アジのルアー釣り『アジング』。これはこの釣りがひとつのジャンルとして確立されるように、黎明期に名付けられた造語です。当ウエブサイトでも、何度も入門記事や、解説記事を公開してきましたが、タイトルに謳われた本記事【アジングの教科書】はそれらの解説の集大成とも言える、そんな入門・応用を意識した教科書として機能するよう記事を制作、公開していきます。
入門者もベテランのみなさんもスキルアップにぜひご活用ください。本連載は2024年版として公開していきます。加筆修正、そして前年度版では書かれていなかった、ボートアジングの入門から応用までを加筆させていただく予定です。
↓販売されている書籍は2023年度版(改訂2版)です。
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第1章 アジングのためのタックル選び|入門から応用まで
当連載では、まずアジングを長く楽しんでいくための道具の選び方を徹底的に解説します。入門者はもちろんのこと、ベテランに到るまで道具選びのヒントとなるようにと考えております。#001のこの記事では、アジングロッドの基本についてお伝えいたします。
【Part.1】ロッドの選び方/アジングの専用ロッドとは
ひとくちに釣りといっても多様であることはご存知かと思います。アジングという釣りは、その名の通り、アジという魚をルアーで狙う釣りです。対象となるアジにも数種類あるのですが、一般的にこの釣りで狙う「マアジ」は、そのサイズが15〜25cm程度が平均サイズとなります。
そのサイズの魚をターゲットとして楽しみ、その生態、習性に合わせた釣りをするためには、専用のロッドを手に入れて釣りをすることをオススメします。釣り具メーカー各社から、このアジングという釣りの専用ロッドがたくさん発売されていますので、その中から選ぶことになります。
初心者の方から、「今、持っている釣竿でアジングはできないの?」と疑問を投げかけられることがあります。もし、その持っているロッドが1gという軽いルアーを投げられるロッドであれば、なんとか釣りになる可能性はありますが、やはり専用のロッドを使ってくださいとアドバイスします。
【なんとか使えるかも知れない専用じゃないロッド】
例1:UL(ウルトラライト)表記のあるバスフィッシング用スピニングロッド、もしくはベイトロッド。
例2:UL(ウルトラライト)表記のある渓流ルアー、エリアトラウト用ロッド
いずれも細いライン、軽いルアーが投げられるロッドであれば、釣りにならなくもありません。
逆のパターンで「アジング専用のロッドでエサ釣りのアジ釣りはできないの?」とも聞かれることがあります。それも、エサ釣り専用の釣竿を手に入れてくださいとアドバイスさせていただくことになると思います。ちなみにアジング用のロッドで、メバル釣り、エリアトラウトの釣りなどは楽しむことができます。
【Part.2】アジングロッドの特徴を知ろう
では、アジングロッドの特徴を解説していきましょう。
【ロッドの種類】
現代アジングの主流はスピニングロッドです。スピニングロッドとはスピニングリールを装着してすることを前提に作られたロッドです。ベイトキャスティングロッド(ベイトリールを装着するロッド)でのアジングについても近年、研究が進んでおり本連載でも解説は予定しておりますが、応用アジングと考えてくださって結構です。
【長さについて】
釣竿としての長さは5ft前半から6ft後半が基準となります。ルアーフィッシングは、釣竿の長さをft(フィート)で表現することが多く、換算すると<1ft=30.48cm>となります。1ftは12in<1in(インチ)=2.54cm>ですので、釣竿の表記のなかには5ft6inだとか、6ft10inなどの独特な表記になりますがルアー釣りをやるうえでは、避けて通れない単位です。平均的に180cm前後の長さのロッドが多いのがアジングロッドの特徴です。1ftを10inと勘違いされている方も多いようなので、そこは注意してください。
【重さについて】
ルアーロッドの重さはさほど重要なスペックではありませんが、おしなべて軽いという特徴を持っているのがアジングロッドです。平均的に70g前後の重量になります。
【投げられるルアーの重さ】
0.4g〜7gくらいまでのルアーをキャストするのに適したスペックになっています。
【ロッドの継数について】
継数というのはロッドのピース数。1本のロッドが2本に別れていれば2P。3本に別れていれば3Pで継ぎ数は3本という表記になります。アジングロッドの場合は2Pが基本。耳にすることがあるかもしれませんが、マルチピースロッドと呼ばれる種類はだいたい4P以上の継ぎ数になるロッドを指します。携帯性に優れている特徴があり、アジングロッドでも最近人気になりつつあります。
