陸王MOBILE2019第4戦秋の陣を即日レポート! 浦川正則(O.S.P)vs 高梨洋平(FU&LD&VV)【愛知県・油ヶ淵】part②



今秋に行われる決勝チャンピオンカーニバル、最後の切符を賭けたツアーファイナル戦。カードは、奇しくも今季出場選手の中で最若手と最年長によるバトルとなった。福島は桧原湖、スモールマウスマイスターとして知られる高梨洋平選手。対するは、徳島は旧吉野川、スーパーローカルとしてその名を轟かす浦川正則選手。ミステイクを恐れず突き抜け続ける若さ、熟練だからこそ魅せる安定感。その対比も実に興味深い。舞台は未知なるフィールド、愛知・油ヶ淵。まだ見えぬMAX ウェイトを求め、終始トップスピードで駆け抜ける計11時間のバトル。最後まで見逃すな!



スタートから9時のハーフタイムまでの展開はコチラ!!!

現在、高梨さんが420gを1尾を釣り上げリード!!日本屈指の激タフフィールドといわれる油ヶ淵。はたしてこれからどのような展開が待ち受けているのかっ!?

【09:34|浦川】ゲーム再開ですわ

先ほどのデカバスを再確認して勝負!…というところで午前のブレイクタイムが訪れた。30分の休憩後、中間報告を聞く。

高梨選手、1尾。

浦川「…はい。その1尾がデカいか、どうか。でも、それ以前に俺も1本釣らんといけないですね。30分ってこんな長いんですか。休憩いらんすわ(笑)」

浦川選手、師範代として技で返したいところだ!

【09:40|高梨】またしても接近遭遇!

本日2度目? いや、3度目の両岸攻防!

【09:55|高梨】徒歩で大きく移動へ

高梨「昨日(記者が)言っていた通り『プラでは1度も逢っていないのに、本戦ではなぜかバッティング』…その通りになりましたね(笑)」

今年の陸王MOBILE に限らず、10年超の陸王史においてもそれは度々起きてきたことだ。

たとえ初場所でも、今最もホットな水域を嗅ぎわける能力はすべての陸王戦士たちに備わる優れた能力。しかし、勝つか負けるかは、その先にある。目の前にそびえる高い壁を乗り越えることができる
か否か。焦点はそこにある。

高梨「水門に魚が執着しなくなってきた。下流には浦川さんがいるんで、上流へ動いてみます」

この移動が吉とでるのか。

【10:01|高梨】「コレ、絶対あったほうがいいですよ」

高梨「フィールドにゴミを残さないし、懐が痛むこともないし」

スピードキラー(フラッシュユニオン)の命を救ったのは、「ボートでも陸っぱりでも必ず用意する」という救世主『ルアーキャッチャー』(DAIWA )。2000円弱で購入可能なルアーフィッシングの必需品だ。

【10:15|浦川】粘ってますわ

浦川「もう、結構な時間やないですか?」

時計の針は10時15分を指している。移動せずに稗田川だけをそろそろ4時間が経過しようとしている。時が経つのはあっという間だ。集中力とは恐ろしい。

依然デカバスを仕留めにかかるが、惜しくもギリギリで喰わせられない。このもどかしい状況を一蹴する一撃を見て欲しい!

【10:15|高梨】油ヶ淵はタイダルなのか否か?

海に程近く、再下流の水門で淡水をせき止められた油ヶ淵。その水門の動きは、潮の干満の影響を受けるのか。ある人によれば、YES 。またある人は、NO 。

昨日1日だけを見ても確実に水位の変化はあった。ところが、タイドグラフに照らし合わせても、その時間がマッチングしていない。謎だ。

高梨「僕がやるべき最も大切なことは、その変化したタイミングを見逃さないことです」

いつそのときが来るのか予想することができれば便利だが、それが最優先事項ではない。

高梨「さすがに水位が下がりすぎなので、下流方向へ向かいます」

賢人・高梨選手、かく語りき。

【10:36|浦川】やめるにやめられないですわ

浦川「くっそー…なんなんでしょうかね。もうやめようと思ったら沖からフワッと姿を現しよる。今度こそやめたる」

と言って虫ルアーを沖にキャスト。すると沖でユラユラと2〜3尾のバスが姿を現してユラユラとチェイスし、口を使………。

わないっ!!

