自分のプロデュースしたベイトロッドを片手に、世界の怪魚と渡り歩くFishman代表のKENさん(赤塚ケンイチ)。記事前編では、思わぬアクシデントに見舞われながらも目的地へ向かう。そんな冒険、釣行譚を引き続きご覧ください。赤塚さんよろしくおねがいします。前編もぜひご覧になってくださいね!(文:赤塚ケンイチ)
【Profile】
赤塚ケンイチ(あかつか・けんいち)
ベイトキャスティングロッドメーカーである「Fishman」代表。渓流のトラウトから怪魚ターポンまで、国内外のあらゆる魚を狙うマルチアングラー。その魚たちを自身の開発・プロデュースするベイトタックルで狙い続ける。KENの愛称で親しまれる。
アクシデントを乗り越え、無事、スリナムに入国。そこからセスナで奥地へ
前編ではおもわぬところでハラハラドキドキを味わったがなんとか無事スリナムへ入国でき、今度は小型セスナでジャングル奥地への秘境へと向かった。
ときおり強風で、生きた心地ゼロ状態になる。というのも軽く50mの落下を体感できるからだ。シートベルトが緩いと天井に頭が打ちつけられコブができてしまうほど。2時間ほどで奥地に到着。しかし毎度思うが世界中のフィッシングカイド会社というのは、よくもまぁ、こんな奥地に立派なロッジを立てるもんだ。おかげで快適にジャングルフィッシングが堪能できるんだ。
最初のロッジに着いたのは夕方近い時間だったので今日は釣り無しかと思っていたら、ジャングルを15分歩けば小さな川があり、そこにもタライロンが居るとのこと。どうする?行く?「行くに決まってるでしょ!」
ロッジから15分の小さなクリークが…..
サンダルでジャングルを歩いていると、ほんとに小さなクリークに出た。浅そうだし水の色も悪い。ほんとに居るのかな?浅いのでスピナーベイトでチェックしてみると、1投目から猛烈なバイト。しかも回収直前の目の前での水面爆発なのでかなりビックリする。
小鮒釣りやエビ取りができそうな小さな川だが、すこぶる魚影が濃い…。なんなんだここは…。日没までの短時間で5~6匹は釣れてしまったぞ。
タランチュラを手に這わせて遊ぶ!?
短時間の釣りだったけど、気温38度と湿度満載の川だったので滝汗。ロッジも自分の部屋に戻りお風呂セットを持ってシャワーを浴びる。ジャングルでの生活ではありがたいことに、なんと温水シャワーだ。通常は川の水シャワーか、桶だ。暗くなると、この桶の水が冷たくて冷たくて…。
夜はランタンや発電機回して明かりが灯りディナータイム。参加者の欧米人との談笑タイムにやってくるのが、タランチュラやコウモリなどさまざまな生き物たち。特にタランチュラはかなりよく見るのですっかり慣れてしまったが、ジャングルに来る前の認識は猛毒蜘蛛。しかし本当は噛まれても毒が弱いとのことで、まるでペットのように体中に這わせて遊んだ。
メインのボートゲームで大型のタイライロンを狙う
翌日からは船に乗って本流をアタック。どの魚でもそうだが水の多いところには大型魚が居る。タライロンも例外ではなく本流を船で遡って行きながら大岩やブレイク、ヨレなどを打ちまくる。次のキャストで10kgが出るかもしれないから気が抜けない。しかしその期待はすぐに無くなる。なんの反応も得られないのだ。
今回持ってきたタックルは2本。いずれも仕舞い寸法49cmの4ピースロッド、BC4 5.10MXHとXH。140mmまでのポッパーはMXH。それ以上のポッパーはXHという使い分け。いろいろルアーは持ってきたが、やはり水面爆裂が見たいのでポッパーがメイン。パンプキンの110、140mm、それとウッドボディパンプキンの190mmだ。
一番のポイントはクリークの流れ込みである。ほぼ100%魚が付いていると言っていい。そういうときは一番デカイ魚を狙いたいので190mmポッパーをセットする。船を降りて5.10XHでキャスト。良いところに着水。1ポップ、2ポップ……すると、太い魚が付いた。こいつは食わしたい。連続ポッピングでさらに追尾させていると激しく水面が割れた。シャローだったので食いつく瞬間丸見え。これはなんともいえん興奮の釣りだ。
10kgには届かなかったが8kg超えの良い魚。
本流の釣りはポイントを見極め良いところに撃てれば、ボッコボコとまではいかないがそこそこ魚が拾える。ときに良い魚が出るから溜まらない。
他魚種としてはピラニアとピーコックバスと大型ナマズ各種。後編はさらに奥地へとキャンプしながら突入していく。どんなパラダイスが待っているのか(次回に続く)。