日を楽しみにしています!
鹿児島遠征レポート
また、イベント前日には、新製品のテストも兼ねて単独釣行してきました。
まずは、現地のアングラーさんに教えてもらった空港近くの河川へ。開始早々に良型チヌを足元でバラすも、アーバンホグ7gフリーリグで鹿児島初チヌとマゴチをキャッチ! 本命を釣ることができてひと安心。
マゴチもキャッチ
ただ、どこか見慣れたローカル河川の雰囲気だったので、「せっかく鹿児島に来たんだから」と、地図を頼りに次の場所へ。
次に辿り着いたのは、河川上流の潮止め堰堤。淡水の匂いと空気感に触れると、チニングというよりも、少年時代のバス釣りや、日本海の清流で夢中になって川鱸を追いかけていた頃を思い出しました。
ラフトリック70Fには反応がなかったものの、アーバンホグのフリーリグに替えるとすぐに銀ピカのチヌがヒット! 小規模なフィールドでは、高レスポンスなシルバーウルフCTの軽快さも大きな武器でした。
そして最後に向かったのは、今回の本命。桜島を望む地磯。
奥には桜島
「この景色の中でチニングできたら最高やん!」。そんな思いでラフトリック90Fを投げ続けましたが、潮位と風の影響でトップには厳しい状況。時間も限られていたのでフリーリグへ切り替え、まずは桜島をバックに鹿児島らしい1枚。
桜島とチヌ
遠征では釣果ももちろん大切ですが、自分にとっては、その土地ならではの景色の中で竿を振る時間も同じくらい大切です。
中海から望む大山、天草から望む雲仙岳。その土地ならではの景色と釣りが重なる瞬間が、遠征の一番の楽しみなのかもしれません。
その後、シャローをゆっくり回遊する巨大な魚影を発見。年無しどころか、60cmはありそう。アーバンホグを進行方向へ送り込み、サイトで一発。岩だらけのシャローで暴れ回る魚をシルバーウルフEX75MLBで慎重に寄せると……。
上がってきたのはチヌではなく、58.5cmのコショウダイ! いつか釣ってみたいと思っていた魚だったので、本当に嬉しい1本でした。
58.5cmのコショウダイをキャッチ!
最終的な釣果は、チヌ8枚、コショウダイ、マゴチ×3、ガシラ×2、コトヒキ、ヨコスジイシモチ。鹿児島らしい景色と、多彩な魚たちに出会えた最高の釣行。またこの景色の中で竿を振りに来たいと思います。
鹿児島で出会った魚たち
こんな所にチヌが!?
夏休みの小旅行先で、隙間時間を見つけてチニングを楽しんできました。
カワムツの群れが泳ぐような淡水域で、チヌやキビレが次々とバイトしてくる衝撃の光景。
淡水域でのチニング
木漏れ日の中で楽しむチニング
さらに汽水域ではフリーリグでもキャッチ。トップでもボトムでもしっかり反応があり、ツ抜けも達成。初めてのフィールドでしたが、釣果も上々でした。
蝉の声と水音を聞きながら、木漏れ日の中で楽しむチヌトップ。控えめに言って、最高のロケーションです。
トップでもキャッチ
これまでかなりチニングをやり込んできたつもりですし、全国各地のさまざまなフィールドでも釣りをしてきました。それでも、まだ「こんな釣りがあるの!?」と驚かされる。
チニング=河川や河口というイメージが強いですが、そんな固定観念を覆すような、まだ見ぬ素敵なフィールドやパターンが、きっと全国にはたくさんあるはず。
知れば知るほど、まだまだ知らない世界がある。チニングの可能性は、無限大ですね。
【森 浩平(もり・こうへい)】
大阪府在住。アーバンチニングの第一人者で、クロダイ・キビレの年間キャッチ数は年間2000枚を越すことも。ベイトタックルスタイルとフリーリグの有効性にいち早く着目し、この釣りを普及させてきた。愛称はもりぞー。
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