『熱闘! 陸王MOBILE 甲子園!』最終幕、いざ決勝のときが迫る。この日のために己の全てを捧げ、ストイックなまでに身体と精神を仕上げてきた、東京代表・羽生和人と福岡県代表・酒井俊信の2人。早朝の今から夕刻の18時まで約12時間の闘いを経て、最後に笑い、最後に泣くのは、はたしてどちらなのか。恐れるな、前を向け。振り向くな、キミは美しい。全身全霊でまだ見ぬバスと闘う、究極の陸王者決定戦 in 旧吉野川。若人よ、いざ! 最後の最後まで、一挙一動を見逃すな!
対戦カードはこちら!
■ENGINE
羽生和人(はぶ・かずひと)
■DUO
酒井俊信(さかい・としのぶ)
陸王MOBILEレギュレーション
【競技について】
■キーパーサイズ25cm以上5尾の総重量で競う。ウェイトおよび全長は、プレスが持ち込んだバネばかりおよびメジャーを使用し、プレス確認のもとで正式スコアとする。バスの全長は口閉じ尾開きで計測する。
■プレスのランディング補助は不可。
■ランディングネットの使用は可能。
■競技時間中のヒットであれば、休憩時間や終了時間を過ぎてのランディングは可能。
【タックル】
■試合当日に使用できるのは2セットまで。タックルが故障の場合は、プレス確認の元で、同様の代用品の交換はOK(替えスプールは合計2個まで使用可能。ラインの巻き替え、スプール交換は自由)。
※プラクティスはこの限りではない。
■ライフジャケットは着用のこと。
【競技エリアについて】
■競技エリアは旧吉野川(徳島県)。エリア内であれば自由に移動は可能とする。
■最下流は以下の通りとする。
旧吉野川:空港大橋(県道40号線)橋脚下まで
今切川:河口堰手前の消波ブロックまで
■その他流入河川、水路に関しては本流から2本目、もしくは水門まで。
■橋下からエリア外に向かってのキャストはOK。
■その他ローカルルールに準ずる。
【競技時間について】
■スタート時の集合場所は今切スロープ前とする。
■スタート時刻は6時00分ごろ。競技終了は18時00分にその場にてストップフィッシング。その後集合して結果発表に移る。
■競技中、9時に30分、12時に1時間、15時に30分のハーフタイム(休憩)を設ける。休憩はその場からの移動不可(釣り以外であればこの限りでない)。
■9時30分に相手の尾数の発表、13時00分に相手の最大魚の発表を行う。
それではさっそく対戦の模様をお届けしていきましょう!
【06:10|羽生】ファーストエリア
スタート後、今切のスロープから上流、鳴門藍住大橋を越えた支流の小規模河川に入った羽生選手。
羽生「慌てないこと。結局自分との勝負ですから。普段をどこまで出せるかですね。粘るときはとことん粘ります。この場所がそうですね」
プラのときに見つけたサンクチュアリ。ここだけで勝負できると言う羽生選手の意気込みがうかがえる。
【06:23|酒井】「夏に欠かせないタックルのひとつ」
酒井「蚊(カ)に1バイト喰らいました(笑)。いや、2バイト、3バイト…ダメだ、これ! オレの血がなくなっちゃうよ(笑)」
そんなこたぁないと思うが、一旦クルマへと戻り虫除けスプレータイム。
心優しい酒井さんはカメラマンさんの脚にもシュッシュと。
ヨシ万全! 実釣を再開だ!
