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「グロ注意」「うわぁ…キモすぎる」魚の舌を奪って住み着く”寄生虫”の正体とは。

魚の口を開けたら、そこに「もう一匹の生き物」がいる。そんな衝撃的な光景を生み出すのが、魚の舌に寄生するウオノエの仲間だ。舌を奪った後、まるで自分自身が舌になったかのように居座る、その驚きの生態とは?

●文:ルアマガプラス編集部

“舌”を奪って寄生する

魚の口を開けたら、そこに見慣れない生き物がいる。しかも、魚の「舌」があるはずの場所に、まるで舌そのもののように寄生虫が住み着いている。

そんな奇妙な光景を生み出すのが、ウオノエ科に属する寄生性の等脚類だ。なかでも「舌を食べる寄生虫」として知られているのが、Cymothoa exigua(シモトア・エグズア)である。

魚の舌に寄生するCymothoa exigua(シモトア・エグズア)。
Photo: Marco Vinci / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/?utm_source=chatgpt.com

見た目のインパクトだけでも十分に驚かされるが、さらに恐ろしいのは、その寄生方法だ。

魚の舌に取りつき、血液を吸う

シモトア・エグズアは、魚のエラから体内へ入り込むと、口の中へ移動して魚の舌に取りつく。そして舌に流れる血液を吸い続けることで、舌への血液供給を妨げる。

その結果、魚の舌は次第に萎縮していき、最終的には本来の舌としての役割を果たせなくなってしまう。

魚の舌に寄生するCymothoa exigua(シモトア・エグズア)。
Photo: Marco Vinci / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/?utm_source=chatgpt.com

ここからが、この寄生虫の驚くべきところだ。

普通なら、宿主の器官を壊した時点で寄生は終わりそうに思える。しかしシモトア・エグズアは、その空いた場所に自らの体を固定し、まるで魚の舌の代わりになったかのように居座る

魚からすれば、自分の舌が失われたにもかかわらず、その場所には寄生虫が存在している状態になるのだ。

「舌を食べた後、自分が舌になる」

この生態から、シモトア・エグズアは英語で「tongue-eating louse(舌を食べるシラミ)」などと呼ばれている。

ただし、名前に「シラミ」と付いていても、人間の頭などに寄生する一般的なシラミとは別の生き物だ。分類上は甲殻類の仲間で、ダンゴムシやフナムシなどに近いグループに属している。

つまり、魚の口の中にいる奇妙な生物は「虫」に見えても、実際にはエビやカニ、ダンゴムシなどと同じ甲殻類の仲間なのである。

魚の舌に寄生するCymothoa exigua(シモトア・エグズア)。
Photo: Marco Vinci / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/?utm_source=chatgpt.com

さらに興味深いのが、寄生された魚が必ずしもすぐに死ぬわけではないことだ。

シモトア・エグズアは魚の舌を利用して栄養を得た後、その場所にとどまり続ける。そして宿主である魚が生きている限り、魚の体から栄養を得ながら生活する。

宿主を殺してしまえば、自分自身も生きられなくなる。だからこそ、魚を生かしたまま、その体の一部を自分の生活場所として利用するという寄生方法が成立している。

日本の魚にも寄生する

こうしたウオノエ科の仲間は日本近海にも生息している。

魚の口やエラ、体表などに寄生する種類が知られており、釣り上げた魚を観察していると、思わぬところからウオノエ類が見つかることもある。

ただし、ウオノエ科には非常に多くの種類が存在し、寄生する魚や場所も種類によって異なる。そのため、魚の口の中で見つけた寄生虫を、すべてシモトア・エグズアと断定することはできない。

また、見た目はかなり不気味だが、魚に寄生するウオノエ類がそのまま人間に寄生するわけではない。釣った魚の口の中から見つかったとしても、それだけで人間に危険が及ぶというわけではない。

魚釣りでは、普段は魚の口の中まで細かく観察する機会は少ない。しかし、魚の口を開けてみると、そこには思いもよらない生き物が潜んでいることがある。

魚の舌を奪い、その場所を自分の住みかにしてしまうシモトア・エグズア。

「寄生虫」と聞くと、単純に宿主の体から栄養を奪う生物を想像しがちだ。しかし、この生き物が見せるのは、宿主の器官そのものを失わせ、その空いた場所を自分自身で置き換えてしまうという、驚くほど特殊な生存戦略だ。

もし釣った魚の口を開けたとき、そこに「魚の舌とは違う何か」が見えたら、それは単なる異物ではないかもしれない。

魚の体を舞台に、こんな奇妙な生存競争を繰り広げる生き物がいるのだ。

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