数え切れないほどのルアーが存在し、数え切れないほどのメソッドがある、釣りの中でも希有なジャンルと言えるバスフィッシング。それに対応すべく、ラインの種類や特性も『カオス』な状況になっているのはご存知の通り。今回はDAIWAのバス用PEライン『タトゥーラセンサーPE×8+Si2』に関して、佐々木勝也さんにお聞きした。
【Profile】
佐々木勝也(ささき・かつや)
DAIWAバスフィッシングプロスタッフ。2019年には本誌が主催する陸王モバイルで優勝。霞ヶ浦を知り尽くすオカッパリマイスターである。
タトゥーラセンサーPE×8+Si2(DAIWA)
【Spec】
●号数:0.4号、0.6号、0.8号、1号、1.2号
●強力:8lb、10lb、13lb、17lb、20lb
●糸巻量:150m
●カラー:全1色
●価格:2,310円、2,695円(税込)
カラーは視認性に優れたライムグリーン。ラインの動きでアタリを獲るときは判りやすい。
リーズナブルなうえに使いやすい8本組PE
――8本組で1号未満からの細い番手にもかかわらず、定価で2000円台中盤という価格…いきなりおカネの話ですが、超リーズナブルですよね!
佐々木「いや、ホントに(笑)。実際使ってみても欠点が見つからず、強度はもちろん使いやすさという点でも必要十分なスペックを持っているので、コストパフォーマンスが非常に高いPEラインだと思います。特に気に入っているのが、ライントラブルの少なさ。細いPEラインは風が吹くと余分なラインスラックが出てしまい、ルアーを的確に操作できなくなるのはもちろん、絡んでしまって最悪の場合はほどけなくなる。ところがこのタトゥーラセンサーPEは適度な重さを感じやすく、あらゆるシチュエーションでもラインを捌きやすいという特長があります」
――おもにどんな釣りに使用していますか?
佐々木「虫系の釣りやミドスト、小型ハードルアー、スモラバ、ネコリグなど、スピニングタックルでできる釣りなら、ほぼこのラインでカバーできます。僕はオカッパリがメインなので、同じ強力でもモノフィラメントラインより圧倒的に細くて飛距離が出せるというのは、とても大きな武器になります。僕がプロデュースした虫系ルアーのシュリンピードは自重が3.3gしかありませんが、0.6~0.8号を使えば軽く投げるだけで30mは余裕で飛ばせます。ショックリーダーは使うルアーや状況によってポンド数と長さを調整しますが、特にミドストはリーダーを短くするとハイピッチロールになり、長くすると緩いストロークでロールします。これもPEラインならではのテクニックですね」
ルアーが高速で飛ぶからバスに見切られにくい
そして、PEラインを使ううえで強みになるのが、キャストのスピードだという。
佐々木「同じ強力のモノフィラメントラインに対して細く、よりしなやかなPEラインはキャスト時にラインがガイドを通過する際の抵抗が圧倒的に少なく、その分だけキャストスピードがアップし、ルアーが高速で空中を飛行することになる。バスはルアーが空中を飛んでいる時点でその存在を見切ってしまえば、ルアーへの反応は期待できないと僕は思っています。だから可能な限りルアーを高速で飛ばし、バスにその存在感を察知されないように心掛けています。タトゥーラセンサーPEには進化版のシリコンコーティング『NEW Evo Silicone2加工(Si²)』が施されているので、通常のPEライン以上に滑りが良い。必然的にガイド通過時の抵抗もさらに少なくなり、圧倒的なスピード感でバスに悟られずにアプローチすることができます」
さらに、感度という点においては、モノフィラメントラインとは比較にならないほど鋭いという。
佐々木「例えば、シュリンピードを使ったフォールの釣りでは、ラインの動きを見てバイトを獲ることがセオリーです。でも、タトゥーラセンサーPEの場合はラインが動いていないのに、手元に微妙なモゾモゾ感が伝わってくるのでアタリがとても判りやすい。近年のバスフィッシング、特にオカッパリはプレッシャーがとても高いので、微妙な変化を積極的に獲っていかなければ、バスを手にすることは難しいです。そういう意味でも、PEラインを使った釣りはすでに必然的なんだと感じています。今となっては、これが僕のメインスタイルになっていますね」
PEラインの利点を活かしてアプローチすれば、これまで獲れなかった魚にも手が届く。「リーズナブルなので、PE未経験者のアングラーもぜひ!
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