
世界的に有名なイギリスのアウトドアジャケットメーカー「バブアー」。フィッシング、ハンティング、乗馬などのアウトドアアクティビティと密接に結びつき、英国王族の“御用達許可状”を受けている老舗だ。アメリカの俳優でありレーサーとしても活躍していた故スティーブ・マックイーンが着用していたことでも知られているが、中でも真っ先に思い浮かぶものが「ワックスドジャケット」ではないだろうか。少なくともトラウト歴の長いアングラーほどピンとくるはず。このアイテムを長年愛用し続けている、東京神田の釣具店「山口屋釣漁具」の山口浩氏に話を聞いた。
●文:ルアーマガジンリバー編集部
自らオイルを染み込ませるほどに風合いが増すジャケット
山口浩さん(以下山口)「もう20年以上前の話になりますが、利根川の坂東漁協管轄区域でルアーが解禁された頃に、私もルアーフィッシングを始めました。この頃手に入れたのがバブアーのワックスドジャケットでした。
購入したきっかけは、雑誌などでフライマンが着用している姿を見て“カッコイイな”と。新品で購入すると値が張るので、原宿の古着屋などを探し回りました。
このジャケットの特徴は“オイルドコーティング”です。防水性を出すために、全体にオイルが塗ってあります。メンテナンスにも専用のオイルを使うのですが、このオイルの匂いが非常にキツイんです……。最初は結構気になりましたが、オイルを塗り込んでいくうちにこの“激臭”にも愛着がわくようになっていきました」
専用のメンテナンスオイル。現在は“激臭”も改善されているそうなので、ご安心を。
気を張らずにゆったりと釣りを楽しむためのアイテム
山口さんがルアーを始めた頃は、アユタイツを履いて渓流や本流を夢中で歩いていたそうだ。しかし、バブアーのジャケットと出会ってからは、気を張らずにゆったりと釣りを楽しむ機会も増えたという。
山口「重くて蒸れる。そんな難点もあります。現在は、軽量かつコンパクトな高機能アウトドアウエアがたくさんありますから、言ってしまえば“時代錯誤”なのかもしれません。それでも、釣り場でジャケットのズッシリとした重厚感を感じれば、釣りに余裕が出てくるような気がします。スエードやタータンチェックなどの“伝統の仕様”も気分を高揚させてくれます」
デザイン性はもちろん、オイルを塗り込み手塩にかけて育てる愉しみがある。新品を自分で育てるのか? もしくは、古着屋ですでに風合いの出たものを探すのか?
違いのわかる大人のアングラーならば、ぜひ1着は持っておきたい伝統のジャケットである。
※本記事は”ルアーマガジンリバー”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
よく読まれている記事
大西健太さんの琵琶湖ガイドではデカバスラッシュが継続中! 使っているルアーはグラスリッパー+ヘッドシェイカー5+ヒッチフックSの組み合わせ。このビッグバス祭りに乗り遅れるな! 釣れれば50確定のスイミ[…]
エリアトラウトやアジングはハマるほどタックルにもこだわりたくなるもの。その欲求を満たすリールのニューカスタムパーツを釣りフェス2025横浜で発掘! ドライブフィッシングが放つ“すべらないハンドルノブ”[…]
実在するルアーを擬人化するプロジェクト「ルアープリンセス」。先日のキープキャスト2025でその姿がついに公開された。ここでは彼女たちとオリジンルアーを併せて紹介しよう! 『ルアープリンセス』の世界観 […]
気温が0度近くになることもある冬の霞ヶ浦水系。この時期はオフシーズンとして釣りをしないアングラーもいるだろう。しかし、猛者たちはフィールドに繰り出し、例えバイトがなかったとしてもキャストを続ける。そん[…]
釣りの多様化にともない、国内遠征はもちろん海外へとターゲットを求めて飛び回るアングラーが増えた今、移動時の携行性を重視しつつも怪魚・巨大魚に負けないパワーを持った本物志向のロッドが求められている。そし[…]