ベイトタックルでアジングを始めるときのキャストが楽に出来るライン&リーダーセッティングFishman(フィッシュマン)@西村均



アジングといえば、スピニングでするもの。そんな固定観念は打ち破ってやる! しかし、そう思った誰しもがぶち当たるラインシステムの壁。ベイトロッドメーカーとして人気のフィッシュマンのテスターとして活躍するドクトルニシニシこと西村均さんが、そんな悩みを試行錯誤の上、答えをだしていましたよ。そんなお話を今日はしていただきましょう。西村さんよろしくおねがいします。



ベイトロッドでアジングにチャレンジする←立ちはだかるラインシステムの壁

こんにちは、山も白くなりすっかり冬の様相、とうとうアジングメバリングの季節到来!なのに今年の海水温はやたら高く、アジが中々接岸せず、苦戦を強いられているFishman西村です。

Profile
西村均(にしむらひとし)

ベイトロッド専門メーカー「Fishman」のテスターを務める。新潟県をホームに小渓流から海のルアー釣りまで幅広く楽しむマルチアングラー。人気サイトfimoでブログも執筆中。ドクトル・ニシニシの愛称で変な格好もするが、釣りのテクニックには定評あり。

今回は、『ベイトでアジングを始める時のキャストが楽出来るライン&リーダーセッティング』をお話したいと思います。

さてそのアジング、現在ではエステルラインやフロロカーボンラインを使うのが一般的。スピニングでアジングしていて、よしベイトでやってみよう!とチャレンジされた方も、最初はスプールにエステル等を巻いたのではないでしょうか。

そして1投目から復帰不可能の大バックラッシュを起こして絶望する。



PEの利点を活かし、欠点をシステムで補うラインシステム
「超ロングリーダー」

あぁ、僕もその口でした(笑)張りのあるエステル、フロロは、その特性上、キャストの時にスプールからラインが浮き上がりやすくなりますこれが、それなりのウェイトがあるルアーなら、その浮いた分のラインは即引きずり出され、バックラッシュに繋がらないのですが、ことアジングにおいては、リグは超軽量、キャスト飛距離も15m程度くらい。

つまり浮き上がった分のラインを引っ張り出すほどの力が発生しなのです。そしてスプールには、浮き上がりバックラから更に巻き込まれ、キンクが発生した、もう使い物にならないラインがどうしようもなく鎮座する。

多分、ベイトアジングで一番最初に絶望を感じるのは、リグの軽さによるキャストの気難しさではなく、張りのあるモノフィララインでの軽量リグのバックラッシュ特性になると思います。

(最初からPEを使った方ならこの苦労は背負わない事でしょう)

そう。実はこのバックラ、PEラインを使えば全く発生しないのです。が、今度はラインスラック発生時に感度が落ちる等のデメリットも出てきますがそのデメリットをほぼ皆無にするセッティングが存在します。

それがこれ、『超々ローーーングリーダー!』

判りづらいでしょうが、スプールにリーダー結び目が入っていますがそこから更に数周以上はリーダーが巻き込まれていて、その上でロッドを通ってリグがここ。

スピニングでは考えられないくらいのロングリーダーですね。

おっと僕はリーダーにエステルを使っています。これが大前提です。今、スプールをサミングで停めているのが丁度結び目の箇所で、そこからロッドを通って折り返し、左手で摘まんでいるのがリグです。

僕の場合、大体いつもは3ヒロ強、約5mほどはリーダーを付けますね。

(釣りの準備をしてるのではなく、ルアマガソルト取材終了時の御片付けの時の撮影です)

5mもリーダーを付けるとどうなるか、不便はないのか?ガイドの接触は??? 5m程度のリーダー長さだと、キャストしてリリースした瞬間には、もうリールからリーダーは全て抜けてしまいます。

そしてスプールは全PE状態。快適なキャストが可能です。ガイド抜けはベイトタックルでは全くトラブルフリーなのはもうお分かりですね。

そして肝心なのは、

これです!

写真およそ中央にリーダーとPEの結び目が見えますでしょうか。これがこの超々ローーーーーングリーダーのキモ。



キャストはPEライン。リグの操作、バイト感度はリーダーの仕事、つまり完全分業制!

『水中に入っているのは全部エステルリーダー』

と、言う事です。これなら、水中に刺したリグの操作、バイト感度を伝達するのはほとんどリーダーの仕事となり、その釣り感はエステル直結となんら変わらないものになります。要は、スプールに巻かれたPEラインはキャスト用ライン、水中の実釣はロングリーダーにお任せと言う完全分業制。

僕の釣り場はリーダーを5mも付ければ、キャストを10mほど飛ばしても、水深が浅いために、ロッドティプからリグまでの総ライン距離の半分くらいはリーダーとなり、それがほぼ全部水中に刺さります。

深いポイントなどでは、もっとロングにしても良いと思います。ただし、目安として、キャストのリリース後、バックラッシュ気味になる前にトップガイドから結び目が抜けていく長さが快適さを損なわない、ギリギリ最長の長さとなるでしょう。

参考ですが、僕が1.5gのジグヘッドで投げた場合、4ヒロ強、約6mはまだまだ余裕のキャストですね。

ベイトでアジング、と言う新たなジャンルは、それまでのスピニングアジングの常識が通用しないのです。日々新しい発見があり、面白い事を試そうと思う。

それもまた、このエクストリームなジャンルの楽しさなのです。

これからのハイシーズン、皆様も面白い事を見つけて試して、ベイトアジングの魅力に憑りつかれてみてはいかがでしょうか。慣れれば0.5gヘッドの豆アジだってベイトタックルで快適に楽しめちゃう!