口を開けるか開けないかの状態で開けないとは何という思わせぶりなバスなのだろうか。学年で1人はいる地味め小悪魔系女子を連想させる動きだ。…私見を述べて申し訳、ない。そして、浦川選手にまだやめる気配は、ない。

【10:45|高梨】陸王戦士といふ やんごとなきもののふ

高梨「下流方向から上がってきたスクールが見えなくなった。多分、沈んだから、この辺りを通るかな?」

岸近いカバー周り、沖のチャンネル付近のストラクチャー周りと攻め場を点々と替えていく。

記者は先ほど地元アングラーの方から、こんな話を聞いていた。無論、高梨選手にはリークしていない。

高梨「地元カーブの辺りにでかい居着きがいるんですよ。それとは別に、スクールが下から上がってきて、深場を通って最終的には橋の下で溜まるんです」

前者は先に浦川選手が、後者は今しがた高梨選手がそれぞれ攻めていた。実にお見事。

【11:01|高梨】黄色の彼岸花、花言葉は『深い思いやりの心』

ワンコの散歩で現れた妙齢の女性に「ヒガンバナの群生地ってここですか?」と尋ねられた。

土手下のブレイク沿いを見ると、確かにその通り。一眼レフを片手に写真愛好家の方もチラホラ。

我々アングラーは、地域の皆さんが共有するフィールドを間借りしているような存在。不用意に踏み潰さぬよう気を付けたい。既に開花の見頃は過ぎたようだが…。

【11:35|高梨】事件が勃発する11時台

たとえ無風で、たとえ暑くて、たとえ水面に生命感がなくても、突如何かが起きるのが11時台。

ところが、30分を経過しても『無』。

高梨「ここまでの間、魚に出逢っても、1勝何敗? ことごとくヤラレてますね…」

12時休憩までの、この2ラウンド目に尾数を追加して、明けて13時の最大魚発表では浦川選手に超アドバンテージによるダメージを与えておきたいところだが…。

【11:37|浦川】移動ですわ

浦川「今度は本当に移動ですわ」

そう言って、本日初めてのエリア移動を決行。途中コンビニで早めの昼食を買って向かった先は長田川。

実は、この橋脚より上流のカバーポケットが昨日浦川選手がやらかしてしまった場所なのだ。バジンクランクを入れた瞬間にバスがシェードから飛び出してきた。

浦川「ドライブビーバー3.5の7グラムテキサスを同じピンに撃ってみましたが…そう甘くはないですわ(笑)」

【12:30|高梨】昼休憩は『情熱(抜けません!)』でおなじみのお店

本日初のクルマ移動で向かった先は、高浜市内の来来亭。高梨選手、その表情は何を示唆?

高梨「いや、特に何も(笑)」

謎だ。

奥に見えるのは、動画カメラマンの「サワエさぁーん!」です。午後は、高梨選手の「サワエさぁーん!」の雄叫びをぜひ聞きたいものだ。

【12:58|浦川】はやく!あと2分ですわ

昼休憩中のひとコマ。記者はあまりの眠たさで意識が朦朧、写真はブレブレだ。

浦川「休憩長いですわ(笑)。あと2分! 早く!」

師範代の静かなる魂の叫びで覚醒。最後の中間報告を行う。

高梨選手、420グラム。

浦川「…首の皮一枚繋がりました。これから半場川へ向かいます。そこが俺の最後の砦。ここで出てくれんと困ります」

いざゆかん!

【13:09|高梨】対戦相手の最大魚発表!