【06:23|羽生】久しぶりに
羽生「竿振ってるよ(笑)」
公開プラのときは竿を持たなかった羽生選手。初手はブーンチンに0.9gのネイルシンカーを入れて沈む虫をさらに沈める。
足元や対岸のカバーに入れ込み、フリーフォールさせて、中層~ボトムでシェイク。
羽生「地味な釣りですが、拾っていきます。釣れれば何でも良いんで」
【06:34|酒井】状況の異変を察知
ハリーシュリンプからドライブビーバーへリグの具をローテーション。カラーはシルエットをしっかり出すべく黒へと。
足下のベジテーション際をひとつひとつ撃っていく。
酒井「あれ? 昨日までの白濁りから回復してるような…」
クリアアップか…。状況は厳しさを増すのか…。
【06:39|羽生】陸っぱりは
羽生「年に0回です(笑)。亀山でトキタさんの桟橋に帰着したあと、片付け終わったら少し投げる程度ですね」
ただ、今回の陸王MOBILEが決まってから数年ぶりに霞陸っぱりに一回行って勘を取り戻したとのこと。
羽生「でも、やっぱりボートがいいな俺は。車って乗り込んだら気持ちが切れちゃうから。だから、この小規模河川をメインエリアとして、かなり粘ると思いますよ」
ブーンチンネイルリグを入れ、そのフォローでレインズスワンプミニのノーシンカーワッキーで探る。
羽生「バスがルアーを見つけてくれない感じだから、なるべくフワフワさせたいんですよ。三島湖でやってるパターンです」
【07:02|酒井】本日1尾目!(え
酒井「釣れたのはうれしいけど(笑)」
残念ながらライギョでノーカウント…。
酒井「アタった瞬間に水面にアワが立って、おかしいなと思ったら(笑)。ヒットルアーはドライブビーバーです…て、言わなくてもいいですか?(笑)」
ウォーミングアップ完了。さ、本命へ!
【07:00|羽生】唯一のネック
陸王MOBILEのエリアに『支流は橋2本めまで』ルールがある。今回の小規模河川では、奥の橋が2本めだ。
羽生「でも、これ橋の機能果たしてないんですよ。車通れないし、片方道じゃないし、利用して渡るの土地の所有者だけだし。これ、本当に橋と呼べるんでしょうか?」
色々と疑問は多いが、構造上は…橋だ。涙をのんで橋より上流は撃たない。
【06:50|酒井】本日のタックル、セットリスト[その1]
現在メインで使用中のベイトタックルは次の通り。
酒井「カバー撃ちだけならもう少し硬いほうがいいですけど、それだと他の巻きの釣りとかがやりにくくなるんで」と選んだバーサタイルな1本。
もう1本、レアリス忍虫(Duo)がセットされているスピニングロッドは…エクスプライド266L-2(シマノ)。こちらについての詳細はまたいずれ。
なお、レンタカー内でロッドを支えているのは、カールロッドホルダー(ボトムアップ)。
酒井「100均のロッドベルトみたいなやつをヘッドレストに巻いてセットしました」
ナイスアイデア!
【07:10|酒井】「これが陸王ってやつですよ(笑)」
ライギョをキャッチ後、リグり直して、さぁ再開…と思いきや、ラインがロッドのトップ~第3ガイドを通過していない…。
酒井「普段は絶対にこんなミスしないのに、浮き足立ってますね(笑)」
陸王MOBILE 初出場の見えないプレッシャーが襲いかかる。
【07:20|羽生】リグ変えます
PEのスピニングタックルにスワンプjr.の1.8gシンカーネコをリグる。
羽生「亀山パワーフィネススタイルです。スナッグレスにしようか、ガード付きにしようかで悩んでますが」
ところで、今回の陸王MOBILEのタックル2本ルールで2本ともスピニングを選んでいるが、その理由は?
羽生「房総でもベイトやるんですが、それでもスピニングで釣っちゃうんですよ。自分らしくやるならライトリグ、パワーフィネスかなと。それで、1日スピニングの釣りでやり切ろうと思って」
【07:25|羽生】戦慄
羽生「笑えることに今日が僕の誕生日なんですよー。自分の年確認しましたもん(笑)」と場が和んでいた瞬間、突然のバイトで戦慄が走る!!
