最強淡水魚パプアンブラックバスを求めて怪魚だらけのパプアニューギニアへ!【WORLD EXPEDITION FISHING!!】@Fishman KEN



世界の果てまで釣り歩く赤塚ケンイチさんは、人気ベイトロッド専門メーカーのFishman(フィッシュマン)の総帥。今回は淡水の暴君「パプアンブラックバス」を求めてパプアニューギニアに旅したときの様子を語っていただきましょう。赤塚さん、よろしくお願いします!(原稿:赤塚ケンイチ)



Profile
赤塚ケンイチ(あかつかけんいち)

ベイトキャスティングロッドメーカーである「Fishman」代表。渓流のトラウトから怪魚ターポンまで、国内外のあらゆる魚を狙うマルチアングラー。その魚たちを自身の開発・プロデュースするベイトタックルで狙い続ける。KENの愛称で親しまれる。

飛行機、5回の乗り継ぎ…地元LCC便は5年に1度の墜落事故!?
西パプアは距離は近いがアクセスは難易度高し!

某年9月、経路のややこしい西パプアへと向かった。どうややこしいかと言うと、東パプアなら成田から直行便で6時間フライトで到着するが、西は5回の乗り継ぎを要するから、距離は近いがとても時間が掛かる。しかも現地のLCC便(飛行機)は5年に1度墜落事故が起こっているから天への祈りの数も多い。それだけ行くのが大変な西パプアだから釣果を期待したいところだが、パプアンバスはそんなに甘くないのも知っている。2日に1度来るかどうかというバイトの少なさなのだ。

パプアンバスは沿岸、河口域からジャングル上流域まで広範囲に生息域している。河口域の大きくベントしている風裏に停泊するマザーボートが今回の宿。毎晩汗疹ができるほどの寝苦しさや虫など、かなり劣悪な環境だ(笑) しかしこのフィールドで釣りができるだけで最高に幸せ。虫刺され(片足100か所くらい)なんぞたいしたことはない。

1000kmほど北にはフィリピン、西側はインドネシア。乗り継ぎで立ち寄ったスラウェシ島では帰路に北部で大地震が起きた。

もし河口で釣れたらラッキーだ。あの猛烈な突っ込みで根に入られる心配がないからだ。釣りは小舟から岸に5m潜行するディープダイバーを投げ、ブレイクを舐めるように巻いてくる。この釣りは巻き抵抗が少ないルアーが有利。1日800キャスト×7日間巻きまくるから。今回の釣旅はなにかいつものPNG(パプアニューギニア)とは違って魚の気配に溢れていた。

まったりとしたアタリが来て思い切り合わせると、ゆっくりだが非常に重い魚の感触。バスではない何かがフッキングしていた。XHの強いが粘るバット&ベリーで浮かせてラインを巻き取るが、その3倍ラインが出されていく。PE5号を100mは巻いているが心もとないので、小舟はオールを使って追尾していく。そんなやりとりを10分以上続けてようやく上がってきたのはなんとエイ…。

ロッド:Fishman BC4 5.10XH/BC4 5.10MXH リール:シマノ トランクス400/テイルウォーク エランワイドパワープラス ライン:Fishman プロトPE4〜6号 リーダー:フロロ100lb ルアー:DUO ファングベイト120DR/140DR、タックルハウス K2F142
重い魚の正体はエイであった。思いがけず乳酸フィッシングとなったが、海外での前半戦は地道に体力を作っていくと後半は楽になるから良しとしよう。

いきなりのパプワンバス!目標達成。そして、クイーンフィッシュやバラクーダまで出現

気を取り直してキャストすると、今度は強烈なバイト!まるで自動車が30kmで走行中にルアーを引っ掛けたような衝撃が腕に伝わる。力強くグリップを握りエンドグリップを腕に絡ませてアワセを入れフッキング成功。強く激しいファイター、これは良いサイズに間違いない。しかも辺りに根は無いから走らせ放題なので獲れたも同然だ。リフトさせて魚影が見えたデカイ!10kgオーバーだ。いきなり目標達成!

パプアンブラックバス。フエダイの仲間。とんでもなく強い引きでバイトの瞬間にロッドごと船から落ちた友人もいる。40lbが世界記録のようである。

やはり今回はいつもと何かが違っていて、とてもいい感じ。アタリが無くなったら海に出てナブラ撃ち。ロングロッドは持ってきてないので5フィート10インチのベイトロッドでフルキャスト。早速バイト、強烈なトレバリーぽい引きだ。この辺りの外海ではGTフィッシングも楽しめると聞いていたからGTかな?お?ジャンプ!?クィーンだ!しかも良いサイズじゃないか

クイーンフィッシュの良型。
海釣りではバラクーダもヒットした。14cmのサーフェスミノーを忍ばせておくとこういうときに便利。

時合は干満のタイミングで起こりそうなものだが、バスには何故かハマったりハマらなかったりする。何きっかけか分からないけど突如スイッチが入りドドドっと釣れたりする。このポイントの時もそうだった。シャローエリアで水中にはスタンプがあちこちに沈んでいて強い風によって水は濁って波立っていた。

そして無状態から突然捕食スイッチがオンに。ボトムのスタンプに巻かれないようにヒット直後はごり巻きして魚を浮かせる。よし、24lbバスキャッチ。自己記録更新だ。

自身の記録魚である24lbのパプアンバス。BC4 5.10XHがピン撃ちのレングスや強度、粘りともにぴったり合っていた。
同ポイントではバラマンディも釣れた。バラはPNG沿岸部やオーストラリア北部で人気のターゲット。
今度のポイントはジャングル上流へ突入。生物学者がこぞってPNGへ行くのはこのジャングルである。未発見の虫が沢山いるらしいのだ。羽の無い拳くらいのゴキブリや、見たことない小動物、棘だらけで狂暴すぎる野草など上流へアタック中にいろんな生物と出くわす。


バラマンディが入れ食い、パラダイスの先にはアクシデントも….。

とあるプールに辿り着くと、近くの原住民が洗濯や食事をしていたので、そこで僕らも食事をすることに。でも深そうなプールだったので座ってメシを貪りながらキャストし、ただ巻きしていると1投目でガツンとバイト。そこからなんと怒涛の連発ヒットで二桁近く釣れた。ほとんどのプールは無だが、こういう場所に出くわすことが稀にある。

ディープダイバーのただ巻きで連続ヒット。特大級サイズは出なかったがこのサイズの2桁釣りが楽しめた。
西パプアでは珍しいスポットテールまでヒットした。以前東パプアのニューブリテン島で釣ったのは15lbだったが、まだまだ大きくなる魚。

最後に2本のジャングルリバーを繋ぐ水路に進んで行くとだんだん水が少なくなり、いよいよ皆ボートを降りて押すことになっていく。1時間以上進んでしまったから現地ガイドは引き返す気はないようだった。そして座礁。皆で押して脱出を繰り返しそのうち日がだいぶ傾いてくる。ここでの野営も考えなきゃならなくなってきた?食料も飲み物も底が見えてきている状態になっていた。無情にもさらに水量が少なくなり、いよいよずっと船を押しっぱなし状態で夕方とはいえ熱帯雨林だから37度くらいあって猛烈に暑い…。

しかし帰国出来てこの原稿を書いているということは、生きて帰れた訳です(笑)次回はどこに冒険釣旅をしに行こうかな(次回に続く)。

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