シーバスをエギングロッドで狙うには? バチ抜け時の使用ルアー&タックル&釣り方を概説!



さまざまな釣りに流用可能と言われているエギングロッド。特にシーバスゲームとの親和性はことさら高いとされています。アクセスの良い都市部でもよく釣れる上、なかなかにビックリなグッドサイズがわりと頻繁に飛び出る。リールやラインもほぼそのままで、ルアーだけ買い足せばまずはOK。せっかくエギングロッドをお持ちなら、ぜひともご一考あれ。

「気軽に狙える大物釣り」シーバスゲームの魅力

釣りの対象としての「スズキ」の総称、シーバス。基本的には沿岸部に生息する魚ですが、季節によってはエサを求めて汽水域に出入りし、時には驚くような内陸の上流部にも遡上することもあります。

その生態ゆえに釣れる範囲が広いのが特徴で、アクセスのいい都市型河川でも釣りは成立。

…ということは、釣るためにわざわざ遠出しなくて済むわけです! 朝イチから釣りをするために3時とかに早起きして何時間も車を走らせたりする必要もなく、このご時世、長距離の移動は憚られる…という人にも助かります。

港湾部や河口部は堤防や足場が整備されている場所も多く、気楽にエントリーできるのも嬉しいところですね。

「シーバス24バトル」第2戦における一幕。対戦中の安田ヒロキ選手は川沿いのスーパー銭湯から歩いていけるポイントで55cmの1本を獲得! その後まさかの展開に…?

シーバスがいわゆる「大物」であることも人気の秘訣です。なにせランカーサイズともなれば80cm以上が陸からの「オカッパリ」で釣れてしまう。われわれのような陸上生物にとって、もっとも身近なデカいサカナと言ってよいでしょう。

スポーティーな見た目通りの引きの強さでファイトも白熱、ひとたびサカナがハリに掛かれば手に汗握る展開をお約束します。

エギングロッドの汎用性

シーバスゲームには特にうってつけ!

エギングに用いる「エギ」という疑似餌の重さは一般的なもので約10~30g。これは実はシーバス釣りに使うルアーのボリュームゾーンと近いものがあります。

どちらの釣りも基本的には広大なフィールドを幅広くサーチしたい…というところも似ていますね。

シーバス用ロッドのほうがやや長く、より遠投性能を意識して作られているという違いはありますが、これはシーバスロッドがウェーダーを履いて水の中に立ち込むような浅場での釣りも想定しているため。

ポイントによっては標準的なエギングロッドの長さである8フィート半前後くらいのほうが取り回しがいいこともあったりするので状況によりけりですが、まったく問題なく流用できると言っていいでしょう。

この違いが気になるようになれば貴方は立派なアングラー。でも、高度な専門性は突き詰めたくなってから突き詰めれば良いのです。まずはやってみましょう!

エギングロッドの懐の深さはこちらの記事でも詳解!

https://plus.luremaga.jp/2020/12/17/83987/


最もエントリーしやすい「バチ抜け」シーズンに挑戦!

さて、実はシーバス釣りには初心者でも釣りやすいシーズンがあるんです。それこそゴカイなどの「多毛類」が一斉に産卵行動を開始する、いわゆる「バチ抜け」が起こったタイミング。

ときには海面を多毛類が覆い尽くすほどにもなる「バチ抜け」。その年により規模はさまざまですが、いかにも捕食してくれ! と言わんばかりのゴカイたちをシーバスは手ぐすね引いて待っているのです。どうです、釣れそうな感じでしょう?

