ソリッドティップといえば、アジング専用ロッドの代名詞的パーツ。特にジグヘッドリグを使うことを想定したロッドのティップは、今やほとんどソリッドティップです。そんななか、チューブラーティップにこだわってリリースを続けているのがヤマガブランクスのブルーカレントシリーズ。ほう、ソリッドを使わないで繊細なティップを表現できるのかコンチクショー! と思ってたら、できるんですね。ハイ。
ブルーカレントシリーズの概略をさらり
ヤマガブランクスはすべてのロッドを日本で製造、組付けを行っているメイド・イン・ジャパン製品をウリにするブランドです。今回、紹介するのはそのヤマガのライトゲームブランドである、ブルーカレント。現在、ブルーカレントⅢというシリーズと、ブルーカレントTZ/NANOというシリーズに分けられて展開されています。
今回の気になりロッドは、ブルーカレントJHスペシャル62/TZ NANOですから、後者のシリーズとなります。こちらのシリーズの特徴は東レのナノアロイ®技術採用マテリアルを使っているアジングロッドだということでしょうか。
実は、当初、ナノアロイ®はオフショアのジギングロッドなどのパワーゲームロッドのマテリアルに愛称が良いと言われていましたが、ナノミセルを配合したレジンの僅かな重量増を考えると、繊細なライトゲーム用ロッドには不向きでは? なんて言われていたこともありました。
実際はそんなことはなく、マテリアルの種類はもとより、プライ数やカットパターンでなんとでも調整できるわけですし、そのキャストフィールの良さや、ロッドのブレの収束の速さなどは、とても素晴らしいことを考えるとナノアロイ®のアドバンテージはデザイナー次第だなというところに収束した気がします。
ナノアロイ技術はとってもロッドと相性の良い技術だったのだ!
ヤズ「なぁ、いまやぁ、エギングロッドを物色しているんやけどやぁ、このナノアロイがどーのこーのゆうのはなんなんや。ナノアロイやったらなにがええんや」
高価格帯のロッドに使われること…
むしろ、最近は、ナノアロイ®技術採用マテリアルを使うライトゲームロッドは、アリよりのかなりアリという認識をもっています。採用できるカーボン種類も増えてきましたしね〜。
ということで、本題のJHスペシャル62/TZ NANO
同シリーズは5フィート8インチから9フィート3インチまで、幅広いライトゲーム用のラインナップが揃えられています。アジング用からメバル用まであります。特徴としては、ジグ単用ロッドにもチューブラーティップが採用されていること。
今回、コレ! と思って取り上げたのは6フィート2インチのレングスになるブルーカレントJHスペシャル62/TZ NANOです。
このモデルですが、ティップの曲がり方がソリッドを彷彿させるような靭やかさなんですよね。ナノアロイ®特有の柳のような粘り感、反発感と相まって、実に理想的なアクションです。え? ソリッドでなくてもいいじゃないの! と空振りした時に驚いた記憶があります。
ソリッドティップは喰い込みの良さが抜群な反面、ソリッドですから、チューブラーにくらべて情報感度に劣る一面がありました。でもその弱点を補完して余りある機能が、前述のアタリに対しての柔軟さでした。
逆説的に考えると、チューブラーはその繊細さに劣るゆえに、アジングロッドとして、一部のロッドにしか採用されなくなってきたわけですが、設計次第ではここまでチューブラーティップにソリッド的な柔軟さを与えられることに驚きました。チューブラーティップの弱点が消えたわけですから、凄いことです。まさにアドバンテージが与えらている1本です。
こちらで、そのソリッドティップと見紛うような曲がりを視聴できますので、ご興味のある方はご覧になってください。
ロッドアクションとしては、シャキって感じではありません、芯のある柔らかめのアクションです。ナノアロイ®由来の粘り感がありますから、シャープな掛けを仕掛けても、ラインがブレイクするのを防いでくれるような靭やかさがあります。ジグ単の乗せの釣りがドンピシャですが、掛けで使ってもごまかさずに使える….。思わぬ汎用性があるのではないでしょうか。
ということで、異色ではありますがバランスが良いアジングロッドですので、怖いものに手を出す感覚ではなく、さっと受け入れられる1本に仕上がっていると思いますよ。
そして忖度なしの私的ベスト3ロッドを発表しちゃうのでありますよ。
編集部F重「ということで、最新の市販エギングロッド30本、200gと400g…