ラーメンを食べた後に、13時移動で現場到着。

高梨「浦川さん、ゼロですか…。とはいえ、ようやく天気予報通りのローライトになって、午前中に沖を泳いでたでかい魚が浦川さんの強い釣りに反応しやすくなる。僕は僕で、ひとつひとつ状況を見極めて釣っていきたいと思います…あ! ボイル!」

チャンス到来か!?

【13:25|高梨】喰った! が、しかし…

高梨「今のは普通にちゃんと喰いました。何が悪かったのか、フックオフ…」

アイシャッド2.8インチのノーシンカー。「i字引きで追わせて、反応したら逃がす」という手法でのバイトだった。

念のためフック交換して、再度チャレンジへ。第3ラウンド、開始早々の追加ならず…。

【13:29|浦川】ピンチですわ

半場側川に到着して、しばらく虫のダウンショットなどで探ってみるも反応は乏しく。

浦川「あきませんね。この川でデカいの一本は見てたんですが、いないですわ。ピンチ…」

ヤマトjr.を投げて表層バイトの可能性も探る。



【13:45|浦川】上流見てみますわ

半場川で魚信が乏しく、移動を考え始めたときに目の前で強烈なボイルが発生!

浦川「まあまあのサイズですね。エビ、ゴリ系の小っさいベイトを食べてたんでしょう。あれはいたいわ。どこから出てきたんや。上流の方にすぐ行ってしまいましたわ」

その後、追いかけて上流をチェックするも不発!

浦川「長田川に一旦戻って最後のチェックをし、ダメなら稗田川に向かいます」

【13:55|高梨】今朝の定位置へと

高梨「魚もよく見えるようになったし、ローライトに弱風。状況はかなり良くなってるはずなんです」

進行方向から向かってくるバスに身を屈めたり、活性高いヘラブナのバイト(!?)など、ここまで様々あった。そして、朝に1尾を仕留めた水門へ。改めて川の名を言っておくと、ここは稗田川だ。

そして、11時台と並び事件が勃発しやすい14時に突入寸前。11時台は何も起こらなかったが、今度こそ!

【14:22|浦川】長田川リターンズですわ

半場川を見切り、長田川へと再び舞い戻る。気になるのは、『昨日やらかしてしまったパターンは、果たして効くのか?』だ。

昨日は15時にバジンクランクでカバーから出てきた。果たして、本日この時間はどうだろうか。すると…。

浦川「手前のカバーから追ってきました!」

残念ながらバイトまでは行かなかったがバスの確認と反応を捉えることに成功した!

長田川で光が差したか!? しばらくチェックを続ける!

【14:26|高梨】 往年の名作、スーパーチューン済みのバド系

もはや晴れ間が付け入る隙もなく、完全なローライト。そして弱風。高梨さんはそれまでスイムベイトのユニオンスイマー120など、水中でのパワー系に力を求めていたが、ここにきてステージをトップウォーターへと変更。

高梨「水がクリアだった昨日はイナッコの群れが泳ぐ姿が見えましたけど、すっかり濁った今になって、なぜかジャンプをよく見ますね」

イナッコは濁りの中ではジャンプする生態がある…のかどうかは不明だが、チャンスを感じた高梨選手はバド系のドラフトウェイカーへとシフト。

一発ドカン! きっと!

【15:05|高梨】 トップウォーターレスキュー

休憩直前、対岸のジャカゴにスタックしたトップを竿先で救出。トレブルフックの1本がジャカゴの針金に掛かっただけでも、対岸からではなかなか救えないものなのだ。

休憩が明けたら、残すはラストまで2時間の第4ラウンド。

高梨「このままでは絶対に終われない!」

突き進め、会津魂!

あれっ? 雨がポツリと…。チャンスか、チャンス到来か!

【15:32|高梨】第4ラウンド、開始!

気付けば、対岸の下流側に浦川選手。互いに今朝と全く同じ立ち位置から始まる最終ラウンド。おそらくは試合終了までの2時間をごくごく近くで過ごすことになりそうだ。

さぁ、ドラマを起こすのは、どっちだ!

