2020年のシマノ新製品には、たまたま全く同じ糸巻量で、はっきりと3つの価格帯に分かれていて、それぞれが個性豊かな話題リールというインプレにうってつけの3台がある。『SLX DC』、『メタニウム』に続き、今回登場するのは『カルカッタコンクエストDC100』。昨年、200がフルモデルチェンジして世の耳目を集めた同シリーズのコンパクトモデルだ!!
インプレするのはこのお方!!
【Profile】
横沢鉄平(よこざわ・てっぺい)
自称「業界唯一のプロフェッショナル・インプレライター」。24年間のライター生活で、手掛けたインプレ記事は数知れず。ルアマガ本誌のインプレ不定期連載『バスタックル3Gインプレッション』だけでも50回を超えるので、まんざら嘘でもない。契約メーカーゼロは無駄じゃなかった?
コンクエストDCに待望の100番を追加! ハードルアー使いなら見逃せない1台
2019年に登場して、好評を博しているカルカッタコンクエストDC200 の100番台バージョン。MGLスプール、I-DC5搭載で、ライトなプラグもバックラッシュなしで遠投可能。そして何より比類なき精密さを誇る駆動系によって、気分良く巻くことができる。DC200に惚れ込むユーザーが絶対に欲しいはずのスーパーサブだ。
●ギア比:5.6●最大ドラグ力:4.0㎏●自重:240g●ナイロン糸巻量:12lb-100m●最大巻上長:58cm/ 1回転●ボール/ローラーベラリング数:12/1●価格:67,000円(税抜き)※写真はDC100 RIGHT
チェックPOINT①外観デザイン/DC200のデザインを継承!
2019年にリリースされたDC200のダウンサイジング版だが、デザインも素直に継承されている。2つの円を組み合わせたようなA側カバーに、DCのブレーキレバーがタイマーのようなデザインとなっているB側カバー。このレバーは間違いなく調節しやすい。
チェックPOINT②回転・巻き心地/「クラッチ故障?」かと思うほど軽い巻き心地
非常にコンパクトだし、握った感触に金属特有の剛性感がある。だからホールド性がいい。
ハンドルを巻くと、混じりけのない円滑な回転。これはNEWメタニウム以上。抵抗の小さいルアーを巻いたら、クラッチが空回りしているかと思うほど、回転が軽かった。
チェックPOINT③キャストフィール
キャスティング
遠投能力は素晴らしく、ほぼNEWメタニウムと同じだった。どちらもバックラッシュしないし、安全なので、あとはブレーキの利き方の好みだと思う。
個人的にはSVSのほうが好みだけど、精神的な安心感はDCのほうが上。よく飛ぶルアーだとラインが足りなくなる勢いだ。
ピッチング
DCのブレーキ設定が若干強めなので、ピッチングのときはダイヤルを1にしてみた。すると、これが奏功したのか、それともMGLスプールのおかげなのか、いい感じで低弾道ピッチングが決まった。
金属製だがコンパクトなボディなので、片手で振っても辛くない。
チェックPOINT④ブレーキ/番号通りのブレーキ力をかけてくれる
全長13cm、重量20gのミノーを結び、強風モードのWから始めて、4から1まで順番に試した。ブレーキが弱まるにつれ着実に飛距離は伸びた。
トラブルはないが、1だと若干リスクが上がることを実感。2か3なら安心して超遠投できたので目安になると思う。クランクベイトでも同様の結果に。
チェックPOINT⑤ドラグ/ウェットではなくドライな感触を受けた
ドラグが出ていくときにカチカチと乾いたクリック音が出て、テイストはドライだ。
調節がしやすくて、固着もなく、特に問題はない。
フルロックはしないが、パンチングでもしない限りは十分なパワーだ。
チェックPOINT⑥総合的使用感/ビッグベイトにもぴったりだったDC100
よく飛ぶし、バックラッシュしないし、巻き心地は極上。
金属ボディは重いけれど、実は精神的な安定感をもたらすので、巻き心地を向上させる。やはりクランクなどの巻きモノやトップに使いたい。
一定速を維持して引くのが得意なので、50gクラスのビッグベイトにも適している。
チェックPOINT⑦価格/100番の丸型でDCというのは価値が高い
ネット販売の相場では5万6千円前後。SLX DCとNEWメタニウムをまとめて両方買える価格だ。これは決して安くはない。
でもこのサイズの丸型リールで、しかもDCブレーキ搭載となると唯一無二の存在。カルカッタ系は10年は使えるから、損はしないと思う。
12lb以下で投げて巻く釣りならこれがいいね。14lb以上は、200番台じゃないとラインが足りないな。