ルアーマガジン本誌で最長期連載を誇る「菊元俊文のQ&A一刀両断」コーナーから、選り抜きの名回答をお届け。特に初心者にピッタリなクエスチョンを菊元俊文さんが一刀両断！今回は「持っているルアーを使い切っても釣れなかった…」そんなときの次の一手を解説する。
【Profile】
菊元俊文（きくもと・としふみ）
『SOUL OF BIG BITE』をキャッチフレーズに、ダイナミックなバスフィッシングでマグナムサイズを追求する、魂のアングラー。1997年初代JBワールドシリーズチャンピオン以降コンペティターとして活躍。現在はトーナメントを離れTVや雑誌などで、そのストロングスタイルを伝道中。大阪府出身、エバーグリーン開発スタッフ。
Q 手持ちのルアーを一通り使っても全く釣れないときの、次の一手を教えてください
釣れないときにこそ自信のあるルアーを投げ続ける
質問者さんの手持ちのルアーがどんなものか、どれだけ種類があるのかは分かりません。でも、その中には多分、自信があるルアーや釣ったことがあるルアーがあると思います。そのルアーで釣れた状況や使い方、引くスピードなどを思い出すことを習慣化するのはよい方法です。実績は自信に繋がりますし、やり切ることでバイトが得られることも多いです。
一つ言えることですが、釣れない時はついつい釣りをスローダウンしたり、いわゆる弱いルアー(小さなワームやスモラバなど)に変えてしまいがちです。ゆっくりと小さなワームなどで丁寧にやって釣れない時、いわゆる強いルアー(例えばビッグベイトやスピナーベイト、チャター、フルサイズのジグなど)にルアーチェンジしていくのは思い切りがいるので、なかなか難しいものです。
僕も「ダメだこりゃ」とＣCベイトでのスローダウンした釣りやサイトフィッシングなどで食わない状況になった時、強いルアーに戻すのは難しいと感じています。しかし、思い切ってストロングな釣りやルアーにシフトし、ヤバい状況を幾度も打破して来ました。
同じく、さんざん釣りして釣れない時、今まで全く釣ったことがないルアーに替えるのもかなりの思い切りが要りますね。でも新規導入したルアーには「これ釣れそう」「これで釣りたい！」といった思いがあるはずです。経験的に言えることですが「これで釣りたい！」という熱く強い思いは、時に凄い結果をもたらせてくれます。同じルアーを熱い思いで使い続けることでキャストが決まり、リズムが出ます。いろいろ迷って次々とルアーローテしている時よりも、明らかに精度が上がります。精度が高まると集中力も増します。「これで釣る！」という思いはニュールアーに限らず、自分の手持ちの駒(こういう時はこれで釣ったという実績と自信)があるルアーなら、決め打ちがさらに有効な手段となることも多いです。
釣り場のタイプや季節によって、そういった手持ちの駒を増やしていってください。流行のルアーやメディアで有名アングラーが釣っている新製品のルアーが欲しくなるのは当たり前です。でもそれに流されるのではなく、自分の手持ちの駒を増やすことを地道にコツコツ１つづつ増やすのが釣果を上げる近道です。
©釣りビジョン
いい場所があるならたまには休ませる。駄目な場所とは対極のエリアへの移動も有効！
また釣り場が混雑していて移動できないなら、釣りの手を止めて休ませるのもやり方の一つです。一か所で投げ続けていると、自分が与えるプレッシャーで余計に魚にプレッシャーをかけていることも多いものです。
僕も最近よくおかっぱりをしますが水中の地形やフィーディングスポットがある程度把握できたら、無駄投げは極力しないようにしています。狙いがピンスポットなら３投したら休ませるか移動します。
移動できる場所があるのなら今までやっていた場所が「釣れそう！」と思ったなら同じような景色へ。「なんか全然ダメ」と思ったら違うシチュエーションの場所を探して、次々に移動して行くのもよいやり方です。ワンドをやっていたのなら岬を。オープンウォーターを遠投していたのならカバーの接近戦をなどと、対極の場所を狙ってみるなどです。
釣り場が次々と流せるようなストレッチがある場所では、スローで小さなルアーに固執するのではなく、釣れていなくても巻き物などで広い範囲をテンポよく探って行くことはお薦めです。
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