【15:41|浦川】雨ですわ

長田川から稗田川へと移ったタイミングで15時。最後の休憩が終わった。試合終了まであと2時間!

浦川「何としてもゼロだけは避けたい。一本とにかく出したいですわ」

対岸には高梨選手。ずっと稗田川に入っていたのだろうか。そして、予報に反して天気が早くから崩れ始め、ポツポツと雨が降り始める。

浦川「もっと降れって感じですわ。プラのときもそうやったんですが、雨だと魚が岸ベッタリから出てきてけっこう見えるようになってくるんですわ」

【16:13|高梨】雨が強くなる→レインウェア着用→止む…

クルマまで戻ってレインを着用…したのは、カメラマンとライター。て、高梨選手は着ないのかいっ!

高梨「暑いし、多少の濡れはガマン」

んで、着た途端に、雨が止むという…。あるあるですな。暑っ!

上流方向へ歩を進める。本日初の水域へ。

【16:28|高梨】高梨 バイト連発!

対岸の水門周りが何だか騒がしい。バイブスを投入するや、即バイト!しかし、乗らず、続けざまのキャストでまたバイト!

高梨「今日イチの激アツ! …でしたけど、その後は小さなバイトに…すべてがバスではないような…」

バス以外にいるのは…何か? ニゴイか?

【16:33|浦川】3度目ですわ

稗田川は午前中よりもパワーダウンしたのか!?

浦川「雨が降って雰囲気も良くかなり投げましたが…出てくれないです
わ。俺にここで絞り出す武器はない。移動しましょう」

そうしてきたのは長田川。本日3度目となるが…こちらもバスが出てくる可能性は下がったのか?

浦川「こちらも難しそうですわ」

と厳しい様子。早々と切り上げる。

浦川「半場川へ移動しましょう」

【16:44|高梨】バイブスからスイッチしたのは…カワユスなギル♪

い位置からルアーの軌道を見ていると、水面直下でギュンギュンと半円を描くかのようなダートを魅せる正体不明のルアー。それはいったい何か?

高梨「小ギル型のスイムベイト。フラッシュユニオン製のプロトです」

ユニオンギル? ユニオンフラットスイマー? 勝手にネーミングを想像してしまった。発売が楽しみだ!

【16:51|浦川】同化してみますわ

半場川に到着し、再アタックを試みると、バス発見! なかなかのサイズのようだ!

虫のノーシンカーでアプローチすると…。

浦川「喰った!…アッ!」

バイトからのすっぽ抜け!! 無念!!

浦川「決行本気喰いだったと思うんですが…痛いですわ」

そのまま藪に同化して上流を釣り上がる! 残り約30分!!

【16:59|高梨】「あと何分ですか?」

上流方向から戻り始め、第4ラウンド始めに攻めた水門を逆サイドから狙う。

残り、約30分! 諦めるな、まだ試合は終わっちゃいない!

【17:11|高梨】メインの水門に先行者…

メインの水門はスルーして、岸際をスモラバでフリップ。

終了間近だが、焦ることなく、1投1投を丁寧に撃ち抜く。

【17:25|高梨】ラスト5分で雨が!

雨パワー、恵みの雨となるのか?

【17:27|浦川】万事休すですわ

藪を漕いで漕いで、漕いだ先にサンクチュアリは…なかった。

浦川「最後のバイトをものにできなかったのが残念でならないですわ。もう、これ車に戻る途中でストップフィッシングやな」

師範代、万事休す。

【17:30|高梨】ストップフィッシング

高梨「濁ってからは反応が薄くなりましたね、全般的に…。雨パワー、夕方パワーがない…。これは僕が負けても仕方がないローウェイトです…」

それでは結果発表の会場へ急ぐ。

結果発表!

陸王MOBILE最終予選となった油ヶ淵での第4戦の結果がこちら!

浦川選手/0尾0グラム

高梨選手1尾420グラム

かなり厳しい戦いになりましたが、高梨選手が最後の決勝行きのチケットを手にしました!!