奥田学が自腹で購入した“珠玉”のジャイアント&ビッグベイトBEST10!



数々の名作ビッグベイト、ジャイアントベイトを世に問うてきた奥田学さん。秘蔵の自腹ルアーは、まるでコレクターアイテムの様相だが、あくまでも実用最優先でのセレクトだ。

【Profile】

奥田学(おくだ・まなぶ)

対モンスターブランド『シグナル』を率いるメディアエキスパート。シマノからも、独創的なタックルとルアーをリリースしている。古くからマニアックなアメリカン・インディーズルアーメーカーにも精通し、今回はその中のお気に入りを蔵出ししてもらった。

「どうしても欲しい」と交渉して手に入れた激レア品<パート1>『トリプルトラウトスイムベイト12in・プロト(22ndセンチュリースイムベイトカンパニー)』

奥田「カリフォルニアの小さなフィッシングショーで、1個だけ展示してあったプロトがコレ。10inまでは市販されているんだけど、その上のサイズ。完全にジャイアントベイト。実は10inのほうが良く釣れるけど、コイツは釣れたら確実に55アップだし、集魚力が圧倒的でサーチベイトとして抜きん出ている。ウルトラカープとキャスティーク12inと並ぶものだね。タイプはシンキングで、スライドしながら身をくねらせて泳ぐ。速巻きでリアクションで食わせているよ」

緻密な作り込みが素晴らしいボトムトレーススイムベイト『デファイアント210スイムベイト(デファイアントルアーズ)』

奥田「ラインスルー方式で背針仕様のスイムベイト。パイプに糸を通したときフロロ20lbでも切れそうなので、ワイヤーリーダーを装着済み。背針ということでボトムトレース専用なんだけど、コイツは特に泳ぎがきれい。この形状のテールは色々あるけど、ウエイトのバランスが秀逸で姿勢が良いし、そのせいかフッキングも抜群。しかもボトムにソフトタッチしてくれて、バスに違和感を与えにくい。上のサイズの247も悪くないね」

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「どうしても欲しい」と交渉して手に入れた激レア品<パート2>『名称不明ジャイアントペンシル(ビルダー不明)』

奥田「コレも直接交渉で手に入れた系(笑)。ブラックドッグベイツのルアーからジャイアントペンシルの人気に火が着いて。西海岸では特に、ビッグバスもビッグストライパーも同時に狙えちゃうから当然だよね。アフタマショーで、シックスセンスというメーカーの要職でデザイナーもやってる人がいて、個人のブースでコレが3つ展示してあった。聞けば販売用ではないし、量産予定もないらしい…もう、どうしても欲しくて(笑)。散々交渉して、カープヘッド5個と交換してもらいました。使ってみると、ほぼ水平浮きのスライディング系。スプラッシュを上げながらスパン!と大きくスライド。サウンドも、でかバスボイル系で素晴らしいね」

ひた隠しにしてきたロボ奥田のウルトラシークレット『ランカーパンカー(ブラックドッグベイツ)』

奥田「もう10年以上前かな、発売即買ったルアー。凄すぎて、今まで取材では隠してきたシークレット。ぱっと見、こんなルアー買わんでしょう?(笑) でもアメリカのバイヤーから泳ぎの動画が送られてきて、速攻注文したよ。実績は相当あるね。例えば、琵琶湖の有名ポイントに誰が攻めても釣れないモンスターがいて。俺もダメだったんだけど、ハスが絡んだとき、超高速スライディングでコイツを試したらいきなりチェイス! ドンピシャのタイミングで思い切りスライドさせて放置したら、下から食い上げてきた。そんなんばっかり」

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西海岸系スイムベイトのお手本的優等生『バトルトラウト(ワーキングクラスゼロ)』

奥田「こういうハドル系のテールのスイムベイトは、動きイマイチなものが多い…上半身が動かなかったり、スローがダメだったり。すごくバランスが難しいジャンルだね。バトルトラウトは、テールの動きを素直にヘッドまで伝えて泳ぐ。製造中止なのか、今なかなか手に入らないのが痛いね…」

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ジャパン発スイムベイトは廃盤なるも大量ストック中『ヴェイロン180(ジャッカル)』

奥田「これも発売即買って、大量にストックを確保しながら使い続けてるね。なんていうのかな…おとなしめなのに強い。もろ食わせのスイムベイトで、ストラクチャーに付いてるデカいのに使うね。超スローに使えるからピンスポットに良い。ちなみにコレはカラーが剥げたので、バスカラーに塗り直した共食い色(笑)。フックは交換して使うね」

偏愛し続けるリアペラのシンキングビッグベイト『カイテン178(ガンクラフト)』

奥田「これもリリース以来、密かに使ってきた系。ペラつきのビッグベイトは、俺の中でコレだけなんだよね。コレしか食わんヤツがいるし、しかもデカい。シンキングだけど、ディープではあまり使わない。スローで、ピンスポットを狙い撃つイメージ。後ろでペラが回ることによって、見切られないマジックが生まれる。ペラに触るくらいまでチェイスすることもあるし、威嚇系バイトのときもある。基本的にはリアル系カラーばっかり使うね」

アラン・コールマニアの奥田さん所蔵・神個体『スキニーシャッド(ACプラグ)』

奥田「このスキニーシャッドは初期モデル。AC(アラン・コール)のハンドメイド時代が、やっぱり良いんだよね。これは琵琶湖のワカサギにマッチしていて、秘密裏に今でも使ってる。神の個体なので、使いたくないんだけど(笑)。ヌメっとした水絡みがワン&オンリーで、速巻きでも使える逸品。水を押しすぎないのとバランスがとにかく素晴らしい」

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「どうしても欲しい」と交渉して手に入れた激レア品<パート3>『プロトノイジー(ACプラグ)』

奥田「アメリカのバイヤーが持っていたプロトを譲ってもらった。スプラッシュとカップ音が乱暴な、まあまあ速巻き系のノイジー。そんなに巨大なのは釣れないけど、結構サカナは釣ったよ。立ち位置は、広範囲にサーチできるリアクションベイトだね。完成度はすごく高いんだけど、カップやウッドボディのバランスが驚異的で、再現不可能なレベル。本国ではトラウト寄りのブランドだし、日本でノイジーが人気だと聞いて試作してみて、それで終わったんでしょう。ちなみに、あと2つ持ってる(笑)」

ハンドメイド羽根モノ2連結の実力はホンモノ!おおごねり改(ストックルアーズ)

奥田「ストックルアーズのハマちゃん(濱村敦司さん)と一緒に琵琶湖で釣りをしていて、なかば奪い取るカタチで入手したルアー。当時羽根モノで連結ルアーはなくって、めちゃくちゃハイアピールでひと目惚れ(笑)。ボディが控えめで4枚羽根で訴えるアンバランスさが良い。ベストなスピードがちょい速巻きで、ウィード伸び始めのころにサーチしていく釣りにマッチするね。彼自身狙って獲るスタイルで、知り合う前からルアーは好きで使ってた。ちなみに、オールドスタイルのバス釣りは好きで、完全オフの日とかトップオンリーで釣りしたりする」

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