デカダンストーイ、デカダンスフィー…。ハネモノプラグの特異点ともいうべき、おなじみクワイエットファンクの代表作のひとつ。その実釣性能は飛び抜けていて、トップウォータープラッガーだけではなく、トーナメンターやロコアングラーにも愛用される逸品だ。そのデカダンスの、源流に迫る!
全ては、あの伝説の店から、ハネモノで始まった
久保田「クワイエットファンクとして初めてリリースしたのが、木曽ヒノキで作ったミンミンゼミというルアーですね」。
それは1995年のこと。当時、トップウォーターブランド「道楽」の前身だった「ダンサーズ・オブ・ウォーターライン」というショップがあった。その店は、道楽代表・山根英彦さんがルアーを作るかたわら切り盛りしていた伝説の店。常連には、のちに活躍するルアービルダーが何人もいて、久保田さんもその一人。
久保田「最初のプラグもデカダンスという名前にしてたんですが、山根(英彦)さんがセミみたいだからミンミンゼミに、と(笑)」。
デカダンストーイ(クワイエットファンク)
発泡素材の軽やかさと、オールのブレードのようなウイングが奇跡のアクションを生んだ名作ハネモノ。
サイズ展開があり、小さい順に、カーナ(3/8オンス)、オリジナルサイズ(5/8オンス)、マグナム(3/4オンス)、グランデ(1.5オンス)、スーパービッグ(3・3/4オンス)の5サイズ(ライトverもある)。
また素材は、商品名の後ろにトーイとつくのが発泡素材で、フィーはプラスチック、ヴィーは量産ウッドモデル。
そして、1997年5月にデカダンストーイが発売される。
久保田「当時、個人のビルダーで金型作って量産モデル出す人は周りにいなくって。値段も高いし、デカいし無謀や! と言われました(笑)。試作品を作り始めて、シェイプやバランスなどかなり時間がかかって…半年か1年近くやってましたね。後にも先にも、一番時間がかかったのがデカダンストーイです」。
しかしなぜ、ハネモノだったのか。
久保田「好きなのはジッターバグで、よく作っていたのはペンシルベイトだったんです。でも、形や仕組み的におもしろかったのがクレイジークローラーだったので、セミをモチーフにオリジナリティのあるルアーを作りたかった…んでしょうね。あんまり覚えてないんですが(笑)」。
貴重なミンミンゼミの近影! photo by久保田健二
2019年ルアーマガジン8月号では、デカダンスの愛好者代表として、ジャッカル川島勉さんと久保田健二さんの対談を企画! 川島さんにとってのデカダンスとは…、ポンパドールはデカダンスのXXXXXX?? お二人のレアすぎる初トークを、弁慶橋ボート場で取材しました。請うご期待!