南米の怪魚タライロンを狙え! アクシデントから始まった釣行譚【その1】@FishmanKEN



さぁ、自分のプロデュースしたベイトロッドを駆使しながら世界各国を釣り歩くFishman代表のKENさん(赤塚ケンイチ)。今回の釣行譚は、以前にルアマガプラスで紹介したトリニダード島のターポンフィッシングの続きになります。さぁ、南米のスリナムに棲むタライロンを狙う旅物語始まります!(文:赤塚ケンイチ)

前回の記事はこちら!↓



Profile
赤塚ケンイチ(あかつかけんいち)

ベイトキャスティングロッドメーカーである「Fishman」代表。渓流のトラウトから怪魚ターポンまで、国内外のあらゆる魚を狙うマルチアングラー。その魚たちを自身の開発・プロデュースするベイトタックルで狙い続ける。KENの愛称で親しまれる。

国境越えのための船が定休日⁉️ 予約のセスナに間に合わないかも…..

この釣旅は、第1回のトリニダード島でターポンフィッシング編からの続きである。ターポン釣りが終わり、トリニダードからスリナムへ向かうんだが、まさかの冒険が待っているとは…。

トリニダードから飛行機でガイアナ・ジョージタウンへ行き、そこから陸路でスリナムのパラマリボまで約450kmを向かう。距離はたいしたことないが国境があるので、そこまでのバスくらいあるでしょ?と思っていたのだが無い…。仕方が無いのでタクシーを拾い、まずはガイアナの国境越えの街へ向かう。ちなみにガイアナは南米で唯一、英語が公用語なのでたいした喋れない自分でもなんとかなった。

国境には幅が数㎞ある大きなCourantyne Riverがあり、本来はフェリーに乗ってなんの問題もなく入国するのだが、なんとこの日は定休日(笑)そんなことってあるのか??あるんです。嘘だろ??ということが起こるのが海外なのである。パラマリボからセスナでジャングルへ飛ぶのは明日なのに、参ったな…。タクシーの運転手にどこか船を出してくれるところを探してくれ!とロコではない運転手があちこちに聞き込み開始。1時間ほどで何か有力な情報を手に入れた。

どうもこの砂利道の奥にボロボロの2階建ての看板には手書きで「Immigration」と書いてあるではないか。ほんとにこんなところで出国許可が~~?と半信半疑で列に並びパスポートを提出したら、今度は黒人の兄ちゃんについていけとのことで、向かった先は謎の洋品店。頭の中は?だらけではあるが、大きなキャリーケースを転がして店内へ突入する。

怪しいイミグレーション。

このときの気分は映画パルプフィクションでブルースウィルスが怪しい武器屋へ突入する感じに似てる。なんと店の裏には国境の川があり、洋品店の裏から壊れそうな長~~い桟橋があるではないか。大丈夫か??と死ぬほど疑いたくなるが今はこれしかスリナムへ辿り着く道はないんだ。

謎の洋品店の裏側
船に続く長い桟橋

自分の100リットルのキャリーを担いでくれる洋品店のスタッフに付いて、頼りない桟橋を先端まで行くと、小船がありそこには現地人らしく黒色人種の人たちで満席だった。もしかして本当に出国できるのではないか?人々を見てちょっとほっとした。ブルース・ウィルスは店の奥で縛られ拷問を受けたが、俺は免れそうだ。

スリナムへ渡る小舟


怪しい渡しで無事入国!

約1時間ほどの小船旅で川の水をたっぷり浴びて、対岸のスリナムへ到着!しかし泥の河原には男が十数人、水に浸かって立っているだけで桟橋は無い。そう、彼らにおぶされて陸地へと入国。入国審査は?ここでは詳しく書けないが彼らにパスポートを預けて(海外では命の次に大事だが)入国無事スタンプをゲット。

さらにタクシーで数時間は走り、ようやくパラマリボの街に入ると飲み屋街は割とキレイな印象。白人の欧米人も見かけた。朝昼メシを抜いていたので、美味しいステーキは格別な味だ。その後適当に宿を探し就寝。翌日、セスナ飛行場からジャングルへ出発でき、ここからが釣旅の釣りの方がスタートする。

<次回に続く>

セスナの飛行場に無事に到着!
パラナリポの晩御飯!