ハードルアー限定のオープントーナメントであるH-1グランプリ。残念ながらこのご時世で2020年は全戦中止となってしまいました。ですがせっかくなので、H-1グランプリの2タイムスチャンピオンである、伊藤巧さん、折金一樹さんの両雄に、もし予定されていたとおり開催されていたら? という、仮想条件を設定した上で、攻略パターンを考察してもらいました。
今回は伊藤巧さんに、相模湖の夏の釣りを予想していただきます!
【Profile】
伊藤巧 (いとう・たくみ)
1987年、千葉県生まれ。H-1グランプリ2011年、2015年の年間チャンピオン。今やバスマスターエリートプロだが、最初の年間タイトルはH-1だった。ハードベイトではスピナーベイトやトップ系などが得意だが、何よりしつこさが身上。
仮想フィールド:相模湖
東京から近く、観光地レイクでもある相模湖。かつては津久井湖と並んで、最難関レイクの一角を占めていたが…近年の釣れっぷりは房総リザーバーを凌ぐ勢いだ。去年のH-1グランプリでは優勝は4,250g、4位までが3kgオーバーという、関東にしてはハイウエイト戦となっている。
仮想条件
日程:7月26日
天気:晴れ
気温:24〜31℃
風向き:南
風速:0~1m
水温:28℃
水色:クリア(ややアオコ)
カバーを利用するのが相模湖の王道
伊藤「めっちゃ得意な時期ですよ。もう、水温が28℃だと完全なサマーパターン。僕、実は津久井湖はめっちゃ苦手で…騙せる障害物がないから釣りづらいんです。でも相模湖には騙せるモノが結構あって、それをうまく使えれば釣れる。僕はめちゃ得意ですよ。さて、水温28℃の7月末だと完全サマーパターンの浮いた魚のサイトがメインになるかな。あとは、本湖のウィンディサイドの岩盤、ブッシュの中にボートごと入って、岩盤キワキワのスピナーベイティング&トップですね」
メインパターン:浚渫からシャローに上がるバスを釣る超絶サイトテク
ポイント:秋山川上流、吉野ワンド上流など
伊藤「秋山川キャンプ場などには浚渫された場所があるんですよ。そこからシャローにバスが上がってくるタイミングが1日のうちに1〜2時間だけある。そこを畳み掛けるのがビッグフィッシュパターンです。確実にバスが上がってくる、浚渫の絡んだシャローが何箇所かあるので、そこをステルスペッパーなどを投げつつ小バスを釣りながら、超絶いいタイミングを待つ。すると、水面下50cmくらいにデカいバスが浮いてきたりするんです」
ピューパ虫(クランキンピューパ改)(ノリーズ)
H-1用に改造した虫系ハードルアー。動物の毛やシリコンスカートで虫っぽいシルエットになっている。ヘビーカバーの奥に撃ち込んで水面で誘ったり、枝に引っ掛けてぷらんぷらんさせて食わせる。
メタルワサビー4g(ノリーズ)
フックに毛を巻いてある。こちらも空中でぷらぷらさせ、ギルなどの注目を集めておいて、その下のバスにスイッチを入れる。その後のフォールでバスに食わせてしまう。2015年にこの釣り方で見事優勝している。
虫は空中ブランコで食わせよ!
木の枝などに引っ掛けてシェイクして水面で誘う…いわゆるチョウチンとは違う。やや太めの枝にラインを引っ掛けて、まるでサーカスの空中ブランコのように振り子の動きをさせ……なんと空中で食わせるのだ
サブパターン:濁りが入ったら、スピナベと羽根モノで強く攻める
ポイント:本湖の風が当たる岩盤、秋山川
伊藤「メインパターンはすごく濁りに弱いんですよ。濁りが入ってサイトがうまくいかないときのバックアップパターンです。本湖の風が当たる岩盤や、川筋のブッシュ&岩盤にスピナーベイト、もしくは羽根モノを通していく。オーバーハングの中に入ってしまい、ショートキャストで岩盤と並行に引きます。本湖がいいときは川筋があまりよくなかったり、川筋がいいときは本湖が良くなかったりする。その時間差をうまく使って、どちらかに当てていく。どうしても流れがないと川筋はキツいですね」。
クリスタルS1/2オンス(ノリーズ)
岩盤とブッシュの隙間にボートを突っ込んでショートキャストで狙う。ブルンブルンとしっかりゆっくり泳いでくれるので短い距離でもアピールできる。
ウォッシャークローラー(ノリーズ)
木から落ちてきたセミをイメージで水面で騙そう。比較的大きなサイズでバスがフワーっと浮いてきてガブっと食わせるイメージだという。