平成最後のJBトップ50は平成生まれ! 三原直之が初優勝【2019開幕戦速報 ゲーリーインターナショナルCUP in 七色ダム】



試合前々日まで防寒ウェアが手放せない冬の様相から、オフリミットの前日は一気に例年5月並みの陽気へ。折りしも潮回りは新月大潮が重なり、フィールドコンディションは上向き傾向。4月5日〜7日の3日間、奈良県・七色ダムで開催された春爛漫の2019トップ50開幕戦は、ギャラリーの期待を裏切ることなくビッグバスが乱舞することとなった! 見事に栄冠を勝ち獲ったのは3日間トータルで圧巻の16475gを叩き出し、トップカテゴリー初優勝を飾った若きリザーバーマスター・三原直之選手。七色ダム戦3DAYSレコードで平成時代の歴史を塗り替え、その存在感をひときわアピール。令和時代初年度のA.O.Y.(年間チャンプ)へ向け、万全の体制を整えた。

■アングラー
三原直之(みはら・なおゆき)

1991年(平成3年)2月18日生まれの28歳、鳥取県出身・兵庫県在住。スポンサーはイマカツ、東レ、リューギ、アウトドアハウスアオノ、東条湖ビッグバイト、ジーニアスプロジェクト。
主な戦績は2015クラシック池原ダムウィナー。2014JBⅡ東条湖A.O.Y.、2015JB生野銀山湖A.O.Y.。2018JB津風呂湖第2戦優勝ほか。JBTOP50参戦5年目、2019ゼッケンNo.19。



予選暫定2トップが3位に3kg差! 首位・山岡計文と決勝デスレースへ 

JBトップ50シリーズは予選2日間を終えると、DAY3最終日の決勝へ進出する暫定上位30選手が発表される。予選こそポイント制で、各日の重量順に得たポイントの積み重ねで順位は決定するが、DAY2を終えた時点でウェイト制へと変換。決勝は『最も釣った者勝ち』という、実にわかりやすいレギュレーションとなる。

予選での暫定1位は「(自宅の)窓からルアーを投げれば湖面に届く(!?)」という七色ダムの超ローカル山岡計文選手。DAY1に6660gという驚異的なスコアで次点に差を広げ、DAY2も高値安定で堂々の首位通過。もはや他選手の付け入る隙なしかとも囁かれる見事な結果だった。

しかし、DAY1の4kg台からDAY2にはおよそ、その2倍にも迫る7495gを積み上げた三原直之選手が、暫定2位に食い込んできた。

準優勝は、スーパーローカル・山岡計文選手。地元・奈良県下北山村の村議会議員も務める。

3kg差は、七色では非安全圏。決勝で出るか、4kgクラス!

予選終了時点で2トップのウェイトは、首位・山岡選手が12435gに対して、2位・三原選手が12kgジャスト。共に、他フィールドであれば既に優勝ウェイトとなる数字をマーク済みで、その差はわずかに435g。キーパー1尾ほどのウェイト差だ。一方、3位以下は9kg以下となり、この時点で3kg弱もの差が開く異例の事態に。

『山岡vs三原、一騎討ち』

誰もがそう確信したに違いない。

しかし、3kg差はけっして優勝安全圏とは言えないのがここ七色ダム。2017年開催時には、今戦の上位2選手のように青木大介選手と小森嗣彦選手が頭ひとつ抜けて予選をリードしたが、最終日には小林知寛選手が暫定3位からの大逆転優勝を魅せたことは記憶に新しい。

そう、この地は国内有数のビッグバスフィールド。1尾で3kg、いや4kgを稼げる可能性もゼロではない。

DAY1帰着時の1枚。手前のイマカツラッピングが三原選手。奥にブルーのフェンウィックが山岡選手。トップカテゴリー七色ダム戦は60馬力制限のレギュレーションだ。


三原、山岡共に16kg台! 平成の七色ダム史を塗り替える

最終日ウェイイン。タフさ極まれる決勝DAY3ながら、圧巻の7kg台を黒田健史選手が持ち込む。しかし、予選でのスコアが響き頂点には届かず3位入賞に踏み止めた。

結果は、山岡3720g、三原4475g。

三原直之選手の逆転優勝が決定。予選終了時点での400g差を覆してもなお余りあるウェイトだ。なお、3DAYSで16475gは、トップカテゴリー七色ダムレコードを塗り替え、22年目のトップカテゴリー全戦で歴代8位にその名を刻んだ。

決勝DAY3の三原選手にはルアーマガジン記者が同船取材済み。4月26日発売号で、現場のリアルをお届けする予定だ。

初優勝を決めた瞬間、全身全霊で咆哮する三原選手。JBトップ50参戦5年目、幾度もの優勝レースで涙を飲んだが、ついに、つ・い・に! 栄冠を勝ち獲ることに成功した。


28歳、若きリザーバーマスター、令和時代のJBトップ50リーダーへ!

振り返れば2017弥栄ダム準優勝、2018桧原湖第3位、そして昨季の総決算戦クラシックでは準優勝と、その強さは定評ながらも2015年以降はメジャー戦での勝利に恵まれなかった三原選手。今回のトップカテゴリー初優勝は平成時代の悔しさを一掃し、令和時代の強者へと繋ぐ布石となる。

平成3年生まれ、キャリアのピークを迎えるにはまだまだ早い弱冠28歳。もう怖いものは何もない。恐れるものは何もない。新たなる時代のトーナメントリーダーを予感させる末恐ろしい存在。まずは、今季のJBトップ50A.O.Y.獲得へ向けて準備が整った。

写真は、三原選手が武器としたウイニングルアーのひとつ、「ギルロイドJr.ブーツテール(イマカツ)」の「寒鮒 銀」。「色もキーになった」という。上位2選手共に同エリアで、使用ルアーやアプローチも実に似通っていたことを後に知る。詳細は、4月26日発売の『ルアーマガジン6月号』で解説。

大会結果は、JB&NBC公式サイト・NBCNEWSを参照。


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