アジングロッドには大きくわけて3種類が存在します。
後ほど解説しますが、アジングのメインの仕掛けであり、ルアーとなる「ジグ単用」。その釣りを補足する「飛ばしウキ、キャロライナリグ」を扱うことを意識したロッド。そして「メタルジグ」と呼ばれるルアーを使うことを意識したロッドです。
アジングロッドは180cm前後の長さで、非常に軽い1g前後の重量のルアーを15〜20m、最低でも投げることができる釣竿です。前述しましたがスピニングリールというタイプのリールをセットして使うことが多く、非常に繊細な竿が多いです。
現代アジングは基本的に陸から行うことが基本で、先に挙げた「ジグ単用」と呼ばれるロッドが主力となります。後ほど詳しく解説しますが、そこをベーシックに据えて釣りが展開されると考えてください。ですので、ビギナーが手に入れる最初の1本はよほどのことがない限り、「ジグ単用」のアジングロッドになります。
そして、現代アジングの定番になっているのがソリッドティップ採用ロッドです。これについても本企画内でその役割や機能を解説しますが、通常、釣竿というのは中空の穂先が装着されているのですが、アジングロッドの場合、穂先がしなやかに曲がる、中身が詰まった(ソリッド)、竿先(ティップ)が採用されることが多いのです。
ここまでが基本的(ジグ単用)なアジングロッドの特徴となります。
【Part.3】ビギナーにおすすめ! 入門用アジングロッド
大手の釣り具チェーン店などにいきますと、ロッド、リール、ライン、ルアーなどがセットになって5000〜6000円のライトゲーム用(場合によってはアジング用)と謳われたセット商品などが販売されています。価格面ではそれらの、商品が魅力的ではあります。
ちょっとアジングをお試しで…という取り組み方であれば、それらのセットでも良いかもしれません。ですが、この釣りが面白いと感じて続けていきたいとなった場合、どうしてもそれを上回るタックル(釣竿やリール、ルアーのこと)が欲しくなります。
ビギナーにオススメしたいロッドのスペック一覧
お店で買う際に以下の条件で見繕ってもらってください。解説が曖昧で、それを理解してなさそうな店員さんに接客された場合はそのお店での購入は控えましょう。
- アジング専用であること
- ソリッドティップ搭載
- 釣竿の長さが5.6ft〜6ft6in前後
- ノセ調子と呼ばれるアクション
趣味への投資を効率よくということであれば、やはりルアー専門メーカーのタックルを手に入れるのが正解です。そこで、ルアマガ+で厳選した2024年度のオススメ、ビギナー用アジングロッドを紹介したいと思います。
アジ道1G AD1-S622L(メジャークラフト)
コストパフォーマンスの高いビギナー〜中級者クラスのアングラーをターゲットにしたロッドをラインナップするメジャークラフト。上位機種の5Gシリーズの廉価版だが、必要以上の性能を備えた入門〜中級機。ある程度のレベルに達しても一線で活躍させられる、本連載でもイチオシのロッド。少しパワーの強めなMと、それよりもライトアクションなLモデルがありますが、Lモデルがおすすめ。
- 機種名:アジ道1G
- 価格:14,080円(税込)
- 長さ:6ft2in(釣竿の全長、6フィート2インチです)
- 継数:2P
- ティップ:ソリッドティップ
- ルアー:0.2~3g(投げるのに適したルアーの重さの範囲です)
- ライン:0.8lb~2.5lb(使用できるラインの強さです。lbはポンド。号表記の場合1号で約4lbで計算してください)
ガイドポスト LHR-62(サーティフォー)
現代アジングの礎を築いたと言っても過言ではない同メーカーの家邊克己プロが監修した初心者向けのモデルです。価格帯は上記の2本よりもやや張りますが、本気でアジングを始めたいというビギナーにはオススメした1本です。ベテランがサブロッドとしても購入することが多く、アクションが本格的です。特に、ジグ単を投げて、ラインを少し張って、ゆっくり沈めるという、アジングの基本をこなすのに長けています。
- 機種名:ガイドポスト LHR-62(サーティフォー)
- 価格:18,500円(税抜)
- 長さ:6’2″
- 継数:2P
- ティップ:ソリッドティップ
- ルアー:0.3~2g
- ライン: 0.9~2lb
具体的に機種名を指定しましたが、メーカーによっては長さが違うモデルがあります。先に上げました釣竿の長さが5.6ft〜6ft6in前後というスペックに合致するモデルであれば代用が効くと考えてください。
次回はさらにアジングロッドの機能について踏み込みます。掛け調子とノセ調子について、徹底解説!
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