
西村さんは普段からどんな釣りにおいてもベイトタックルを使用する。それはいろいろな面でベイトタックルが有利だからだ。その理由について、解説をお願いした。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
西村 均(にしむら・ひとし)
ドクトルニシニシの愛称で親しまれている、新潟県・中越エリアの凄腕アングラー。ロックフィッシュの他にアジング、青物、シーバスなど季節に応じたターゲットをベイトタックルオンリーのスタイルで追求する。
マニュアル車のように扱えるベイトタックルが、釣りを充実させる
西村さんは普段からどんな釣りにおいてもベイトタックルを使用する。それはいろいろな面でベイトタックルが有利だからだ。ロックフィッシュにおいては、そのメリットが特に大きいという。
BC4 8.0MHは、高感度の張りを持ちつつ、しっかり曲がり込むのが特徴。ボトム系の釣りに適した長さ、パワーとアクションを備えたモデルだ。
西村「ロックフィッシュはボトムの起伏を釣ることが多く、フォールバイトも多い。ベイトはクラッチを切ってラインを送ることができるから、自然なフォールを演出できるんです。今日も、岩を乗り越えた後のフォールでバイトがあり、即座にフッキングすることで釣果につながりました。こういった動きを偶然ではなく狙ってやることができるんです」
ベイトならショートレンジで狙ったピンに落とすことが容易だし、ちょい沖のシモリにも正確にプレゼンテーションさせやすい。また、スピニングではリグをフォールさせる場合、ベイルを起こしてラインをフリーにするため、狙った通りの速度で落とせなかったり、何よりフォールバイトが取りにくい。これはロックフィッシュにおいては大きなデメリットなのだ。
BC4 8.0MH(フィッシュマン)
●全長:8ft●継数:4本●仕舞寸法:65cm●自重:228g●適合ルアーウエイト:8〜55g●適合ライン:PE1~4号●価格:5万9000円(税抜き)
あらゆるルアー、あらゆる魚種を視野に入れたマルチパーパスロッド。ワームのボトムコンタクト系の釣りからジグのキャスティング、小〜中量級プラグの釣りまでなんでもこなす。MHだがバットパワーは凄まじく、アカメやキングサーモンなども難なくキャッチできる。
そして、ベイトタックルは一連の動作に楽しみがある。
西村「ベイルを起こして投げればルアーが飛んでいくスピニングは、車で例えれば誰もが運転できるオートマ車。ベイトは全て自分でコントールするマニュアル車です。自分でオイルをさしたり、スプールを変えたりすればキャストフィールも変わるので、メカを愛でる魅力もありますね。スピニングは構造が同じなので、リールをどんなにカスタムしても飛距離は大きく変わりません。自分の中では、釣りの満足度を上げてくれるのがベイトタックルなんです」
【西村さん使用タックル】
ロッド:BC4 8.0MH(フィッシュマン)
リール:フルレンジPG73L(テイルウォーク)
ライン:PE2号
リーダー:フロロカーボン6号
手首がまっすぐになることで、ロッドが手の延長になる。それがベイトタックルの利点の1つ
スピニングの重心は下になるので手首が下を向くが、ベイトタックルはロッドと手が一直線になりやすい。これが正確なキャスタビリティにつながるのだ。西村さんはベイトリールを握りこむように持つことで、さらにロッドが手の延長になるようにしている。これにより、安定したルアー操作や魚とのファイトを可能としている。この点は、ベイトタックルにしかない有利なポイントだと言えるだろう。
ベイトタックルでPEラインを使用する場合、安定した飛距離を実現するためには、ラインの手入れも欠かせない。フィッシュマンからリリースされているPE革命は、PEラインの毛羽立ちなどを抑え、初期性能をより長く維持してくれる。西村さんも愛用する、PEライン用コーティング剤だ。
PE革命(フィッシュマン)
ケイ素が含まれたコーティング剤で、PEに染み込むことで張りや滑らかさがアップし、飛距離向上にもつながる。ベイトタックルはラインに負担がかかるので、このアイテムが活躍。PEが毛羽立ってきた時に使うとより効果が実感できる。
スピニングタックルにも利点があるように、ベイトタックルにも独自の利点がある。それを理解した上で、釣りの幅を広げるためにもベイトタックルの活用は、有効な選択肢といえるだろう。
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