本場アメリカB.A.S.S.バスマスターエリートシリーズでも活躍する伊藤巧さんと木村建太さんが、両氏のプロデュースしたリューギのオフセットフックを解説。使えばわかるその刺さり具合は、レベルの高い現在のアングラーであればすぐにわかるとふたりは口を揃えた。
ダブルエッジ(リューギ)
小さい力でもしっかり掛かる細軸ナローゲイプ
まさに諸刃の剣と呼ぶにふさわしい、攻めた軸線径とナローゲイプ。そして外向きフックポイントが特徴。遠距離やカバー越しなど、フッキングパワーが伝わりにくい状況でこそ力を発揮する。
【スペック】
●サイズ/入り数:2(8本) 、1(8本)、 1/0(8本) 、2/0(7本)、 3/0(6本)、4/0 (5本)、5/0(4本)
●価格:374円(税込み)
ダブルエッジを解説して頂くのは世界で戦う“Taku Ito”
【Profile】
伊藤 巧(いとう・たくみ)
1987年生まれ。国内外を問わず活躍し、類稀なるフィッシングセンスで世界の頂点に挑む。あらゆるタックルに対して強いこだわりを持ち、フック一本にも決して妥協しない。
理想の機能性を保つギリギリのセッティング
ダブルエッジとは“諸刃の剣”を意味する。すべての状況にマッチせずとも、このフックでないと対応できない状況は存在する。遠投した先や、カバー越しでラインが屈折しフッキングパワーが十分に伝わらないシチュエーションでも、このフックはしっかりと機能する。
伊藤「ナローゲイプなのでバルキーなワームは向かないですし、細軸なので超接近戦のカバー撃ちにはおすすめできません。しかし、中〜遠距離でのカバー絡み、オープンウォーターでの釣り。ベイトフィネスでの接近戦、スピニングでのバーサタイルなライトリグなどでは、小さい力でサクッと刺さってくれるこのフックの性能が活きてきます」
フックポイントがオープンになっているというのも大きな特徴だ。
伊藤「内向きのフックポイントだと、ラインアイが口から抜けて、ハリ先が口のまわりに刺さる。でも、外向きのフックポイントは口の中でもハリ先が立って刺さるんです。ナロー形状ですが、フック全体を綺麗な弧を描くように設計することで、力が分散されて曲がりにくくなっています。スプリングバックという、力が加わったときに戻ろうとする作用も相まって、深く刺さり込んでいきますよ」
個性的なアイテムではあるが、性能を理解すれば大きな武器になることは間違いない。
伊藤「まずはベイトフィネスでのヘビダンなどで使ってもらえたら、このフックの良さがよくわかるんじゃないでしょうか。細軸で軽いから、ワームがナチュラルに動くというメリットもありますよ。それで気に入ったら、いろいろなリグで試してもらえたらいいと思いますね」
伊藤「遠距離やカバー越しなどアングラーが不利な状況こそダブルエッジの出番です」
インフィニ(リューギ)
美しいベンドカーブを描くオフセットの新基準
あらゆるワーム、あらゆるリグにマッチする性能はまさにオフセットの超スタンダード。刺さりと強さを両立し、フックが深く掛かることでバラシを軽減する。
【スペック】
●サイズ/入り数:2(9本) 、1(8本)、 1/0(8本) 、2/0(7本)、 3/0(6本)、4/0 (5本)、5/0(4本)、6/0(4本)
●価格:374円(税込み)
インフィニを解説して頂くのは世界で戦う「琵琶湖野郎」
【Profile】
木村建太(きむら・けんた)
ストロングかつアグレッシブなフィッシングスタイルで人気のエリートプロ。タックルプロデュースにもその才能を発揮し、リューギではピアストレブルやインフィニの開発に尽力。
あらゆるワーム・リグに対応するオフセットの完成形
インフィニが求めたのはスタンダードなオフセットフック。使用条件を選ばないワイドタイプで、フッキングのパワーロスのない形状を追求した。ハリ先が鈍りにくく剛性が高いので、超近距離のヘビータックルでのフルパワーフッキングでもへこたれない。この出来栄えには木村さんは絶対の自信を持つ。
木村「ワームはストレートからバルキーまで、リグはオフセットフックを使うものならなんでも使います。フックをセットするときは、薄皮一枚残してワームの中に平行に沿わすのがコツです。自分のオフセットフックのベースになっていて、これ以上のオフセットを作れと言われても無理ですね。やはり釣りの要はハリ。いくら良いロッドを使っても、ハリが悪ければ刺さりません。ハリがタックルバランスを左右しますから。そう言った意味で、このフックはこれまでの構造概念を覆す、進化したものになっていますよ」
プロト段階から、その異次元の刺さりに木村さんは驚いたという。
木村「TCコートとやや外向きのフックポイント、スムースなアール形状で、テストのときから驚異的な刺さり具合でしたね。今までありえなかったところにガンガン刺さるというか。やや外向きのフックポイントなのでバスの口の奥にガッツリ刺さって、一度掛かればもうバレない。使ってもらえばわかると思いますが、エグいところに刺さるんですよ。よっぽどしょぼいフッキングをしない限り刺さりますよ。これでミスしたら自分が原因です」
木村「オフセットは一生これしか使わない、それくらいインフィニには不満がないです」
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!