「バチ抜け」が起こる時期はシーバスの産卵期直後の2~5月頃まで。産卵で消耗した体力を回復するため、シーバスはこうした捕らえやすいエサを積極的に狙う傾向にあります。これがシーバスの「バチパターン」と呼ばれるもの。

バチパターンで押さえておきたいのは「ゴカイ類のニュルニュルした微細な波動を再現すること」、「軽く吸い込むようなアタリを拾うこと」の2点です。

「バチルアー」と呼ばれるものはつまりそういった目的に特化したルアーです。強すぎる波動は出さず、やや上流側にキャストして流れに乗せて漂わせるように用いるもの。基本的には巻くだけで「釣れる」動きになるよう設計されています。

各メーカーからさまざまなバチルアーが販売されておりますが、今回基軸に使ったのは「マニック」と「エリア10」。どちらもド定番と言えるバチルアーです。

マニックはシンキング(沈む)タイプなので狙うレンジは表層よりやや下、エリア10はフローティング(浮く)で巻いてくると水を受け、水面から最大20cmほど潜り込みます。

バチがいるレンジにシーバスも意識が行っているので、状況によって使い分けていくのがミソなのです。

左が「マニック」、右が「エリア10」。後方は今回使用したロッド「イントロ ハチロクオール」。2種類付属のティップを使い分けて、様々な釣りに対応。今回はバチパターンに最適な柔らかくノセやすいソリッドティップを使いました。

というわけで、某河川河口部にて実釣開始!

バチは満潮時あたりから抜け始め、潮が引く流れに乗って一斉に海へと向かいます。抜けたバチが流れきってしまうまでがこのパターンの有効時間。意外と短く、頑張って粘るよりは短時間で集中するのが大事とのこと。

当日は風が強く吹いていたため、シルエットが小さくて比重も大きく強風下でも飛ばしやすい「マニック」を基軸にセレクト。広範囲を探ります…が、いまいち反応は感じず。

ザ・都市部の河口部。ちなみにバチ抜けの最大の敵は「強風」。表層に溜まるはずのバチが吹き流されて散らされてしまったりそもそも抜けが起こらなかったり、せっかくのバチ一斉出現の威力が半減してしまうのです。

周りのアングラーとか同行のセンパイ達がポツポツ釣れ始めるさなか若干焦りを感じつつも、神経を尖らせて丁寧にゆっくり巻いていきます。上流側にキャストしたルアーが自分の立ち位置よりも下流側へと流され、くるっとターンした瞬間が最もオイシイアピールポイント。ここを意識してやっていきましょう。

何の気なしに「エリア10」へとルアーをチェンジ、上記のとおりにまた巻いてくると、変えてからの第1投で…。

流れを受けて巻きが重くなった瞬間、コツンと来ました。乗った!

実はリールのドラグを締めすぎて1回、緩めすぎて1回バラしている私(気をつけましょう)。これ以上の失態を重ねる前に一気に抜き上げにかかります。そしてなんとか…。

ゲットです。40cm前後とシーバスにしてはそれなりサイズですが、アジやカサゴと比べるとやっぱりデカい…! フィッシュグリップを持つ手が重くて(非力)シッカリ持て!! と怒られたりしました。

エギングロッドはやっぱり万能!

ということをなんとか証明できてホッとした次第でした。バチ抜けシーズンもかなり後期となってまいりましたがエギングロッドをお持ちで、もしまだシーバスやったことない! あるいはバチ抜けはまだ…という方は、ぜひトライしてみてください。

バチ以外にもこれからはさまざまなパターンでシーバスゲームを楽しめる季節です。狙い方やルアーやポイントはまた変わってきますが、釣りとしてはどれも面白いもの。折に触れて解説してまいりたいので、ご期待ください。

釣り竿持ってないけど興味ある…という方はゼヒ弊社の「イントロ ハチロクオール」もご一考を…。エギングやシーバス以外にも、本格的ながら色んな釣りを楽しめる設定となっております。詳細は下記リンクより!

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使用ラインはゴーセンさんの「ルーツPEx8」でした。

こちらも色んな釣りに使えることをコンセプトに開発されたゴーセンの「ルーツ」シリーズ。しなやかで扱いやすく、向かい風でもよく飛びました。下記の記事ではその汎用性を確かめるため、釣りの2大人気魚種・バス&シーバスの2枚取りをもくろみます。ご確認あれ。