元祖チャターベイトの登場からすでに四半世紀が経過。巻きモノでは比較的新しいジャンルだが、日本においてもすっかり定番化したと言えるだろう。でも、使い方にいまひとつ自身が持てないアングラーは多いはず。そんなアナタを開眼させてくれるのは、ご存知レイドジャパンの特攻隊長・岡友成さんだ。
【Profile】
岡友成(おか・ともなり)
健脚を活かしたラン&ガンを軸に状況を素早く分析。休日さえも現場で過ごす膨大な経験値とともに、フィールドタイプを問わず、最適解を導き出すオカッパリの手練として知られている。レイドジャパンのプロダクトディレクターとしても活躍中。
チャターベイトは「強い巻きモノ」!
まずはもっとも基本となる大前提から。「このルアーを単体で使うことはないですね」と岡友成さん。チャターベイト(=ブレーデッドジグ)は、トレーラー(ワーム)をセットしてはじめて完全体となるのだ。
そしてもちろん、組み合わせるワームの種類によってキャラクターが変わってくる(変えられる)。岡さんのワームセレクトは後の解説を参照いただくとして、では、そもそもブレーデッドジグとはいったいどんなルアーなのか?
岡「レイドジャパンならマックスブレードのタイプ・パワーがベースになりますが、他社さんのアイテムも含めて基本的には“強いルアー”だと考えてください。濁りが入っているとか、風で波があるとか、バスがカバーの奥にいるとか、そういった場面で、気付かせて呼ぶことのできるルアー。なので、水がクリアな場所やプレッシャーが高くてタフな場所では正直、活躍しづらいです。その点ではクランクベイトやスピナーベイトと共通していますね」
クランク&スピナベとの違い
岡「リップがボディと一体になったクランクベイトと違い、水を受けるブレードとヘッドがセパレートされているから、手元に伝わる振動は強く感じても、全体で水を押す力はそれほどでもないんですよ。そして、スピナーベイトに比べると浮きにくいから、ちょっと下のレンジでもより速く巻くことができます。当然、浅いレンジをトレースするのであれば、スピードで仕掛けられますね」
そのうえで、さらにマックスブレードには、タイプ・スピードをラインナップ。その名のとおり、より速さに特化し、リアクションバイトを誘える仕様になっている。
強さと速さで使い分けるチャターベイトのワーム考
岡「トレーラーは大きく分けて2タイプ。ひとつがフルスイングのようなシャッドテール系。これは、強さをさらにプラスするイメージです。揚力も強くなるので、浅いところを強く巻いていける」
岡「もうひとつはファンタスティックのようなスティックベイトやピンテール系。浮き上がらせずにかつ速めに巻けます。要は水をつかむか、水が抜けるか、ですね」
チャターベイトのベースとなるウェイトは「11g」
タイプ・パワーには11、14g、タイプ・スピードには8、11、14gの3サイズが用意されているが、「どちらにせよ、まずは11gから使うのがいいですね」と岡さん。それを基準に引き感を覚えたい。
チャターベイトは「シャローのカバーをスピーディーに探るルアー」
岡「ブレーデッドジグを作るにあたって僕らが意識したのは、これはカバー周りで使っていくものだ、ということなんですよ」
だからマックスブレードはブラシガードを搭載している。
岡「ガードといっても、ラバージグのそれとは違って、必要最少限の本数にしています。それでも、トリプルフックがついた巻きモノとは比べ物にならない、充分なスナッグレス性を発揮してくれます」
岡さんがブレーデッドジグ=マックスブレードで釣っていくのは、シャローのカバー周り全般。水深で言うなら2m以浅。
岡「僕の場合、オカッパリが中心なんですが、限られた足場からオープンウォーターを扇状に探っていくならバイブレーションを使います。でも、ブレーデッドジグでそういう使い方をすることはありません。1ヵ所で粘ってバスが回ってくるのを待つルアーじゃない。カバー周りをスピーディーに効率よく探れるルアーであり、魚が居そうな場所を、自分自身が動きながらどんどんチェックしていく感じです」
巻き方は?
岡「水深や場所に応じてスピードを変えたりしますが、まずはあまり難しいことを考えず、障害物の際を通るように投げて、タイトに巻くだけでいいと思います」
冬以外はブレーデッドジグの出番があるという岡さん。特に活躍するのは、夏と秋。まさに今が、このルアーのエントリーにもってこいのシーズンなのである。
岡「この時期、霞水系のようなマッディウォーターにひとつだけ巻きモノを持っていくとするなら、間違いなく僕はブレーデッドジグを選びますね」