しかし、捉えきれずに悔しさとともに考え込む羽生選手。「わかんないな。ギルかな…」。
そこで、PEタックルの方をシェイクロー3.5gフリーリグに変えて再アタック。
羽生「PEが耐えられるかが不安だけど、ちょっとパーツ多い系がいいかなと。スモラバにしたかったんだけど、車にあるから(笑)。でも、今のバイトで次のやることがわかりました」
【07:40|羽生】釣れるときは釣れる
羽生「そんなもんですよね、釣りって。すみません、当たり前のこと言って(笑)」
今度はシェイクローの1.3gネコリグに変えて足元を撃って1点シェイクを繰り返す。じっくりやってるのでわずか約100mの距離ですら1往復まだしていない。
【07:55|羽生】流れが効いてきた
今度はフロロのスピニングタックルにスワンプミニ1.8gのオフセットダウンショットをリグる。
すると、これまで止水していたのが上流に向かってゆっくりとカレントが効き始めた。
羽生「これは良いタイミングだと思います。バスが差してきやすいですよね」
機は逃さず、少しでも多くの時間ラインを水に浸けておく。
【07:56|酒井】本日初の移動
酒井「あ、出勤時間帯のピークかな、8時は…」
しかし、上流方向へのルートは比較的スムーズ。
酒井「上流域に1ヶ所だけ狙っておきたいところがある。満水日でも流れが期待できます」
まずは1尾目を獲りたい。
【08:10|羽生】タックル1本目
ここで、羽生選手の1本目のスピニングタックルを紹介したい。現在、スワンプミニのダウンショットがリグられている方だ。
【08:20|羽生】休ませる
小規模河川を1往復終え、次にむかったのは近くの本流筋、鳴門藍住大橋上流の水門周り。
羽生「今日は水門閉じてフル満水の日だからとは思ってたけど、案外流れてるんですね」
川なので多少の水の動きはあるのだろう。
羽生「でも、バスが見えないとやってらんないです。生命感があまりにもない。休ませてた河川の方に戻ります」
【08:20|酒井】往年の秘密兵器を投入か!?
往年のグランダー武蔵世代なら誰もが知る名作、キングオルカイザー!
酒井「フフフ、登場の機会をうかがいます」
マジで???
宮川内谷川へ到着。
【08:35|羽生】2本目のタックル
羽生選手が今回の試合で選び抜いたもう1本がこちら。
現在はブーンチンの0.9gネイルシンカーがリグられている。
【08:34|酒井】バックスライド投入
フィルターユニット際へ滑り込ませたのは、ハガー(ゲーリーインターナショナル)のノーシンカー。アームはオレンジにディッピング済み。
プラクティス初日にバイト多発して、フッキングせずともくわえたまま離さず水面まで見えたのはキロアップ以上。本日も魚は好反応を見せてくれるのか。
朝露が太陽に照らされ蒸発を始め、ヤブの中は現在サウナの如し…暑い、あづいよ…。
【08:45|羽生】またも戦慄!
ブーンチンのタックルでカバー付近を攻めていると、PEラインがかすかに動くとともにフルフッキング!!
がっ!乗らない!!
羽生「このアワセで乗らないのはバスじゃないかな。ギルか、カメか」
いつもながらに思うが、記者にとってアングラーの一挙一動が心臓に悪い。
【08:47|酒井】見えバス、発見!
酒井「タマネギに頭を向けて2尾います…何かエサを狙っているんだと思います。今何時ですか?」
8時47分、休憩の9時まであと13分です。
酒井「休憩前に釣れなくても、場を30分休ませて、もう1度狙う価値はありますね…うぁ…」
和船2艘、目の前を通過。魚は姿を消した…。
【08:58|羽生】朝のブレイク間近で
羽生「いたいたいた!キロぐらいありますね。シェードに浮いてました」
残り3分で待望のバスを発見! 羽生選手がここで粘る理由は、1番多くのバスを見たからだ。そして、プラでも実際に釣っている確信を持てるエリアだ。
羽生「撃ちません。慌ててアプローチしても良いことがない。居ることが確認できただけで十分です」
ここで、30分の休憩に入る。落ち着いて、リスタートに備える。